40代で世帯年収800万円あっても、貯金は「300万円」しかありません…今の収入は“平均的な子育て世帯”よりも少ないのでしょうか?

配信日: 2025.11.08
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40代で世帯年収800万円あっても、貯金は「300万円」しかありません…今の収入は“平均的な子育て世帯”よりも少ないのでしょうか?
「世帯年収800万円なのに、貯金がわずか300万円しかない……」40代で子どももいる世帯であれば、そんな焦りを感じる方もいらっしゃるでしょう。
 
年収800万円という数字だけ見れば決して低くはないはずですが、教育費や老後の準備などを考えると「このままで大丈夫?」と不安になるのも無理はありません。
 
今回は、統計データをもとに「年収800万円」「貯金300万円」という状況が子育て世帯においてどの位置づけかを整理し、今できる備えについて考えていきます。
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世帯年収800万円は子育て世帯としてどの位置づけなのか?

厚生労働省の「2024(令和6)年 国民生活基礎調査」によれば、2023年における1世帯あたりの平均所得金額は全体で536万円です。この点から見ると、年収800万円は全体平均を大きく上回っています。
 
一方で、児童のいる世帯の平均所得金額は820万5000円です。これに照らすと、年収800万円は子育て世帯では平均的な水準といえます。つまり、子育て世帯においては「ゆとりがある」とは限らない収入なのです。
 
加えて、子どもの年齢や人数、住宅ローン、住んでいる地域によっても支出は大きく異なります。都市部では教育費や家賃が高い傾向にあり、年収800万円でも家計に余裕を感じにくいことがあります。
 

貯金300万円という数字をどう見るか? 最新データとの比較から考える

金融経済教育推進機構(J-FLEC)の「家計の金融行動に関する世論調査(2024年)」によると、40歳代・二人以上世帯における貯蓄額の平均値は944万円、中央値は250万円です。
 
平均値は一部の富裕層や高額貯蓄世帯が数値を引き上げていると考えられるため、より実態に近い中央値で見ると、貯金300万円は平均的といえるでしょう。
 
しかし、年収750万~1000万円未満の世帯に限ると、平均貯蓄額は1939万円、中央値でも800万円という結果が出ています。この比較から見ると、年収800万円で貯金300万円はやや少なめと判断される可能性があります。
 
もちろん、教育費や住宅関連費の出費が多い時期にあたっていれば貯蓄が減るのも自然です。ただ、このタイミングで家計を見直すことは、今後の資金計画にとって大切な一歩になるでしょう。
 

今からできる収支・貯蓄の改善ポイント

貯蓄を増やすには、まず固定費の見直しが効果的です。住居費、保険料、通信費などの中に、減らせる支出がないか確認してみましょう。例えば不要なサブスクを解約したり、保険内容を見直したりするだけでも、毎月の支出を減らすことができます。
 
また、NISAやiDeCoなど、税制優遇のある制度を活用するのも有効です。これらを使えば、将来に向けて効率的な資産形成が可能です。
 
教育費や住宅修繕費といった大きな支出に備えるには、ライフプランを立て、家計を可視化することが重要です。目標と現状のギャップを明確にし、少しずつ備える仕組みを整えていきましょう。
 

まとめ:数値だけを見て焦る前に、自分たちらしい安心設計を描こう

年収800万円は全国平均を上回りますが、子育て世帯においては平均的な水準です。貯金300万円も、全体の中央値とは大きく違いませんが、同収入帯と比べると少なめといえます。
 
だからこそ、焦るのではなく、自分たちの生活に合った無理のない改善策を考えていくことが大切です。固定費の見直しや制度の活用など、できることから始めることで、将来への不安は少しずつ減らせます。
 
数字に惑わされず、家族にとっての「ちょうどいい安心」を目指して行動していきましょう。
 

出典

厚生労働省 2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況 II 各種世帯の所得等の状況(9ページ)
金融経済教育推進機構(J-FLEC)家計の金融行動に関する世論調査 2024年 二人以上世帯 各種分類別データ 4 金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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