同じ消防署に勤務する「消防士」と「救急救命士」。年収はどれくらい違う?
この記事では、消防士と救急救命士の年収の違いについて解説します。
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消防士と救急救命士の年収の違い
総務省の「令和6年4月1日地方公務員給与実態調査結果」によると、消防職の平均年収は約573万円です。消防士と救急救命士は基本的に同じ扱いになっており、同期入社で年齢が同じであれば、原則としてベースとなる「基本給」の設定に差はないでしょう。
しかし、手元に届く給与や年収に差がつくのは、「特殊勤務手当」などを含む手当をいくら受け取っているかがおもに影響しているようです。
例えば、東京都の「東京消防庁職員の特殊勤務手当に関する条例」によると、第4条には救急手当、第5条には火災調査手当が定められています。
救急手当が従事した回数1回につき710円を超えない範囲内なのに対し、火災調査手当は従事した日1日につき330円を超えない範囲内と定められており、単価そのものに差が設けられているケースがあります。
また、出動する回数も違い、火災よりも救急要請の件数の方が多いのが実情です。このように、基本の給与が同じでも、1回ごとの手当が高いうえに一般的に出動回数も多いため、最終的な年収は救急救命士の方が高くなる傾向にあると考えられます。
それぞれの仕事内容の違い
ここからは、それぞれの仕事内容について解説します。
消防士の仕事内容
消防士のおもな役割は、火災や災害から人々の安全を守ることにあるようです。その具体的な業務内容は、おもに次の通りです。
・消火活動
・救助活動
・救急活動
消火活動は、火災現場で消火にあたる任務を指します。数名のチームで連携し、防火服などを装備して放水作業にあたります。
救助活動は、事故や災害現場で逃げ遅れた人を助け出す任務です。専門的な機材を駆使し、危険な場所から人命を救出するために尽力するとされています。
救急活動は、傷病人を救急車で医療機関へ搬送する間に応急処置を施す任務で、一刻を争う現場で、適切な初期対応を担うものといえるでしょう。
救急救命士の仕事内容
救急救命士とは、おもに救急隊員として活動する消防士の中でも、人命救助のスペシャリストとしての役割を担っています。救急救命士は、事故現場や救急車の車内などで特別な救命処置を行うことがおもな任務とされています。
一般の救急隊員も傷病者に対して救急処置を行うことは可能ですが、救急救命士はそれよりもさらに高度な処置を行うことができるようです。具体的には、医師の指示を受けることで、一般の救急隊員には認められていない特定の救急救命処置を施すことができるとされています。
このように、救急救命士は専門的な知識と技術を駆使して、より高度な救命活動を担う役割があるといえるでしょう。
消防士や救急救命士になるには
消防士になるには、自治体の採用試験に合格した後、消防学校で半年から1年かけて、消防にかかわる基礎的な知識や消防活動に必要な実務的知識、消火技術や機材の取り扱い方など実務的な訓練を受けます。その後、各消防署に配属されます。
救急救命士を目指す場合は、おもに2つの道が考えられます。
ひとつは、大学や専門学校において救急救命に関する専門的な知識と技術を学び、卒業した後国家資格を得てから消防士になる方法です。
もうひとつは、消防士として就職後に、救急隊員として必要な教育を受けてから現場に配属され、現場経験を積み、その後専門的な知識と技術を学んで資格を取得する方法です。こちらは実務経験を重視する一方で、資格取得までに相応の時間がかかる傾向にあるようです。
基本給が同じでも、出動手当などの差により救急救命士の方が年収は高くなる傾向にある
消防士と救急救命士は、同じ自治体であれば基本給の体系は同じであることが一般的です。しかし、業務内容に応じた「特殊勤務手当」の単価設定や出動件数の差などが、最終的な年収のひらきを生むおもな要因と考えられます。
特に救急業務は消火業務に比べて出動頻度が高く、手当が積み重なりやすいため、救急救命士の方が総年収は高くなる傾向にあるといえるでしょう。消防士や救急救命士になる道を検討する際は、資格取得のタイミングなどを含めたキャリアプランを立てることが大切です。
出典
総務省 令和6年4月1日地方公務員給与実態調査結果 第2 統計表I 一般職関係 第4表~第8表の4第5表 職種別職員の平均給与額(253~254ページ)
東京都例規集データベース 東京消防庁職員の特殊勤務手当に関する条例 第四条、第五条
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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