夫婦と子ども2人の世帯で「年収800万円」でも東京生活は苦しい? 実際の支出とのギャップって?

配信日: 2026.01.07
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夫婦と子ども2人の世帯で「年収800万円」でも東京生活は苦しい? 実際の支出とのギャップって?
「世帯年収800万円あれば、さすがに余裕があるはず」……そう思われがちですが、東京で夫婦と子ども2人の4人家族が暮らす場合、「思ったほど楽ではない」と感じるケースも少なくないようです。特に物価や住居費の高い都市部では、収入の水準だけで生活の余裕を判断するのは難しい面があります。
 
では、年収800万円という水準は、東京の実際の家計支出と比べて十分なのでしょうか。本記事では、総務省統計局のデータをもとに、4人家族・年収800万円世帯の家計状況を整理し、そのギャップについて考えていきます。
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東京の勤労者世帯の家計支出はどれくらいなのか

まず、実際の支出水準を確認します。総務省統計局「令和6年全国家計構造調査」によると、二人以上の勤労者世帯における1世帯あたり1ヶ月の実支出の全国平均は41万4641円で、このうち消費支出は31万5323円となっています。
 
これに対し、東京都における二人以上の勤労者世帯の1ヶ月あたりの実支出は48万8197円、消費支出は36万597円です。全国平均と比べると、実支出で約7万円、消費支出でも4万5000円ほど高くなっており、東京の勤労者世帯は全国平均よりも支出水準が高い傾向にあることが分かります。
 
さらに、世帯構成を4人に絞って見ると、世帯人員4人の勤労者世帯の全国平均では、1ヶ月の実支出が44万8169円、消費支出が33万6966円となっています。
 
全国平均でも4人世帯は支出水準が高くなりますが、先ほどの東京都のデータを踏まえると、東京都で夫婦と子ども2人の4人家族で生活をする場合、全国平均の4人世帯よりもさらに支出が膨らむ可能性があると考えられます。
 
住居費や教育関連費、交通費などが高くなりやすい東京では、世帯人数が増えるほど家計への負担が大きくなりやすい点が特徴です。
 

年収800万円の手取りと支出の関係

次に、年収800万円の家計を考えてみます。夫婦共働きか片働きか、扶養の状況などによって差はありますが、一般的には年収800万円の場合、社会保険料や税金を差し引いた手取り額は年間でおよそ600万円前後になるケースが多いと考えられます。月額にすると、手取りは50万円程度です。
 
前述の「令和6年全国家計構造調査」によると、東京都の二人以上・勤労者世帯における1ヶ月あたりの消費支出は36万597円です。また、世帯人員4人の勤労者世帯の全国平均では、消費支出が33万6966円となっています。
 
これらを踏まえると、東京で4人暮らしをしている世帯では、消費支出だけで手取り月収の約7割前後が占められる計算になります。ここには、食費・住居関連費・教育費・光熱費・通信費など、日常生活に欠かせない支出が含まれています。
 
さらに住宅ローンの返済額が平均より高い場合や、子どもの教育費がかかる場合には、貯蓄に回す余力が乏しくなり、「年収800万円でも苦しい」と感じる状況が生まれやすくなります。その結果、年収800万円であっても、東京の生活コストを前提にすると、家計に大きな余裕が生まれにくい構造が見えてきます。
 

なぜ「余裕がない」と感じやすいのか

年収800万円は全国的に見れば高い水準ですが、東京では固定費の高さが家計を圧迫しやすい傾向があります。特に住居費は家計に占める割合が大きく、家賃や住宅ローン返済が重いと、自由に使えるお金は限られてきます。
 
また、子どもがいる世帯では、食費や教育費、習い事費用など、削りにくい支出が増えていきます。こうした支出に物価上昇が重なることで、「収入はあるのに余裕を感じられない」という感覚につながりやすくなります。
 

年収だけで判断しない視点が重要

このように見ると、「年収800万円=余裕のある生活」と単純に考えるのは難しいことが分かります。東京で4人家族が暮らす場合、平均的な支出水準そのものが高く、手取り収入の多くが生活費に消えていく構造になりやすいためです。
 
重要なのは、年収の額面だけでなく、手取り収入と実際の支出、将来に向けた貯蓄余力をあわせて考えることです。教育費のピークや老後資金の準備を見据えると、早めに家計全体を点検する必要が出てくる場合もあります。
 

まとめ

総務省統計局の統計データを見ると、東京都の勤労者世帯は全国平均よりも支出水準が高く、4人家族の場合、1ヶ月あたりの支出は45万円を超える水準になりやすいことが分かります。年収800万円の4人世帯では、消費支出だけで手取り月収の約7割前後が占められる可能性があり、余裕を感じにくい家計構造になりがちです。
 
このことから、東京での生活においては、年収の数字だけで判断するのではなく、手取り収入と実際の支出とのバランスを確認することが重要だと考えられます。将来のライフイベントを見据え、無理のない家計設計を行うことが、安心につながるといえるでしょう。
 

出典

e-Stat政府統計の総合窓口 総務省統計局 全国家計構造調査(旧全国消費実態調査)/令和6年全国家計構造調査/全国 家計収支に関する結果[家計総合集計] 表番号 1-1 1世帯当たり1か月間の収入と支出(細分類) 全国・都市階級・地方・4大都市圏・都道府県,世帯の種類(3区分),世帯区分(4区分),世帯主の性別(3区分),収支項目分類(細分類)別1世帯当たり1か月間の収入と支出-全国・都市階級・地方・4大都市圏・都道府県
e-Stat政府統計の総合窓口 総務省統計局 全国家計構造調査(旧全国消費実態調査)/令和6年全国家計構造調査/全国 家計収支に関する結果[家計総合集計] 表番号 1-2 1世帯当たり1か月間の収入と支出(細分類) 世帯区分(4区分),世帯主の性別(3区分),世帯人員(8区分),収支項目分類(細分類)別1世帯当たり1か月間の収入と支出-全国
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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