4月から大学生になる娘に毎月12万円の仕送りをする予定です。これって「贈与税」の対象になるのでしょうか?
配信日: 2025.02.28

本記事では、仕送りが贈与税の対象になるのかや、どんなときに贈与税がかかるのかなどを解説します。大学生の子どもに仕送りをする予定の親御さんは、ぜひ参考にしてください。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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大学生の子どもに送る仕送りは贈与税の対象になる?
結論から言うと、生活費や学費としての仕送りであれば、贈与税の対象にはならないとされています。
国税庁によると、贈与税がかからない財産のひとつに「夫婦や親子、兄弟姉妹などの扶養義務者から生活費や教育費に充てるために取得した財産で、通常必要と認められるもの」と記載されているのです。
生活費とは、日常の生活を維持するために必要な費用を指します。また、教育費には学費のほか、文房具代や教材費なども含まれます。親が仕送りをするおもな目的は子どもの生活を支えることにあるため、直接これらの費用に充てる仕送りであれば、贈与税の課税対象にはなりません。
贈与税が発生するケース
仕送りの目的が生活費や教育費のための場合、贈与税の対象にはならないと説明しましたが、生活費以外に使用した場合は贈与税の対象になる可能性があります。例えば、仕送りを不動産の買入資金や投資、株式の購入などに充てた場合は、贈与税の対象となります。
また、子どもがアルバイトで稼いだお金で生活し、親からの仕送りを使用していない場合も注意が必要です。仕送りを口座に貯金して一定額を超えた場合、贈与税がかかるかもしれません。
子どもに仕送りをする場合は、仕送りの目的は生活費のためであることや、生活費や教育費として使わないと贈与税がかかる可能性があることを伝えておきましょう。加えて、仕送りの金額が高すぎるのも贈与税の対象になるかもしれません。
例えば、12万円あれば子どもは生活できるのに、50万円を仕送りしたら、残りの38万円は生活費以外に使用されるとみなされ、贈与税の対象となる可能性が高くなります。お金に余裕があっても、生活ができる分以上の仕送りはしないようにしましょう。
ただし、贈与税には年間110万円の基礎控除があります。1年間に贈与された財産の合計が基礎控除額に満たなければ贈与税はかかりません。
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大学生の子どもへの仕送りの平均額
大学生の子どもへの仕送りの平均額は、いくらくらいなのでしょうか。
株式会社日本政策金融公庫の「令和3年度 教育費負担の実態調査結果」によると、自宅外通学者への年間の仕送り額の平均は95万8000円で、月額だと7万9000円でした。また、年間の仕送り額の割合は、表1の通りでした。
表1
金額 | 割合 |
---|---|
0万円 | 10.0% |
0万円超え50万円未満 | 13.9% |
50万円以上100万円未満 | 33.1% |
100万円以上150万円未満 | 28.7% |
150万円以上200万円未満 | 11.7% |
200万円以上 | 2.6% |
出典:株式会社日本政策金融公庫「令和3年度 教育費負担の実態調査結果」を基に筆者作成
年間50万円以上100万円未満の仕送りをしている割合が高く、これを月額にすると約4万1667円以上約8万3333円未満となります。
ただし、上記調査時の令和3年に比べて物価は高くなっています。この影響で、仕送り額も増えている可能性があるでしょう。そのため、12万円の仕送りは高すぎるわけではないといえそうです。
大学生の子どもへの生活費や教育費の仕送りは贈与税の対象にならない
大学生の子どもへの仕送りは、通常の生活費や教育費に直接充てるものとして必要な範囲であれば、贈与税の対象にはなりません。ただし、高額な支援や貯蓄目的の仕送りは贈与税の対象とみなされる可能性があるため、注意が必要です。
仕送りの平均額も参考にしながら、適切な金額を設定し、子どもの生活を支えてあげましょう。
出典
国税庁 No.4405 贈与税がかからない場合
株式会社日本政策金融公庫 令和3年度 教育費負担の実態調査結果 3 自宅外通学にかける費用 (2)自宅外通学者への仕送り額(10ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー