更新日: 2023.10.26 贈与
息子に、コレクションしていたビンテージの高級ギターをプレゼントしました。この場合、贈与税は発生するのでしょうか?
今回は、子どもに高級なプレゼントを贈ったときの贈与税の考え方について解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
贈与税が発生するのは110万円を超えた場合
個人から財産を受け取ったときは贈与税が発生します。贈与税は、1年間(1月1日〜12月31日)で受け取った合計金額をもとに計算されます。この課税方法が「暦年課税」です。
暦年課税には110万円の基礎控除があるため、110万円を超えた部分が贈与税の対象になります。つまり、財産を受け取っていても、1年間の合計が110万円を超えなければ贈与税は発生しません。
なお、基礎控除額を差し引いた残りの額は「贈与により一般贈与財産または特例贈与財産のいずれかのみを取得した場合」もしくは「贈与により一般贈与財産と特例贈与財産の両方を取得した場合」の計算方法を用いて速算表をもとに贈与税額が計算されます。
贈与された年の1月1日時点で18歳以上の成人が父母または祖父母から財産を受け取ったときは、贈与税の速算表【特例贈与財産用】をもとに計算されます(表1)。
【表1】
※出典:国税庁 令和5年度版暮らしの税情報
高価なものであれば物品も相続税の対象になる
贈与税の対象になる財産とは、現金だけを指しているわけではありません。高価なものであれば物品でも課税対象になります。例えば、ブランド品や美術品、宝飾類、不動産な物品でも110万円を超えるものであれば贈与税の納税が求められます。今回のテーマとなっているビンテージの高級ギターも、基礎控除額を超えていればもちろん対象です。
ビンテージなので、正確な金額を出すには専門の鑑定士に見てもらう必要が出てきます。ビンテージの場合に注意したいのは、どういった付加価値がついているか考えることです。
特に著名人が使っていたようなものは、価値が大きく上がっている可能性があります。まず金額を出してもらい、そのうえで基礎控除額を超えていれば残りの額から算出された税金を、贈与を受けた人が納めなければなりません。
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親子間なら「相続時精算課税」を選択する方法もある
「相続時精算課税」とは、贈与者(財産を贈った人)が亡くなってから相続税として精算する納税方法です。贈与税の課税方法には、先ほど紹介した暦年課税の他に相続時精算課税があります。
贈与をした年の1月1日時点で贈与者が60歳以上の父母または祖父母であれば、相続時精算課税を選択することもできます。親子間の贈与なら、そのときの年齢に応じて相続時精算課税を選択するのもいいでしょう。
相続時精算課税は、財産を受け取ったときに贈与税を「特別控除額および一定の税率」で計算しておきます。このときは納税額を出しておくだけで、実際の納税は贈与者が亡くなったときです。なお、一度相続時精算課税を選択すると暦年課税に戻すことはできません。
ビンテージのギターでも一定の金額を超えれば贈与税が発生する
楽器などの物品であっても、高額なプレゼントになれば贈与税の対象になります。親子間であれば、将来相続税として精算するという方法も選択できます。
ただ、選択によって納税時期を延ばすことはできても、納めなくてよいということはありません。まずギターの価値がどれくらいのものか専門家に鑑定してもらい、息子の年齢も考慮して贈与する時期を考えるのも一つの方法です。
出典
国税庁 令和5年度版暮らしの税情報(35ページ、37ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー