うちは世帯年収650万円で、35歳旦那のお小遣いは月3万円です。年収別・年代別の平均と比べて、この金額って妥当でしょうか?

配信日: 2025.11.29
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うちは世帯年収650万円で、35歳旦那のお小遣いは月3万円です。年収別・年代別の平均と比べて、この金額って妥当でしょうか?
家庭のお小遣い制度は、収入や生活スタイルだけでなく、夫婦の価値観や家計管理方針によって大きく変わります。「ほかの家庭はどれくらい?」と気になる一方で、平均値だけでは判断しにくい面もあります。
 
本記事ではお小遣いが家計にどのように影響するか、そして自分たちにとって適切な金額はいくらなのかを考えていきます。
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世帯年収650万円は平均より高い? 低い?

厚生労働省の「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」によると、1世帯当たりの平均所得金額は524万2000円、中央値は405万円です。この結果から見ると、世帯年収650万円は全世帯平均と比べるとやや上の層に位置します。
 
また、世帯主の年齢階級別では30代の平均が608万5000円で、この結果と比較すると世帯主の平均所得よりもやや高く、一定の生活余力がある水準といえます。
 
ただし、手取りは年収の約75~85%と考えられるため、年収650万円の人が実際に家計として使える金額は年間487~550万円ほどです。月換算では40~45万円程度となるため、自由に使えるお金は見た目の年収よりも少なくなる点に注意が必要です。
 

お小遣い月3万円は平均値の範囲内に収まる

株式会社 SBI 新生銀行の「2024 年会社員のお小遣い調査」によると、男性会社員全体の平均お小遣い額は月3万9081円、30代男性に絞ると月3万6196円と報告されています。
 
これを踏まえると、月3万円という金額は30代男性の平均よりやや低めではあるものの、大きくかけ離れた水準ではなく、一般的な範囲に収まっていると考えられます。
 
ただし、同じ「3万円」でも、その内訳によって満足度は大きく変わります。
 
特に昼食代が含まれている場合、1日500~1000円かかると月1~2万円は昼食だけで消える計算です。そうなると、実質的に自由に使える金額は1~2万円ほどとなり、交際費や娯楽費を賄うには窮屈に感じるケースもあります。平均的ではあっても、生活実態と整合しているかが重要です。
 

年代・ライフステージで適正額は変わる

お小遣いの妥当性は、家庭の状況によって大きく変動します。例えば30代後半~40代にかけては、子どもの教育費が本格的に増える時期と重なります。
 
実際、前述のSBI 新生銀行の調査では、30~40代のお小遣いが一時的に減る傾向が見られます。また、住宅ローンの返済や保険料、将来の貯蓄など必須支出が多い家庭ほど、お小遣いに回せる金額は自然と小さくなります。
 
一方で、貯蓄が順調で大きな固定費を抱えていない家庭であれば、3万円を維持するだけでなく、状況に応じて増額の余地もあります。大切なのは平均ではなく、自分たちの家計で無理なく持続可能かどうかです。
 

3万円が妥当か判断するための3ステップ

お小遣いの金額が何となく決まっていると、夫婦間で不公平感が生まれたり、将来の貯蓄計画とのズレが生じたりしかねません。お小遣いの月3万円という金額が自分たちの家計にとって無理のない水準かどうかは、次の3ステップで整理すると判断しやすくなります。
 

(1)手取りの把握

実際に家計として使える金額を年単位・月単位で明確にします。
 

(2)支出構造の点検

住宅費・教育費・保険料・貯蓄などを整理し、自由に使えるお金がどれくらい残るかを分析します。
 

(3)手取り比5~10%を目安に調整

現状の3万円は標準的な目安ですが、家計の余裕や本人の使い方に応じて増減を検討する余地があります。
 
この3ステップは夫婦の納得感を高め、将来の資産形成と生活の満足度を両立させるために有効です。
 

お小遣い額を家計と生活に合わせて調整しよう

お小遣いが月3万円という金額は、世帯年収650万円・35歳という条件では平均的であり、特に無理のある設定ではありません。ただし、昼食代を含むのか、教育費や住宅費の負担がどの程度か、将来の資産形成が順調かといった要素で適正額は大きく変わります。
 
大切なのは統計の平均値ではなく、自分たちのライフスタイルと家計のバランスに合っているかどうかです。夫婦で支出の内訳を共有し、将来の安心と日々の満足度の両方が維持できる金額を話し合って決めることが、長期的に見ても最も合理的なお小遣い設定といえるでしょう。
 

出典

厚生労働省 2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況
株式会社 SBI 新生銀行 2024 年会社員のお小遣い調査
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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