大学時代の同級生で同じ職種に就いたのに、大企業に勤める友人は私よりも年収が「100万円」も高い! 企業規模が違うだけでこんなに変わるものでしょうか?

配信日: 2025.10.24
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大学時代の同級生で同じ職種に就いたのに、大企業に勤める友人は私よりも年収が「100万円」も高い! 企業規模が違うだけでこんなに変わるものでしょうか?
大学時代の同級生と同じような職種で働いているのに、勤め先が違うだけで年収に100万円もの差が出ている……そんな経験を持つ方もいるかもしれません。
 
確かに大企業であれば給与が高くなりやすいという印象がありますが、実際にはどれほどの差があるのでしょうか。
 
この記事では、最新の統計データを基に企業規模別の賃金差を整理し、なぜ同じ職種なのに年収が変わるのか、その背景を解説します。そして、年収差を感じたときに自分で確認すべきポイントやキャリアを考える上でのヒントもお伝えします。
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統計で見る企業規模別の賃金差――大企業vs中小企業

まず、「企業規模別に賃金に差があるのか」を統計から確認します。
 
例えば、厚生労働省の「令和6年賃金構造基本統計調査」によれば、企業規模別の賃金は「大企業」では36万4500円、「中企業」では32万3100円、「小企業」では29万9300円というデータがあります。
 
この金額差を年収に換算すると、仮にボーナスなどを含めて差が維持されると、年間で数十万円~100万円近くの差が出る可能性があります。つまり、今回の事例で友人と「同じ職種・同級生」という条件を満たしていても、勤め先の企業規模が異なれば、年収に100万円前後の差が出るという統計上の裏付けがあるということです。
 
また、国税庁長官官房企画課の「令和6年分民間給与実態統計調査」によると、1年を通じて勤務した給与所得者の平均給与は478万円となっており、企業規模・産業・職種などでばらつきがあることも示されています。
 
このように、「企業規模が大きければ賃金が高め」という傾向には確かなデータがあるのです。
 

なぜ同じ職種でも企業規模で年収が変わるのか? その背景を探る

では、なぜ“同じ職種”であっても企業規模で年収が変わるのでしょうか。主に以下のような要因が考えられます。
 

・財務的余力・業績の安定性

大企業ほど売上・利益・資本が大きく、給与・賞与・昇給制度に余力があり、給与水準を引き上げやすくなります。一方で小規模企業では利益が限られ、給与改定や上昇が難しいケースがあります。
 

・昇格・役職ポジション・手当の厚み

大企業では部門・担当・役職が細かく設定されており、役職手当・管理職手当などが付きやすいという傾向があります。結果として、同じ職種でも役割の幅・責任の度合いが異なり、それが給与に反映されることがあります。
 

・福利厚生・ボーナス・昇給の制度差

大企業では賞与回数が多かったり、業績連動の手当が充実していたり、昇給率が高めに設定されていたりする傾向にあるため、年収全体が上がりやすいです。
 

・職務範囲・スキル・経験値の違い

同じ「職種」ラベルであっても、製品規模・プロジェクト規模・国際案件・海外出張など、大企業ではよりスケールの大きい仕事を任されることがあります。そのためスキル・経験が早く蓄積され、給与が上乗せされる可能性があります。
 
以上から、同じ「職種」という条件だけで給与が同じになるわけではなく、企業規模が異なることで年収に差が出やすい構造があるということが分かります。
 

友人との年収差に気づいたら押さえておきたいチェックポイント

友人との年収差に「なぜ?」と感じたときに、自分自身で確認しておきたいポイントがあります。まず、あなたと友人が就いている「職種」が本当に同じ範囲・責任・担当なのかを確認しましょう。名称は同じでも、業務範囲や担当規模が異なる可能性があります。
 
次に、勤め先の「企業規模・資本金・従業員数・事業内容」がどれくらいかを見てみましょう。前述の統計では、企業規模ごとに平均賃金差が明らかになっています。
 
また、勤続年数・役職・賞与回数・昇給率・手当の構成など、自分と友人の条件を比べてみることも大切です。これらが少しずつ異なっていると、その差が累積して大きな年収差につながることがあります。
 
最後に、自分のキャリア・今後の見通しを改めて考えてみましょう。例えば「この企業で中堅・管理職まで上がったときの給与水準はどうなるのか」「転職や大企業へのチャレンジは可能か」を整理しておくと、自分の年収差を納得しやすくなり、次のアクションも見えてきます。
 

まとめ:企業規模を踏まえて、自分のキャリアと年収を考える

大学時代の同級生で同じ職種に進んだにもかかわらず、友人の年収が自分よりも100万円も高いというケースは、決して珍しいことではありません。統計データが示す通り、企業規模が大きい方が平均的に賃金が高くなる傾向があり、そこには財務余力・手当や役職制度・職務範囲・昇給制度など複数の要因が絡んでいます。
 
ただし、これは「大企業に勤めると必ずこうなる」という単純な法則ではありません。自身の職種・企業規模・役割・キャリアパスを整理し、「なぜ差が出ているのか」を理解することこそ重要です。
 
そして、差を感じることが「自分の価値を上げるためのヒント」になると捉えて、働き方やキャリアの見直しを前向きに考えることが大切です。年収差に戸惑ったときには、まずはデータを基に自分の立ち位置を整理し、次の一歩を描いてみましょう。
 

出典

厚生労働省 令和6年賃金構造基本統計調査 結果の概況 結果の概要 一般労働者 (4)企業規模別にみた賃金
国税庁長官官房企画課 令和6年分民間給与実態統計調査 -調査結果報告- II 1年を通じて勤務した給与所得者 2 平均給与(15ページ)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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