更新日: 2024.10.22 贈与

親から毎月「10万円」の仕送りをもらっていますが、すべて貯金に回しています。全く使っていなくても税金はかかるのでしょうか?

親から毎月「10万円」の仕送りをもらっていますが、すべて貯金に回しています。全く使っていなくても税金はかかるのでしょうか?
一人暮らしを始めると、実家から仕送りで生活費を援助してもらう方もいるでしょう。しかし、自身のバイト代で生活費が足りていると、つい仕送りを貯金してしまうケースがあります。
 
仕送りを使用しないまま貯金すると、贈与税の課税対象になる可能性があるため、注意が必要です。今回は、仕送りが課税されるケースや、仕送りがなるべく課税されないための対策などについてご紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

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仕送りは課税対象になる?

親から送られる仕送りは、認められる範囲内であれば贈与税はかかりません。国税庁では「夫婦や親子、兄弟姉妹などの扶養義務者から生活費や教育費に充てるために取得した財産で、通常必要と認められるもの」は非課税になると記載されているためです。
 
ただし、非課税になるのはあくまでも生活費や教育費のために送られた費用です。もし、両親は生活費や教育費のつもりで仕送りを送っていたとしても、学生本人が預金に回したり株式を購入したりしていると、通常必要な生活費や教育費とは認められないでしょう。そのため、仕送りのお金を貯金として口座に入れたままにしていると、仕送りのお金に贈与税が課される可能性があります。
 

贈与税の課税対象になると税額はいくら?

もし毎月10万円、1年間で120万円の仕送りを受けており、全額が贈与税の課税対象になったとしましょう。贈与税の計算は、基礎控除の110万円を引いた金額で求められます。今回のケースだと、課税金額は10万円です。
 
10万円のときの贈与税率は10%なので、贈与税は1万円課されます。ただし、同じ年にほかにもお金を受け取っている場合は、その金額も加算して計算が必要です。
 
例えば、仕送り120万円のほかに祖父母から200万円を受け取っていたとすると、贈与合計額は320万円です。課税金額が210万円、税率は15%、控除額が10万円のため、贈与税額は21万5000円になります。
 
金額によっては「一般贈与財産用(一般税率)」と「特例贈与財産用(特例税率)」で控除額や税率が異なる点に注意が必要です。
 

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仕送りが課税されないための対策

仕送りが課税されないためには、仕送りと貯金用のお金を別にすることです。仕送りの口座と貯金用の口座を分け、仕送り用の口座から水道光熱費や携帯代を引かれるようにしておくと、仕送りが生活費に使われている証拠になるでしょう。
 
また、1年の仕送り額が110万円を超えないようにしてもらうことも方法の一つです。仕送り額が減っても生活に支障は出ない場合は、月に8万円程度にしてもらうと、1年間で受け取る金額は96万円ほどになるため、贈与税は課税されません。
 

贈与税の支払いを忘れると追加で税金が課される

贈与税の課税対象になったにもかかわらず、税金を支払わないまま放置していると、本来の納税額に加えて加算税が課される可能性があります。加算税は、納税義務が果たされない場合に追加で課される税金で、財務省によると「一種の行政制裁的な性格を有する」とされているものです。
 
贈与税を正しく申告しなかった場合に課される可能性がある加算税は、過少申告したときの「過少申告加算税」、申告をしていなかった場合の「無申告加算税」、意図的に隠ぺい工作をするなど悪質な場合の「重加算税」です。
 
税金を隠しても支払う税額が増えるだけなので、課税対象になったと分かった時点で、申告と納税をしましょう。課税対象か分からないときは、税務署や専門家の方への相談がおすすめです。
 

仕送りを貯金すると課税対象になる可能性がある

仕送りは、生活費や教育費のために使っていれば課税されないことが分かりました。しかし、どちらの用途にも使わず貯金をしたり株の購入に使ったりしていると、贈与税として税金が課される可能性があります。
 
課税対象にならないためには、仕送りを生活費に回してバイト代は貯金やほかの費用に回すなど、対策が必要です。なお、もし課税されているにもかかわらず、支払わないまま放置していると、税金がさらに追加される可能性があります。税金が発生した時点で申告と支払いは行いましょう。
 

出典

国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.4405 贈与税がかからない場合
財務省 納税環境整備に関する基本的な資料
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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