娘は獣医を目指しているのですが、「ペット専門」と「家畜専門」で悩んでいます。専門によって収入は変わるのでしょうか?

配信日: 2025.12.23
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娘は獣医を目指しているのですが、「ペット専門」と「家畜専門」で悩んでいます。専門によって収入は変わるのでしょうか?
獣医師と一口にいっても、勤務先は動物病院や牧場、動物園など多岐にわたります。診療対象となる動物や求められる役割が異なるため、業務内容はもちろん、必要となる専門性もさまざまです。そのため、専門によって収入がどれくらい変わるのか気になる人もいるかもしれません。
 
今回は、獣医師の平均年収や専門によって収入が変わるのか、専門ごとの仕事内容などについてご紹介します。獣医師を目指している人の参考になるでしょう。
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獣医師の年収は専門によって変わる?

厚生労働省の「令和6年賃金構造基本統計調査」によると、獣医師全体での「きまって支給する現金給与額」は平均で月71万3000円、「年間賞与その他特別給与額」の平均は29万1800円で、年収の目安は884万7800円になります。
 
国税庁の「令和6年分民間給与実態統計調査」によれば、1年を通じて勤務した給与所得者の平均給与は478万円なことから、獣医師の平均年収は高いといえるでしょう。
 
しかし、獣医師の専門分野ごとに見ていくと、収入の目安は異なります。専門分野ごとの公的な比較はないため、関東エリアの求人を基に比較しましょう。2025年12月時点での情報を基にしています。
 
まず、小動物を主に診療するA動物病院では、基本給と諸手当込みで月28万円~、年2回の賞与ありで求人をしています。一方、牧場で家畜の検査や研究などを行うB研究所での求人の場合、賃金は36万4130円~、賞与は年2回、合計4ヶ月分としています。
 
さらに、C動物園では月20万5000円~、賞与は年2回です。これら3種類の専門の獣医師を比較すると、家畜を診る専門職である研究所勤務の獣医師が最も高い結果です。
 
ただし、どの専門でも地域やほかの条件によって、収入は変動する可能性がある点に留意しておきましょう。
 

獣医師の専門による仕事内容の違い

獣医師は専門によって仕事内容も異なります。動物病院勤務、家畜を担当する獣医師(産業動物臨床獣医師)、動物園勤務の場合で比較しましょう。
 

動物病院勤務

動物病院では、犬や猫、ウサギといったペットを診療することが主な仕事です。病院を訪れたペットの病気やけがを診察し、必要に応じて適切な治療を施します。
 
そのほか、動物病院の獣医師の特徴として、ペットへの予防接種をしたり、飼い主にペットとの接し方についてアドバイスをしたりすることも、仕事のひとつです。ペットだけでなく飼い主の悩みも聞き、必要に応じてしつけ方法の提案をします。
 

産業動物臨床獣医師

産業動物臨床獣医師は、家畜の健康診断や予防接種、診療を行います。さらに、獣医師としての専門知識を生かして家畜に与える飼料や飼養管理についての助言、繁殖管理も重要な仕事です。
 
繁殖管理では、家畜が妊娠する前から生まれたあとまで、ライフサイクルを通じて幅広い業務を行います。肉用牛を例にすると、繁殖管理の主な仕事内容は以下の通りです。


・家畜の人工授精
・肉用牛の妊娠鑑定
・分娩のサポート
・子牛の離乳期のサポートなど

家畜は同じ牧場内の1頭が感染症にかかると一気に感染が広がるケースもあるため、産業動物臨床獣医師には迅速な対応と判断が求められます。
 

動物園勤務

動物園勤務の獣医師は、動物園で飼育されているさまざまな種類の動物の診療や治療、疾病予防などを担当します。場合によっては、動物に関する教育活動やイベント活動に参加することもあります。
 
動物園勤務では、大小さまざまな動物と触れ合うため、動物に対する幅広い知識が求められるでしょう。
 

獣医師になるためのステップ

どの場所で働くにも、獣医師免許は必須です。厚生労働省の職業情報提供サイトjob tagによると、獣医師になるためのおおまかなステップは以下の通りです。


(1)獣医学科のある大学へ進学する(6年)
(2)獣医師の国家試験に合格する
(3)農林水産省に登録申請を行い、獣医師免許を取得する
(4)なりたい専門に応じた研修先で研修を受ける
(5)獣医師として働く

なお、ペットなどの小動物関係を専門にしたい場合は動物病院や大学の付属病院、産業動物関係を専門にしたい場合は農業共済団体の家畜診断所などで研修をします。目指す専門によって必要な研修が変わるので、獣医師を目指す際は違いをよく理解しておきましょう。
 

獣医師は「家畜専門」の収入が高い可能性がある

獣医師全体の平均年収目安は884万7800円と高くなりますが、分野ごとの求人を基にすると、収入に差があります。
 
今回の比較では、家畜を担当する産業動物臨床獣医師が最も求人の収入が高い結果でしたが、実際には勤務地や個別の待遇などによって変わるでしょう。専門によって仕事内容も大きく変わるので、獣医師を目指す際は、収入だけでなく何をやりたいかで考えることが大切です。
 

出典

e-Stat政府統計の総合窓口 厚生労働省 令和6年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種 表番号1 職種(小分類)別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)
国税庁 令和6年分 民間給与実態統計調査
厚生労働省 職業情報提供サイトjob tag 獣医師
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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