最新の統計では民間の平均給与は“年収478万円”! 10年間で“50万円以上”も上がったって本当!? 「賃上げ」は「物価上昇」に追いついてる?

配信日: 2025.10.31
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最新の統計では民間の平均給与は“年収478万円”! 10年間で“50万円以上”も上がったって本当!? 「賃上げ」は「物価上昇」に追いついてる?
円安や国際情勢の変化などにより、近年では食料品やエネルギー価格を中心に物価高が進んでいます。物価上昇に伴い賃上げにも注目が集まっていますが、本当に物価上昇に対して給与は追いついているのでしょうか。
 
本記事では、民間の平均給与がどの程度上がっているのか、物価高に対応できているのかを解説します。
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最新の統計では民間の平均給与は「年収478万円」

国税庁長官官房企画課が公開している「令和6年分民間給与実態統計調査」によると、1年を通じて勤務した給与所得者1人当たりの平均給与は478万円で、前年と比べると3.9%増加しました。男女別では、男性が587万円、女性が333万円となっています。
 
雇用形態別の平均給与を見ると、正社員(正職員)は545万円で、男性が609万円、女性が430万円でした。正社員(正職員)以外は206万円で、男性が271万円、女性が174万円となっています。
 
2カ所以上の支払先から給与を受け取っている人(乙欄適用者)を除いた場合、平均給与は486万円で、男性が597万円、女性が339万円です。
 

民間の平均給与は10年間で「50万円以上」増加している

前述の「令和6年分民間給与実態統計調査」を基に、過去10年間の平均給与の推移を表1にまとめました。平成27年と令和6年の数値の差を見ると、10年間で54万1000円増加していることが分かります。
 
表1

年度 1年を通じて勤務した給与所得者1人当たりの平均給与
平成27年分 423万4000円
平成28年分 425万円
平成29年分 433万6000円
平成30年分 439万1000円
令和元年分 438万4000円
令和2年分 435万1000円
令和3年分 445万7000円
令和4年分 457万6000円
令和5年分 459万5000円
令和6年分 477万5000円

出典:国税庁長官官房企画課「令和6年分民間給与実態統計調査」を基に筆者作成
 

「賃上げ」は「物価上昇」に追いついていない

賃上げによる生活水準への影響を把握するためには、名目賃金ではなく実質賃金がどのくらいなのかを確認する必要があります。実質賃金とは、労働者の実際の購買力を示す、インフレーションといった物価変動の影響を考慮した指数です。
 
厚生労働省の「毎月勤労統計調査 令和7年7月分結果確報」によると、令和7年7月時点の実質賃金(きまって支給する給与)は企業規模が5人以上で-1.4、30人以上で-1.1でした。7月以前だと、6月では企業規模が5人以上で-1.7、30人以上で-1.4となっています。
 
数値のマイナス幅は縮小しつつあるものの、依然としてマイナスで推移している状況は変わりません。このことから、賃上げは物価上昇に対して追いついていない状況にあるといえます。今後も給与や物価だけでなく、経済の動向に関してもより注視していくべきだといえるでしょう。
 

まとめ

国税庁長官官房企画課による最新の統計を確認すると、民間の平均給与は10年で50万円以上も上昇しているため、数字だけ見れば着実に賃金が上がっていることが分かります。
 
しかし、食料品やエネルギー価格を中心とした物価も年々上昇し続けているため、賃上げが物価上昇に十分に追いついてはいないというのが現状でしょう。今後も給与や物価だけでなく、経済の動向に関しても注視していく必要があります。
 

出典

国税庁長官官房企画課 令和6年分民間給与実態統計調査 -調査結果報告- II 1年を通じて勤務した給与所得者 2 平均給与(15ページ)
厚生労働省 毎月勤労統計調査 令和7年7月分結果確報 1-6図 実質賃金の動き 事業所規模別きまって支給する給与(5ページ)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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