10月から夫の「手取り」が減ってしまいました…給料自体は変わっていないはずなのに、何が原因でしょうか?
本記事では、なぜ手取りが減ったのか、そしてどう対応すればよいのかを分かりやすく解説します。
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目次
9月~10月に手取りが減る原因は? 標準報酬月額の年1回見直しと適用時期
毎年9月は、健康保険・厚生年金保険の計算基礎である「標準報酬月額」が年1回の定時決定で更新されます。標準報酬は4月~6月の報酬月額で決まり、その等級に応じて9月から翌年8月までの保険料が確定する仕組みです。
会社が「当月控除」なら9月給与から、「翌月控除」なら10月給与から新しい保険料が天引きされるため、給料自体が変わらなくても手取りが減ることがあります。
4月~6月の残業・手当がカギ
4月~6月に残業が多かったり、通勤手当などが増えたりすると、報酬月額が上がり標準報酬月額の等級も上がる場合があります。等級が上がれば、健康保険料・厚生年金保険料の自己負担額も連動して増えます。定時決定で決まった新しい等級は9月から適用されるため、9月または10月の給与で控除が増えて見えるのです。
さらに、年の途中で大きな昇給や手当増などがあり、固定的賃金の変動により継続した3ヶ月間の報酬月額がそれまでの報酬月額と比べて著しく高くなった場合には、「随時改定」によって、定時決定を待たずに保険料が上がることもあります。
明細で手取り減少の原因を特定する
手取り減少の原因は、給与明細を確認することで把握できます。チェックすべきポイントは大きく3つあります。
第一に、控除欄の「健康保険料」「厚生年金保険料」の金額です。先月より増えている場合は、標準報酬月額の更新が影響している可能性が高いでしょう。
第二に、会社の控除タイミングです。「当月控除」か「翌月控除」かによって、保険料が9月と10月のどちらで変わるかが決まります。
第三に、4月~6月の給与明細です。この期間の残業や各種手当が平常時より多い場合、標準報酬月額の等級が上がった理由を推測できます。
資金繰りの平準化、会社への確認、制度の正しい理解で安心へ
対策は難しくありません。まず、4月~6月が繁忙期の方は、残業や手当の偏りが9月以降の保険料に響くと理解し、可能なら勤務計画の見直しを検討します。
次に、9月~10月の控除増は多くの勤労者に共通の季節要因です。家計はこの時期に一時的な手取り減を見込んで、固定費の見直しや特別費の先送りなどでキャッシュフローを調整すると安心です。さらに、明細の控除増が説明と合わない場合は、人事・給与担当に「標準報酬月額等級」「当月控除/翌月控除」「随時改定の有無」を確認しましょう。
制度のロジックを知っておけば、不安は家計の行動計画に変えられます。翌年に向けて、ふるさと納税などの控除活用や貯蓄のクッションづくりも同時に検討し、秋の「手取りの揺れ」を上手に乗り切っていきましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
