毎月の給料は変わらないはずなのに、“国家公務員”である兄の冬のボーナスは私の倍の70万円以上…どうしてこんなに差が出るんでしょうか?
今回のケースのように、国家公務員である兄が、冬のボーナスとして自分の倍の70万円以上を受け取っていると聞けば、民間企業で働く立場からは驚きや疑問を抱くのも無理はありません。
本記事では、国家公務員の冬のボーナスの実態を公的資料に基づいて整理したうえで、なぜ国家公務員のボーナスが民間企業より高く見えやすいのか、その制度的な背景を解説します。
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国家公務員の冬のボーナスはいくらか
内閣官房内閣人事局の報道資料によると、令和7年12月期に支給された一般職国家公務員(管理職を除く行政職職員、成績標準者)の冬のボーナス(期末・勤勉手当)は、平均支給額が約70万2200円とされています。俸給に扶養手当や地域手当などを含んだ平均給与額は約31万700円で、支給月数は2.26月分です。
さらに、同資料によれば、12月8日に国会に提出された一般職の職員の給与に関する法律(給与法)改正案が成立し、公布・施行された場合には、支給月数が2.26月から2.31月へ引き上げられる予定とされています。
これは、半期あたり0.025月分の増加を4月にさかのぼって適用し、6月期・12月期分の合計0.05月分を12月期に一括反映する措置です。これに加えて俸給の増額により、12月期の平均支給額は約74万6100円となり、すでに支給された額との差額が後日支給される見込みです。
会社員のボーナス水準と比べると
一方、厚生労働省の「毎月勤労統計調査 令和7年2月分結果速報等」によれば、令和6年の支給事業所における労働者1人平均年末賞与額は、調査産業計で41万3277円となっています。
民間企業のボーナスについては企業規模や業績によって大きく異なり、国家公務員と同様の水準が毎年安定的に維持されている企業ばかりではなく、企業ごとの差が大きい点には留意が必要です。
なぜ国家公務員のボーナスは高く見えるのか
国家公務員のボーナスが民間企業より高く見える背景には、制度上の違いがあります。国家公務員の期末・勤勉手当は、給与法や人事院勧告に基づいて支給月数が定められており、法律に基づき原則として年2回、一定の算定方法で支給される仕組みになっています。
一方、民間企業の賞与は会社ごとの就業規則や業績判断に大きく左右され、業績悪化時には減額やカットが行われることもあり、国家公務員に比べて支給水準の変動が大きくなりやすいといえます。
また、人事院勧告では、毎年民間企業の給与・賞与水準を調査したうえで、国家公務員の給与水準が民間給与の水準と均衡するように、調整が行われています。
こうした制度により、調査対象となる民間企業の水準と大きく乖離(かいり)しない一定のボーナス水準が維持されやすい構造になっており、その点が国家公務員のボーナスが相対的に「高く」「安定している」と見られる一因になっています。
まとめ
国家公務員の冬のボーナスは、令和7年12月期で平均約70万円とされ、給与法改正が適用されれば約75万円まで増える見込みです。これは、法律に基づいて支給月数が定められ、景気変動の影響を受けにくい制度設計によるものです。
一方、民間企業のボーナスは業績に左右されやすく、平均的には国家公務員ほど安定した水準になりにくい傾向があります。今回のケースにおいて、兄弟間で感じるボーナス額の差も、個人の能力差というより、給与制度の違いによるものと理解すると整理しやすいかもしれません。
出典
内閣官房内閣人事局 報道資料 令和7年12月期の期末・勤勉手当を国家公務員に支給(1ページ)
厚生労働省 毎月勤労統計調査 令和7年2月分結果速報等 ≪特別集計≫令和6年年末賞与(一人平均)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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