薬剤師志望の娘は「病院」と「ドラッグストア」のどちらに就職するか悩んでいます。給料は就職先でどれくらい変わるのでしょうか?
薬剤師は医療分野に携わる存在として大きな役割を担っています。こうした専門性などを踏まえてか、薬剤師の年収は給与所得者全体と比較して高いようです。
しかし薬剤師と一口にいっても就職先はさまざまであり、年収にも幅があります。そのため今回のケースのように、就職先に迷うこともあるでしょう。
そこで本記事では、薬剤師の一般的な年収とともに、就職先による年収の違いをご紹介します。
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
薬剤師の一般的な年収
総務省統計局が公表している「令和6年賃金構造基本統計調査」によると、薬剤師の平均収入は以下の通りです。
・きまって支給する現金給与額/月:43万800円
・年間賞与その他特別給与額:82万3600円
「きまって支給する現金給与額」を12倍し、年間賞与などと合算すると「599万3200円」になります。
令和6年分の「民間給与実態統計調査」によると、給与所得者の平均年収は「477万5000円」でした。薬剤師の平均年収は全体より100万円超高いです。
ただし年収額はあくまで平均に過ぎません。実際は就業先や経験年数など、さまざまな要因によって異なります。表1に、企業規模別の薬剤師の年収をまとめました。
表1
| 企業規模 | 年収 |
|---|---|
| 10~99人 | 584万4000円 |
| 100~999人 | 614万1900円 |
| 1000人以上 | 592万5000円 |
出典:総務省統計局「令和6年賃金構造基本統計調査」を基に筆者作成
企業規模によって30万円近い差があります。
薬剤師の年収は病院・ドラッグストアどちらが高い?
では薬剤師として働く場合、病院とドラッグストア、あるいはそのほかの就職先を比較してどこが一番高くなるでしょうか。結論からいうと、給与条件は雇用者によって異なるため、業種別で一概に説明はできません。
ただし参考として、業種別のおおまかな年収をご紹介すると、次の通りです。
・病院:325万円前後
・ドラッグストア:400万円前後
・製薬会社:325万円前後
・薬局:360万円前後
ドラッグストアでの勤務は、比較的好待遇を期待できるようです。
最終的に、どこで働けば高い年収を得られるかは、実際の採用情報を比較しないと分かりません。ドラッグストアや製薬会社、病院などの採用情報をピックアップして比較するとよいでしょう。
薬剤師の仕事内容
薬剤師の仕事は多岐にわたります。薬のプロフェッショナルとして、病院やドラッグストアなどさまざまな場所で薬の提供に携わります。
具体的には、「調剤」が主な仕事です。病院が患者に対して出した処方箋を基に、該当の薬を調合します。受け渡す際は、薬の効能や副作用などについて説明します。
また、薬の在庫管理をしたり、病院であれば、薬の提供について医師と相談したりすることも珍しくありません。
製薬会社に勤務している場合は、新薬開発や製造工程管理、医療機関に対する製品の情報提供などを行うケースもあります。薬剤師は、人の生命にかかわる薬を扱う仕事であり、その重要性は高いでしょう。
薬剤師の年収はドラッグストアが高い傾向にある
薬剤師の就職先の中では、ドラッグストアが比較的高い年収を期待できるようです。
ただし、これは1つの傾向に過ぎず、実際にどこが最も高い年収になるかは断定できません。そのため、希望する企業の採用情報を比較することが重要です。
薬剤師の仕事は多岐にわたるため、就職先を決めるときは年収だけではなく仕事内容にも注目するとよいでしょう。
出典
総務省統計局 令和6年賃金構造基本統計調査 表番号1 職種(小分類)別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)
国税庁 長官官房 企画課 令和6年分 民間給与実態統計調査 2 平均給与 14ページ
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
