昇給で年収が「36万円」増えたのに、手取りはほとんど増えた気がしません…。なぜでしょうか?

配信日: 2026.04.11
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昇給で年収が「36万円」増えたのに、手取りはほとんど増えた気がしません…。なぜでしょうか?
昇給して喜んでいたものの、手取り額はあまり増えていなかった、という経験がある人もいるかもしれません。給料の手取り額がどのように決まるのかを知っておくと、受け取った金額の根拠が理解できるようになるでしょう。
 
今回は、年収が36万円増えると手取り額がいくらくらい変わるのか、昇給額と手取りの増加額に差が出る理由についてご紹介します。
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年収が「36万円」増えると手取りはどれくらい変わる?

今回は、以下の条件で昇給した場合の手取り額を比較します。


・年収450万円から年収486万円に昇給
・令和8年度時点の基準を使用する
・東京都在住40代独身
・全国健康保険協会に加入
・賞与は考慮しない
・年収を12ヶ月で割ったものを報酬月額とする
・適用される控除は給与所得控除、社会保険料控除、基礎控除のみ
・住民税は総務省が示す基準の所得割10%+均等割5000円(森林環境税含む)

年収450万円の手取り

年収450万円のとき、給与所得は316万円です。社会保険料額は以下のようになります。


・健康保険料(介護保険料含む):年26万1516円
・厚生年金保険料:年41万7240円
・子ども・子育て支援金:年5244円
・雇用保険料:年2万2500円

合計:70万6500円

給与所得から社会保険料控除と基礎控除を差し引くと、所得税の課税所得は157万3000円になります(1000円未満の端数金額切り捨て)。
 
このとき、税率は5%のため、所得税額は7万8650円です。住民税の課税所得は202万3000円になります(1000円未満の端数金額切り捨て)。税率を基に、均等割も加えて計算すると、住民税額は20万7300円です。
 
年収から社会保険料額・所得税額・住民税額を差し引くと、手取りは350万7550円になります。
 

年収486万円の手取り

年収486万円のとき、給与所得は344万8000円です。社会保険料額は以下のようになります。


・健康保険料(介護保険料含む):年28万2162円
・厚生年金保険料:年45万180円
・子ども・子育て支援金:年5658円
・雇用保険料:年2万4300円

合計:76万2300円

所得税の課税所得は200万5000円(1000円未満の端数金額切り捨て)、税率は10%、控除額は9万7500円のため、所得税額は10万3000円になります。また、住民税の課税所得は225万5000円です(1000円未満の端数金額切り捨て)。
 
計算すると、住民税額は23万500円になります。年収から各金額を差し引くと、手取りは376万4200円です。年収の昇給額は36万円なのに対し、手取り額の増加分は25万6650円ということが分かりました。
 

昇給した金額と手取りの増加額が異なる理由

手取りが昇給額ほど増えにくい理由のひとつは、社会保険料の決まり方にあります。
 
日本年金機構によると、社会保険料は税金などが引かれる前の給料を一定金額ごとに区分した報酬月額を基に決められる標準報酬月額によって決まるとされています。
 
標準報酬月額は等級によって分かれており、等級が高いほど報酬月額は高く、社会保険料も高くなる仕組みです。そのため、昇給によって等級が変わると給料から差し引かれる社会保険料の金額が増え、手取りが思ったよりも増えない、という状況になるでしょう。
 
なお、社会保険料は基本的に4~6月の報酬月額を基に決められ、9月から改定されます。しかし、標準報酬月額が2等級以上変動するような大きな昇給などがあった場合は、随時改定といって定期的な改定を待たずに社会保険料額が変わる場合もあります。
 

社会保険料の等級が変わったことで社会保険料額が高くなった可能性がある

年収の手取りは、年収から社会保険料や所得税、住民税を引くことで計算が可能です。
 
このうち、社会保険料は昇給すると金額が高くなる傾向がみられ、収入から差し引かれる金額が増えることで、実際の昇給額ほど手取りが増えないと感じるケースもあり得ます。
 
なお、今回は独身の場合を例にしており、扶養家族がいる場合などは金額が変わる可能性があります。手取りが正しいか不安なときは、一度自分で試算してみるとよいでしょう。
 

出典

総務省 地方税制度 個人住民税
日本年金機構 厚生年金保険の保険料
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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