婚活中の30代女性です。友人に「同年代で“年収800万円以上”の相手を求めるのは厳しいよ」と言われました…都内で生活していくならこれくらい必要だと思うのですが、条件を変えたほうがいいでしょうか…?
一方で、周囲から「その条件は現実的ではない」と指摘されると、不安になることもあります。
こうした悩みを整理するには、感覚や印象論ではなく、実際の年収水準や生活費のデータを確認することが重要です。
本記事では、公的データを基に、30代男性の平均年収と都内世帯の生活費を整理し、年収800万円という条件がどの程度の位置づけになるのかを考えます。
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
30代男性の年収水準はどのくらいなのか
まず、年収の実態を確認します。国税庁長官官房企画課の「令和6年分 民間給与実態統計調査」によると、1年を通じて勤務した給与所得者の1人当たりの平均給与は478万円で、男性に限ると587万円となっています。
年齢階層別に見ると、30代男性の平均給与は、30歳~34歳で512万円、35歳~39歳で574万円です。これらの数値から分かるように、30代男性全体の平均年収は500万円台が中心であり、800万円という水準は平均を大きく上回ることになります。
つまり、「同年代で年収800万円以上」という条件は、統計上は比較的少数派に該当すると考えられます。もちろん、業種や職種、役職によっては到達している人もいると考えられますが、全体の分布としては高いラインであることは否定できません。
都内での生活費は本当に高いのか
一方で、「都内で生活するにはそれくらい必要ではないか」という感覚は正しいのでしょうか。総務省統計局「家計調査(家計収支編)二人以上の世帯 2024年」によると、東京都区部における2人以上世帯の1ヶ月当たりの消費支出は35万967円となっています。
これを単純に年換算すると、消費支出だけで約421万円になります。ここに住民税や所得税、社会保険料といった非消費支出が加わることを考えると、世帯全体としては一定以上の収入が必要になることは事実です。
ただし、この数字は「2人以上世帯の平均」であり、住宅費の水準や子どもの有無、ライフスタイルなどによって支出額は大きく変わります。必ずしも「都内での生活=年収800万円以上が必須」と直結するわけではありません。
年収条件をどう考えるべきか
「年収800万円以上」という条件は、統計上は高水準である一方、「将来の生活設計を考えた結果としての希望」である場合もあります。そのため、条件そのものが間違っているとは言い切れません。
ただし、婚活の場では「平均よりかなり上の条件」を設定すると、出会いの母数が減ることも事実です。年収だけで判断するのではなく、共働きを前提にする、住居エリアを柔軟に考える、支出の優先順位を整理するといった形で、条件を分解して考えることもひとつの方法です。
年収はあくまで現在の数値であり、将来的に上がる可能性や、家計全体としてのバランスも重要な判断材料になります。
まとめ
公的統計を見ると、30代男性の平均年収は500万円台が中心であり、年収800万円以上という条件は、統計上は高めの水準に位置します。一方で、2人以上世帯における東京都区部の生活費は全国平均より高く、将来の家計を考えると一定の収入を重視したくなるのも自然なことです。
重要なのは、「年収はいくら必要か」を単独で考えるのではなく、共働きの有無や生活水準、将来設計を含めて総合的に判断することです。条件を維持するか見直すかは、数字を踏まえたうえで、自分が何を重視したいのかを整理した結果として決めることが大切だといえるでしょう。
出典
国税庁長官官房企画課 令和6年分民間給与実態統計調査 -調査結果報告- II 1年を通じて勤務した給与所得者 2 平均給与(15ページ)、〔年齢階層別の平均給与〕(21ページ)
e-Stat政府統計の総合窓口 総務省統計局 家計調査/家計収支編 二人以上の世帯 詳細結果表 2024年 表番号1-1 <用途分類>1世帯当たり1か月間の収入と支出 都市階級・地方・都道府県庁所在市別
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
