更新日: 2024.09.26 贈与
宝くじで「500万円」当たりました!家のローンを繰り上げ返済したいのですが、「500万」を夫の口座へ入金すると贈与税はかかりますか?
一見すると将来的な負担を軽減する賢い選択ですが、ほかの人に当選金を使う場合には注意が必要です。贈与税によって実質的に当選金が減ってしまうため、貴重なお金を減らさないよう、うまく活用しましょう。
今回は、当選金を家族へ譲渡する際にかかる贈与税について解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
宝くじの当選金を家族にあげると贈与税が発生する
宝くじの当選金は、基本的に非課税です。「当せん金付証票法第13条」にて、「当せん金付証票の当せん金品については、所得税を課さない」と明記されています。所得とみなされないため、住民税もかかりません。
しかし当選金を家族に譲渡する場合は話が別です。たとえ自身の配偶者やお子さまであっても、贈与税が発生する可能性があります。
家族で食事をする、生活費の購入に充てるといった少額かつ生活に要する物なら対象に含まれませんが、住宅ローンの繰上返済やお子さまの貯蓄として渡すなら、税金を支払わなければなりません。
両親へのプレゼントにも注意
同様に両親へ高額なプレゼントをする場合でも、贈与税の対象とみなされる可能性があります。例えば、家族のために新しい車を購入するために当選金を使う場合、その車の金額が一定額以上なら贈与税の対象です。当選金を物品に変えても贈与税がかかる点にはご注意ください。
宝くじの当選金をあげるときに贈与税がかからないケース
当選者以外へお金または高額なプレゼントをするには贈与税がかかります。しかし方法によっては、贈与税がかからないよう工夫も可能です。できるだけ贈与税をかけずに当選金を譲渡したい場合は、以下の方法をお試しください。
「共同購入者」として当選金を受け取る
宝くじを家族と共同購入して全員で当選金を受け取った場合は、家族全員が当選者とみなされます。こうすることで分配金が「譲渡」に該当しないため、贈与税がかかりません。ただしこの方法が使えるのは、まだ当選金を受け取っていない場合に限ります。
当選金は受け取った人のものとみなされるため、受け取りに行く人の選定にはご注意ください。例えば住宅ローンの繰上返済を行いたい場合は、ローンの契約者が当選金を受け取ることで繰上返済の税金がかかりません。
毎年110万円ずつ入金する
贈与税には年間110万円の非課税枠があります。そのため、家族へ当選金を譲渡する場合でも、1年ごとに110万円ずつ分割して渡せば贈与税はかかりません。とくに当選金をお子さまの貯蓄に回す場合は急ぐ必要がないため、少しずつ譲渡しましょう。
またお子さまが住宅を購入する際は、最大1000万円まで支援金を非課税にできます。お子さまが近いうちに住宅の購入を検討しているなら、一括して譲渡するチャンスです。
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宝くじは当選金額によって受け取る場所が異なる
宝くじの当選金は、金額によって受け取り方法が異なります。例えば1万円以下の当選金は宝くじ売り場で受け取れますが、高額当選の場合は銀行での手続きが必要です。
500万円以上の当選金は高額当選にあたるため、指定された銀行での受け取りが義務付けられています。受け取りの際は本人確認書類の提出が求められるため、忘れずに準備しましょう。
BIGやtotoに税金はかかる?
BIGやtotoといった宝くじ以外のくじも、基本的に非課税です。これらは「スポーツ振興」に分類されるため、当せん金付証票法が適用されます。
ただし競馬やボートレース、クイズの懸賞金といった部類はスポーツ振興に該当せず、得た所得は課税対象です。
宝くじの当選金は譲渡しない限りは総取り
宝くじの当選金は、家族や他人に110万円以上譲渡しない限り、税金はかかりません。当選したお金をどう使うかは自由ですが、家族に譲渡する際には贈与税のリスクを理解しておく必要があります。
共同購入や年間110万円の非課税枠を活用すれば贈与税を回避できるため、使い道は工夫しましょう。
出典
国税庁 No.4402 贈与税がかかる場合
国税庁 No.4508 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税
e-Gov 法令検索 当せん金付証票法
国税庁 競馬の馬券の払戻金に係る課税について
福岡市 宝くじやクイズの賞金にも税金はかかるのですか?
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー