春から大学生になる孫に「100万円」の入学祝いを贈る場合、このお金に「税金」は発生するの?
配信日: 2025.03.05

そこで今回は、贈与税の仕組みについて解説します。ぜひ参考にしてください。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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年間110万円までの贈与は原則非課税
贈与税の基本ルールとして、暦年課税では1年間に110万円までの贈与が非課税とされています。この金額を超えない範囲であれば、受け取る側に税金はかからず、申告も必要ありません。ただし、110万円を超える分については、贈与を受けた人に対して贈与税が課されます。
教育資金贈与信託で家計負担が軽減
一般社団法人信託協会が実施した教育資金贈与信託に関する受益者向けアンケート調査によると、79.2%の人が「教育資金に関する家計の負担が軽減された」と感じていることが分かりました。さらに、半数以上が「選択肢が広がることで学びの支援が充実する」と考えており、「将来の生活設計が立てやすくなる」との意見も多く寄せられています。
教育費用は非課税の対象
祖父母が30歳未満の孫などに教育資金を贈与する場合、最大1500万円まで非課税となる制度があります。この制度では、入学金や授業料に加え、寮費、通学費、修学旅行費、給食費なども対象となるようです。
さらに、500万円までの範囲で、水泳やピアノ、英語教室といった習い事費用も対象です。ただし、受贈者の所得が1000万円を超える場合は適用外とされています。
ただし、銀行や信託銀行と契約し、専用口座を開設する必要があり、受贈者が支払った教育費の領収書を提出することで、そこから資金を引き出さなければならないようです。暦年贈与や都度贈与と併用できるこの制度を活用する際は、事前に詳細を確認しておくことが重要です。
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制度利用時の注意点
この制度を利用すれば、将来の教育費を早めに確保できる可能性があるという大きな利点があります。ただし、いくつか注意すべき点もあるようです。
受贈者の所得制限
前述通り、この制度を利用できるのは、受贈者の前年の合計所得金額が1000万円以下の場合に限られるとされています。
23歳以上の教育資金の範囲が限定的
受贈者が23歳以上になると、以下に該当する支出のみが非課税の対象となります。
●学校への授業料や入学金などの支払い
●留学の渡航費など学校関連の費用
●教育訓練給付金の支給対象となる講座の受講費用
契約終了と贈与税
30歳を迎えると契約が終了し、未使用の残高に贈与税が課されるといわれています。ただし、30歳以降も在学中または教育訓練を受講中であれば課税されることはないようです。その後、在学や受講が終了した年末、または40歳を迎えた時点で残高に贈与税が適用されます。
相続税の対象となる可能性
贈与者が亡くなった場合、受贈者が23歳以上または在学中・受講中でない場合には、契約時の残額が相続財産に含まれるとされています。また、税制改正により、相続税の課税価格が5億円を超える場合、受贈者が学生や23歳未満であっても残額に相続税が課されるようです。
年間110万円までの贈与は非課税となる
春から大学生になるお孫さんへの「100万円」の入学祝いについては、年間110万円までの贈与は非課税となるため、税金は発生しないとされています。また、贈与税の申告も不要だと考えられます。ただし、いくつか注意すべき点もあるようなので、事前に確認するよう心がけましょう。
出典
国税庁 No.4402 贈与税がかかる場合
一般社団法人信託協会 教育資金贈与信託に関する受益者向けアンケート調査結果
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー