母の遺品整理をしていたら、引き出しの奥から1万円札を10枚見つけました。たぶん「へそくり」だと思うのですが、少額の場合でも「相続税の修正」が必要なのでしょうか?
配信日: 2025.02.02 更新日: 2025.02.03

本記事では、財産があとから見つかった場合にできる相続税の修正申告について解説します。相続税の修正が必要なのか知りたい人は、参考にしてください。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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少額の財産でも相続税の修正は必要
相続税とは、亡くなった人(被相続人)の財産を相続等によって取得した場合に発生する税金です。税金額は、取得した財産の価額によって決定します。
財産を相続したからといって必ず相続税を払わなくてはならないわけではありません。相続税の基礎控除額を超えた場合に申告が必要となります。
相続税の申告が必要かどうかは、国税庁の相続税の申告要否判定コーナーで計算できます。あとから財産が見つかった場合は、あらためて計算し直しましょう。
一度申告した相続税を修正する方法
遺品整理の最中にへそくりを見つけてしまい、それが10万円のような少額であっても、基礎控除額を超えた場合には相続税の修正を行わなくてはなりません。
本記事では、一度相続税の申告をしたあとにできる「修正申告」について解説します。相続税の修正ができる「訂正申告」「更正の請求」との違いについても触れているため、これから相続税の修正をしようとしている人は参考にしてください。
修正申告
修正申告とは、相続税の申告をしたあとにやり直す手続きで、申告期限を過ぎたときに利用できます。修正申告ができるのは、原則として相続の開始を知った翌日から10ヶ月以内の期間(法定申告期限)を過ぎた翌日から、5年以内です。
修正申告の注意点を見ていきましょう。
●5年を経過した場合には時効を迎える
●意図的に財産金額を少なく申告した際の時効は7年
法定申告期限か5年を過ぎたら時効となるため、修正申告の必要はなくなります。遺品整理によって10万円を見つけたタイミングが法定申告期限から5年経過しているか確認しましょう。もし、遺品にお金があることを知っていたにもかかわらず、意図的にその事実を隠していた場合の時効は7年となります。
修正申告をした場合は税金を追加で納めるほか、延滞税や附帯税を納める可能性があります。期間が長ければ追加で支払う税金額も増すため、気が付いたら早めに修正申告をするとよいでしょう。
訂正申告や更正の請求との違い
修正申告と似た制度に、訂正申告と更正の請求があります。それぞれ修正申告との違いは以下のとおりです。
●訂正申告……法定申告期限の期限内に訂正する場合
●更正の請求……多く相続税を納税した場合など
期限内の訂正となる訂正申告であれば、期限内であるため延滞税などの税金はかかりません。更正の請求は、払いすぎた税金を取り戻すために利用します。
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相続税の修正申告に必要なもの
相続税の修正申告を行う場合は、被相続人の所轄の税務署に対して手続きしましょう。
用意するものは以下の3点です。
●相続税の申告書(令和4年分以前は相続税の修正申告書)
●納付書
●本人確認書類(マイナンバーカードか、通知カード+本人確認書類)
相続税の申告書は、国税庁のサイトでダウンロードするか、税務署の窓口でも入手できます。被相続人の所轄の税務署で相続税を納めましょう。e-Taxを利用すればオンラインで申告・納税が可能です。
延滞税などを少しでも減らすためにも、納税額が分かった時点で早めに納税しましょう。税金を納めたら、被相続人の所轄の税務署にて修正申告を行ってください。これで、修正申告が完了します。
財産が見つかったら相続税の修正申告をしよう
遺品整理によって財産が見つかった場合は、少額であっても基礎控除額を超えるなら相続税の修正申告をしましょう。修正申告によって、差分の相続税や延滞税などを納めることになります。
修正申告をする場合は、相続税の申告書に記載して納税し、納付書や本人確認書類と合わせて被相続人の所轄の税務署に提出しましょう。
出典
国税庁 相続税の申告要否判定コーナー
国税庁 財産を相続したとき
国税庁 No.9205 延滞税について
国税庁 相続税の申告書等の様式一覧(令和6年分用)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー