実家に帰省した際に「資産はどれくらいあるの?」と聞いてみたものの、教えてもらえませんでした。もしものことがあったときはどのように調べたらよいのでしょうか?
配信日: 2025.03.16

そこで本記事では、「もしものときに、資産をどのように調べたらよいのか?」「もしものときに困らないよう、今できることはないか?」について解説します。
本記事はご両親が亡くなった後のことを想定しておりますが、認知症になった場合にも役に立つと思いますので、ぜひ最後までお読みください。

執筆者:中村将士(なかむら まさし)
新東綜合開発株式会社代表取締役 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(R)(日本FP協会認定) 宅地建物取引士 公認不動産コンサルティングマスター 上級心理カウンセラー
私がFP相談を行うとき、一番優先していることは「あなたが前向きになれるかどうか」です。セミナーを行うときに、大事にしていることは「楽しいかどうか」です。
ファイナンシャル・プランニングは、数字遊びであってはなりません。そこに「幸せ」や「前向きな気持ち」があって初めて価値があるものです。私は、そういった気持ちを何よりも大切に思っています。
もしものときに、資産をどのように調べたらよいのか?
資産(遺産)を調べる方法として、以下のことが挙げられます。
・金庫(貸金庫)を確認する
・郵便物を確認する
・通帳を確認する
もし金庫や貸金庫があるのであれば、そこに契約書(売買契約書・不動産の管理委託契約書など)や登記済権利証(登記識別情報通知)などの大事な書類や現金などが入っている可能性があります。これらの書類によって、所有している不動産を確認することができます。
また、郵便物も保有資産を調べる手掛かりになります。手掛かりとなる郵便物としては、税務署・銀行・保険会社・証券会社・クレジット会社からのものが考えられます。税務署からの通知であれば不動産を、証券会社からの通知であれば株式や債券などの有価証券を保有している可能性があります。
クレジット会社からの通知があれば、ローン・借金がある可能性があります。銀行からの通知は預金口座の、保険会社からの通知は加入している保険の手掛かりとなります。
また、通帳を確認することで、お金の流れが分かります。何のお金か分からない入出金があったら、調べてみましょう。郵便物だけでは把握できなかった、資産の存在に気付く可能性があります。特に、毎月だったり年に1回決まった時期だったりと、定期的に記録されている入出金がないか調べてみるとよいでしょう。
もしものときに困らないよう、今できることはないか?
保有資産については、本人に確認するのが一番です。しかし、「資産はどれくらいあるの?」と率直に聞いても、答えてもらえないこともあります。ですから、資産の額を聞き出すのではなく、資産を把握しやすいよう本人にまとめておいてもらうのがよいでしょう。
資産を把握しやすいようにするために、以下の方法を検討してみてはいかがでしょうか。
・遺言書を作成してもらう
・エンディングノートを作成してもらう
・財産目録・資産一覧表を作成してもらう
・資産に関する書類をまとめておいてもらう
・世間話から資産を探る
遺言書は、資産(遺産)を把握できるだけでなく、誰に何を相続させるのかについても指定することができます。相続の指定については本文に、資産については財産目録に記載しておくとよいでしょう。本人にとってみればハードルは高いかもしれませんが、遺言書があることによって相続トラブルを減らすことも期待できます。
エンディングノートも資産を記載しておけば、もしものことがあったときに役に立ちます。その他、エンディングノートは「家族・親族」「友人・知人」「葬儀・お墓」などについても書くことができます。遺言書のような相続の指定はできないものの、遺言書よりハードルは低く、作成しやすいのではないかと思われます。
遺言書・エンディングノートの作成が難しいとしても、できれば財産目録・資産一覧表のような保有資産が一目で分かる資料は作成しておいてほしいものです。それも難しいようであれば、重要書類をどこに保管しているのかがまとまっていないようであれば、分かりやすくまとめておいてもらうようお願いするしかないかもしれません。
こちらからいろいろ言っても、本人が動いてくれないということもあると思われます。そのようなときは、本人との世間話から探ってみましょう。何かヒントを得られるかもしれません。
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まとめ
本記事では、「もしものときに、資産をどのように調べたらよいのか?」「もしものときに困らないよう、今できることはないか?」について解説しました。
資産を調べる方法として、以下のことを紹介しました。
・金庫(貸金庫)を確認する
・郵便物を確認する
・通帳を確認する
また、今できることとして、以下のことを紹介しました。
・遺言書を作成してもらう
・エンディングノートを作成してもらう
・財産目録・資産一覧表を作成してもらう
・資産に関する書類をまとめておいてもらう
・世間話から資産を探る
資産については、ご本人に聞くのが一番です。ご本人に聞けなくなってしまった場合、全ての資産を把握することは難しくなります。これは、お亡くなりになったときだけではなく、認知症になってしまったときにもいえることです。
本記事は親族の方に向けた内容ですが、できればご本人にも読んでいただき、お互いが困らないよう協力し合っていただきたいものです。
執筆者:中村将士
新東綜合開発株式会社代表取締役 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(R)(日本FP協会認定) 宅地建物取引士 公認不動産コンサルティングマスター 上級心理カウンセラー