「ボーナス」を廃止する企業が増えている!? “50万円のボーナス”がなくなるのはキツいのですが、「社会保険料」が安くなる可能性があるって本当?

配信日: 2025.11.03
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「ボーナス」を廃止する企業が増えている!? “50万円のボーナス”がなくなるのはキツいのですが、「社会保険料」が安くなる可能性があるって本当?
近年、ボーナスを廃止して給与化する企業が見られるようになっています。
 
ボーナスの給与化とは、従来、年に数回支払われていたボーナスを月々の給与に組み込むことです。ボーナスが給与化されると、人によっては社会保険料が安くなる可能性があるため、企業だけでなく従業員の中にも注目している方もいるかもしれません。
 
本記事では、ボーナスが給与化されるメリットについて解説します。
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ボーナスを「給与化」する企業が見られるようになっている

大企業を中心にボーナスを給与化する企業が現れ始めています。
 
例えば、ソニーグループでは冬季賞与を廃止し、賃上げ分も含め、25年度の初任給を最大4万8000円引き上げました。また、株式会社バンダイや大和ハウス工業株式会社でも初任給や月例給の引き上げが行われました。大和ハウス工業株式会社では、月例給与水準を改定して年収を平均10%アップすると発表しています。
 

ボーナスを「給与化」するメリットとは?

ここからは、ボーナスを給与化するメリットを企業側・従業員側の2つの視点から見てみましょう。
 

企業側のメリット

・人材の定着化を図れる
働くうえで、給与の高さはモチベーションを維持するために重要です。ボーナスを給与化することで、月々の給与が高くなり、収入が安定します。安定して給与を受け取れることから従業員が安心して働けるため、人材流出を防げるでしょう。
 
・人材獲得力を強化できる
ボーナスが給与に組み込まれると、その分初任給や月給が高くなります。高い月給をアピールしやすくなるため、人材獲得競争において優位に立てるでしょう。
 

従業員側のメリット

・家計が安定しやすくなる
ボーナス制度の場合、年に1~2回給与とは別にまとまった額を受け取れる可能性はあるものの、業績によっては受け取れないケースもあります。一方、ボーナスが給与化されている場合は毎月安定した給与を受け取れるため、収入不安が軽減され、毎月の支出計画が立てやすくなるでしょう。
 
・人によっては社会保険料が抑えられる可能性がある
社会保険料は給与やボーナスに応じて負担額が決まりますが、それぞれに上限が決められており、上限を超えた部分には社会保険料が反映されません。
 
例えば、全国健康保険協会東京支部の「令和7年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表」によると、健康保険は50等級の標準報酬月額139万円、厚生年金保険は32等級の標準報酬月額65万円が上限となっています。
 
また、同じく全国健康保険協会によると賞与の上限額は健康保険が年度累計573万円、厚生年金保険が1ヶ月あたり150万円です。
 
例えば、月給が標準報酬月額の上限に達している一方で、ボーナスが上限に達していない場合、ボーナスが支給されるとその分の社会保険料が増えてしまいます。この場合、ボーナスが給与化されていれば全体の社会保険料を抑えられ、手取りが増加する可能性があるのです。
 

まとめ

ボーナスの給与化は主に大企業を中心に導入が進んでいます。元々の給与が社会保険料の上限に達している方の場合、ボーナスが給与化されることで、別枠計算される賞与分の社会保険料がなくなるため、全体の社会保険料が抑えられる可能性があります。
 
ボーナスの給与化は、企業側・従業員側双方にメリットがある施策です。今後も、人材獲得に向けたひとつのソリューションとして、取り入れる企業が出てくるかもしれません。
 

出典

全国健康保険協会
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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