同じ職種でも、東京だと年収100万円以上高いと聞きました。地方と都心の平均年収って実際どれくらい違いますか?
実際、多くの統計データからも“地域による年収格差”は存在しています。では、その差はどの程度で、どんな背景があるのでしょうか。本記事では、都心と地方の平均年収の実態と、そこから見えてくる働き方の選択について詳しく見ていきましょう。
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目次
東京と地方、平均年収はどれくらい違う?
転職サイト「doda」の調査によると、東京都の平均年収は471万円、地方では福島県で385万円、山口県で399万円など300万円台が多い結果となっています。同じ職種でも勤務地によって100万円前後の差が生じるケースは珍しくありません。
この差は職種によっても異なります。営業職やエンジニア、マーケティング職などは特に都心部の求人が集中しており、人材競争が激しい分、給与水準も高く設定されやすい傾向にあります。一方で、事務職や販売職など地域に根ざした仕事では、差は50万円前後にとどまる場合もあります。
なぜ都心の年収は高いのか?
年収差の背景には、いくつかの明確な要因があります。
1. 物価と生活コストの違い
まず大きいのが生活コストの違いです。東京では家賃や交通費、食費が地方よりも圧倒的に高く、企業側もそれを考慮して給与水準を設定しています。
たとえば、都内のワンルームの家賃が平均7〜10万円前後なのに対し、地方では4〜5万円台が一般的。この差を埋めるために、企業は「都市手当」「地域手当」といった形で上乗せしています。
2. 企業規模と業種構成の違い
東京には大企業や外資系企業の本社が集中しており、高付加価値な仕事や管理職ポストが多いのが特徴です。結果として、給与レンジも上がりやすくなります。
一方、地方では中小企業が多く、地域密着型のビジネスモデルが中心。そのため、給与水準は安定しているものの、急激に伸びることは少ない傾向です。
3. スキル需要と人材市場の違い
AI・IT・金融などの成長分野は、都心での人材需要が高く、スキルに見合った報酬が得られる環境があります。同じスキルでも、地方では求人数自体が少なく、競争が起きにくいため、年収アップが難しいケースもあります。
テレワーク普及で「地元で東京並み年収」も可能に?
一方で、ここ数年で状況が変わりつつあります。
リモートワークの普及により、「地方に住みながら東京の会社で働く」スタイルが広がっているのです。実際、エンジニアやデザイナー職など、成果重視の職種では勤務地に縛られない働き方が一般化し、地方在住でも東京水準の報酬を得る人が増えています。
ただし、完全リモートを前提とする場合は「地域手当を除外する」とする企業も多く、全員が同じ条件ではありません。つまり、働き方の自由度は増したものの、報酬体系にはまだ“東京優遇”の名残があるといえるでしょう。
年収だけでなく「可処分所得」で見ることも大切
単純に年収の数字だけを見ると東京が圧倒的に有利に見えますが、実際の生活のゆとりを考えるなら「可処分所得」で比較することが重要です。
たとえば、東京で年収600万円の人と、地方で年収480万円の人を比べても、家賃や物価を差し引くと、手元に残るお金は意外と近いことがあります。
さらに、通勤時間や住環境、家族との時間といった“生活の質(QOL)”を重視する人にとっては、地方暮らしのほうが満足度が高いケースも多いのです。
自分の「理想の働き方」を基準に選ぶ時代
都心と地方で100万円前後の年収差があるのは事実ですが、それだけで「どちらが得か」を判断するのは早計です。
いまは、「どこで働くか」よりも「どう働くか」が重視される時代。キャリアの成長を優先して東京で挑戦するのも、生活コストを抑えて地方で豊かに暮らすのも、一人ひとりの価値観によって最適解は変わります。
大切なのは、数字の裏にある“自分にとっての幸せの形”を見極めること。働く場所の選択は、年収だけでなく「生き方そのもの」を考えるチャンスなのです。
※2025/11/28 一部記事を修正いたしました。
出典
doda 平均年収ランキング(47都道府県・地方別の年収情報)【最新版】
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
