更新日: 2024.06.13 その他相続

【終活】家の片付けはマメにしていますが「節税対策」のほうは具体的にどんなことをしたらよいですか? 相続人は独身の子ども2人で、遠方で暮らしています。

【終活】家の片付けはマメにしていますが「節税対策」のほうは具体的にどんなことをしたらよいですか? 相続人は独身の子ども2人で、遠方で暮らしています。
「相続対策として節税対策をしたいけど、具体的にどんなことをしたらよいか分からない」という方も多いのではないでしょうか? 本記事では、相続における節税対策について解説します。相続対策全般についても触れますので、ぜひ最後までお読みください。
中村将士

執筆者:中村将士(なかむら まさし)

新東綜合開発株式会社代表取締役 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(R)(日本FP協会認定) 宅地建物取引士 公認不動産コンサルティングマスター 上級心理カウンセラー

私がFP相談を行うとき、一番優先していることは「あなたが前向きになれるかどうか」です。セミナーを行うときに、大事にしていることは「楽しいかどうか」です。
 
ファイナンシャル・プランニングは、数字遊びであってはなりません。そこに「幸せ」や「前向きな気持ち」があって初めて価値があるものです。私は、そういった気持ちを何よりも大切に思っています。

相続対策には3種類ある

相続とは、故人(亡くなった方)から遺族に財産を承継することであり、故人を「被相続人」、財産を承継する遺族を「相続人」といいます。相続の対象となる財産の額(評価額)が大きければ、相続税が課税されることになります。
 
相続には、相続人が解決しなければならない問題が2つあります。
 
1つ目は「誰が、何を、(どれくらい)相続するのか」という問題です。故人が残した財産を「遺産」といいますが、この遺産を相続人間でどのように分けるのか、いわゆる「遺産分割」問題があります。
 
2つ目は「相続税を支払えるのか」という問題です。相続税の納付は、原則として金銭で一括納付しなければならず、その資金を用意しておかなければならない、いわゆる「納税資金」問題があります。
 
相続対策は、上記の問題に対して対策を講じることをいい、1つ目の問題に対する対策を「遺産分割対策」、2つ目の問題に対する対策を「納税資金対策」といいます。また、2つ目の問題に対し、相続税額を低くすることを目的とした対策を「節税対策」といいます。つまり、一口に「相続対策」といっても、3種類の対策があるということです。
 

節税対策の具体例

先述のとおり、節税対策は相続税額を低くすることを目的とします。相続税額を低くするためには、課税遺産総額を低くする必要があります。課税遺産総額は、課税価格の合計額(正味の遺産額)から基礎控除額を差し引いて計算します。
 
つまり、課税遺産総額を低くするための方法としては、「(1)課税価格の合計額を下げる」もしくは「(2)基礎控除額を増やす」となります。
 

課税価格の合計額を下げる

課税価格の合計額を下げる方法には、「相続財産を減らす方法」と「相続財産の評価額を下げる方法」があり、具体的には図表1のようなことが該当します。
 
図表1

相続財産を減らす方法 相続財産の評価額を下げる方法
1.生前贈与
(1)暦年贈与
(2)一括贈与(贈与税の特例)
①住宅取得等資金の非課税
②教育資金の一括贈与の非課税
③結婚・子育て資金の一括贈与の非課税
2.生命保険に加入する(非課税財産枠の利用)
1.金融資産から不動産への資産替え
2.不動産の評価手法の利用
(1)小規模宅地等の特例の活用
(2)更地にマンション・アパートなどを建築

※ 筆者作成
 

基礎控除額を増やす

基礎控除額は、「3000万円+600万円×法定相続人の数」で計算します。この計算式から、「法定相続人の数」を増やすことで基礎控除額が増えることが分かります。法定相続人の数とは、民法の規定による相続人の数のことですが、子が相続人である場合、養子も子に含まれます。
 
つまり、養子縁組をすることで、法定相続人の数が増え、基礎控除額が増えるため、節税対策になるということです。ただし、相続税の計算上、法定相続人の数に含むことができる養子の数には上限があり、被相続人に実の子がいる場合は1人まで、実の子がいない場合は2人までとなっています。
 

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まとめ

本記事では、相続における節税対策について解説しました。節税対策は、3種類ある相続対策のうちの一つです。節税対策のほかには、遺産分割対策と納税資金対策があります。
 
節税対策としては、「(1)課税価格の合計額を下げる方法」と「(2)基礎控除額を増やす方法」があります。具体的な方法についても紹介しましたので、ぜひ参考にしてみてください。ただし、過度な対策はトラブルのもとです。専門家にもアドバイスを求めることをおすすめします。
 

出典

国税庁 No.4152 相続税の計算
 
執筆者:中村将士
新東綜合開発株式会社代表取締役 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(R)(日本FP協会認定) 宅地建物取引士 公認不動産コンサルティングマスター 上級心理カウンセラー

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