娘の彼氏は20代後半で「飲食業界」に勤めています。結婚を予定しているのですが、「年収350万円」で不自由のなく生活できるのでしょうか?

配信日: 2025.11.06
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娘の彼氏は20代後半で「飲食業界」に勤めています。結婚を予定しているのですが、「年収350万円」で不自由のなく生活できるのでしょうか?
最低賃金が令和8年3月31日までに全国で1000円を超えるなど、賃上げや時給アップの話題が報道されることは少なくありません。
 
物価の高騰も叫ばれる中で、少しでも安定した収入を得たいと思う人は多いでしょう。今回のケースでは、結婚を予定している娘さんの彼氏の収入に相談者がいくらか不安を覚えているようです。
 
本記事では、2人以上世帯の一般的な支出をご紹介しつつ、年収350万円で安定した生活を送れるかどうかも解説します。
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2人以上世帯の平均支出は年に約423万円

総務省の「家計調査報告(2024年)」によると、2人以上の世帯における消費支出は、1世帯あたり35万2633円でした。これを年収に換算すると、423万1596円です。
 

消費支出の内訳

上記の調査における消費支出の内訳を見ていきましょう。主な費目と額は表1の通りです。
 
表1

費目 消費支出
食料 11万3566円
住居 2万3377円
光熱・水道 2万4036円
家具・家事用品 1万4829円
被服および履物 1万2345円
保健医療 1万7699円
交通・通信 4万5371円
教育 1万788円
教養娯楽 3万5225円
その他 5万5397円

出典:総務省「家計調査報告(2024年)」を基に筆者作成
 
食料費が大きなウェイトを占めています。また、交通・通信費や教養娯楽費なども比較的大きな出費になっているようです。
 

年収350万円で不自由なく生活できる?

今回のケースでは年収が350万円であるため、表1の通りの支出がある場合、年間で70万円以上が不足します。また、350万円が額面の場合、税金や保険料などが引かれるため、不足額はさらに大きくなるでしょう。
 
ただし、消費支出例は「2人以上」の世帯です。2人世帯に絞った平均支出額は、表1の金額を下回る可能性が高いでしょう。
 
また、支出は家庭状況や生活スタイルによっても変わります。例えば食料費は11万円よりも低いと考えられます。またそのほかの支出についても、額はまちまちです。相談者のケースでも、状況によっては年収350万円で不足は起きないかもしれません。
 

飲食業界の平均年収

総務省統計局が公表している「令和6年賃金構造基本統計調査」によると、「飲食物調理従事者」と「飲食物給仕従事者」の平均年収は以下の通りです。
 

・飲食物調理従事者:369万4800円
・飲食物給仕従事者:358万3900円

※「きまって支給する現金給与額」×12ヶ月分と「年間賞与その他特別給与額」の合算

 
今回のケースの彼氏とおおむね年収は同じようです。
 
ただし、同じ業種であっても、所属している企業の規模によって平均年収は異なります。
 
例えば企業規模が「10~99人」の場合と、「1000人以上」の場合では以下のような差があります。
 

・10~99人
飲食物調理従事者:361万900円
飲食物給仕従事者:309万4900円
 
・1000人以上
飲食物調理従事者:383万2700円
飲食物給仕従事者:390万200円

 
企業規模の大きい方が、平均年収は高くなりました。
 

年収350万円で余裕があるかどうかは世帯状況次第

2人以上の世帯における年間の消費支出は約423万円です。この額と比べると、年収350万円は不自由なく生活できるかと問われるといささか物足りない額といえます。
 
ただし、同データには夫婦のみの世帯以外の支出も含まれる点や、消費スタイルは世帯によって異なる点を踏まえると、350万円で不十分とは一概には断言できません。
 

出典

総務省 家計調査報告(2024年) 1ページ
総務省統計局 e-Stat 令和6年賃金構造基本統計調査 表番号1 職種(小分類)別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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