高市総理の「捨てる」発言が物議を醸した「ワークライフバランス(WLB)」。WLBを重視する世代の目標年収は“400万円〜500万円”!?
本記事では、再び注目を集めているワークライフバランスの現状や、Z世代の仕事観を解説します。
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目次
高市総理の「捨てる」発言が物議を醸した「ワークライフバランス(WLB)」
内閣府男女共同参画局は、「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」を策定しています。
憲章の理念には、「誰もがやりがいや充実感を感じながら働き、仕事上の責任を果たす一方で、子育て・介護の時間や、家庭、地域、自己啓発等にかかる個人の時間を持てる健康で豊かな生活ができるよう、今こそ、社会全体で仕事と生活の双方の調和の実現を希求していかなければならない」とあります。
これは、企業や個人の努力だけでなく、国全体の制度設計や社会文化の転換を促す指針を意味しているといえそうです。
WLBを重視するZ世代の目標年収は“400万円~500万円”
ヒューマンホールディングス株式会社は、2024年4月に20~28歳の男女1000人を対象に「Z世代の仕事観と自分らしさに関する調査」を実施しました。
「あなたにとって『自分らしく働く』とは、どのように働くことですか」という質問に対し、最多の回答は「ワークライフバランスを保ちながら働く」で17.6%、次いで「仕事とプライベートをきっちり分ける」が13.9%、「収入を増やすために働く」が9.4%という結果だったようです。
付随して、「将来の目標年収」に関しては「400万円~500万円」と答えた人が最も多く、「男性14.6%」「女性18.8%」という結果とのことでした。
なお、国税庁が実施した「令和6年分民間給与実態統計調査」によると、1年を通じて勤務した給与所得者の平均給与は「478万円」で、おおむねこの目標年収の範囲内といえます。ちなみに、内訳は男性の平均給与が587万円、女性の平均給与が333万円です。
ただし、正社員(正職員)と正社員(正職員)以外の平均給与を比較してみると、正社員(正職員)は545万円、正社員(正職員)以外は206万円と大きな差があることがうかがえます。
理想は「プライベート重視」、現実は「仕事重視」
株式会社ライボ(現:パーソルキャリア株式会社)は、2023年4月に「2023年ワークライフ実態調査」を実施しました。
同調査では「理想的な」ワークライフバランスは、「プライベートを重視」「どちらかといえばプライベートを重視」と答えた「プライベート重視派」が計72.2%である一方、「実際の」ワークライフバランスは「仕事を重視」「どちらかといえば仕事を重視」と答えた「仕事重視派」が計57.5%いることが分かりました。
理想と現実の間にはギャップがあることから、企業ごとの職場環境改善の努力はもちろんですが、国としての施策も必要といえそうです。育児や仕事が両立できる社会になれば、少子化問題の課題解決にも期待が持てるかもしれません。
まとめ
高市総理の発言をきっかけに、ワークライフバランスのあり方が改めて注目されています。
Z世代は「仕事と生活の両立」を重視する一方、理想と現実にはギャップが存在しているようです。誰もが充実して働ける社会を実現するためには、企業が働き方改革を推進するとともに、国が少子化対策も見据えた制度設計を行うことが求められているかもしれません。
出典
内閣府男女共同参画局 「仕事と生活の調和」推進サイト 仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章
ヒューマンホールディングス株式会社 将来の目標年収は「400~500 万円」が最多 Z世代が考える「自分らしい働き方」とは?-Z世代の仕事観と自分らしさに関する調査 2024 vol.1-(2、3ページ)
国税庁 令和6年分 民間給与実態統計調査
パーソルキャリア株式会社 Job総研プラス 2023年 ワークライフ実態調査を実施しました
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
