祖母が20年以上コツコツ貯めた「300万円」のタンス預金。自分ではもう使わないからとくれたのですが、このまま受け取ると税金はかかりますか?

配信日: 2025.03.21

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祖母が20年以上コツコツ貯めた「300万円」のタンス預金。自分ではもう使わないからとくれたのですが、このまま受け取ると税金はかかりますか?
タンス預金は、自宅で行う貯金方法です。周囲にタンス預金を行っている知人がいる方もいるでしょう。なかには、そのお金を今後使わないといった理由でもらうケースもあります。
 
もし、タンス預金を受け取るときは、税金が課される場合もあるので、条件をよく確認しておきましょう。今回は、タンス預金をもらった場合に科される可能性のある税金や、申告しなかったときのペナルティーなどについてご紹介します。
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タンス預金を受け取ったときは贈与税や相続税の課税対象になる可能性がある

タンス預金自体は違法ではありません。源泉徴収が終わっている給料から貯金したり、相続したお金を税金申告および納税を終わらせてから預金をしたりしていた場合は、課税されないでしょう。
 
しかし、課税されないのはあくまでもタンス預金をしていた本人が保有していた場合です。タンス預金を譲られた時点で財産の持ち主は譲られた方に変わってしまうため、贈与税の課税対象になる可能性があるでしょう。
 
なお、亡くなったあとにタンス預金の存在が分かったときは、相続税の課税対象になります。
 
これは、民法第549条で「贈与は、当事者の一方がある財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる。」と定められているためです。
 
相続時点でタンス預金の存在を知らされていなかった場合は、たとえ同じ家に住んでいたとしても贈与とはみなされません。ほかの相続財産と合算して相続税を計算することになります。
 
相続税の場合は、相続財産が合計「3000万円+(法定相続人数×600万円)」を超えていると課税対象です。
 

300万円のタンス預金をもらうと贈与税はいくら課税される?

今回は、以下の条件で贈与されたときの税額を計算します。
 

・祖母が貯めたタンス預金300万円を譲り受けた
・同じ年にほかの贈与はない

 
まず、贈与税は基礎控除(110万円)を差し引いた金額に対して課税されます。今回のケースでは、課税される金額は190万円です。税率は10%のため、税額は19万円が課されます。
 
なお、もし自身が成人しており、1年で贈与された金額が410万円を超えていた場合、お金を譲り受けた相手が直系尊属かそれ以外かで税率が変わるため、計算時には注意が必要です。
 

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申告を放置し続けるとペナルティーの対象になる場合もある

税金の申告が必要な状態で放置を続け、申告・納付期限を過ぎると、本来の納税額に加えて延滞税や加算税が課される可能性があります。
 
延滞税とは、納付期限を過ぎた日数に応じて課される税金です。令和4年1月1日~令和7年12月31日の間で延滞した場合の税率は以下の通りです。
 

・納付期限の翌日から2ヶ月を経過する日まで:年2.4%
・納付期限の翌日から2ヶ月を経過した日以降:年8.7%

 
また、加算税は税金を申告しなかった方に対して、条件に該当していた場合に課されます。個人の滞納に関して、課される可能性のある加算税と条件は以下の通りです。
 

・無申告加算税:期限を過ぎてから申告・納付したとき
・過少申告加算税:期限までに申告した内容に修正申告をしたとき
・重加算税:意図的に無申告や過少申告をするなど悪質な税金の隠ぺい行為があったとき

 
なお、意図せず無申告や過少申告をしてしまった場合で、期限を過ぎてから1ヶ月以内に申告をした場合は、無申告加算税や過少申告加算税は課されない可能性があります。そのため、期限を過ぎてから申告忘れに気づいたときでも、できるだけ早く申告するようにしましょう。
 

タンス預金をまとめてもらったときは忘れずに贈与税の申告をする

タンス預金をすることに違法性はありません。税金申告さえしていれば、自宅でのお金の保管は可能です。しかし、タンス預金を第三者がもらった場合は、財産を無償で受け取ったことになるため、受け取った側に対して贈与税が課される可能性があります。
 
また、タンス預金を相手から直接受け取ったのではなく、本人が亡くなったあとに見つかった場合は、ほかの相続財産と合算して相続税の課税対象になるので、計算時には注意しましょう。
 
もし、課税対象の税金を申告しないまま放置していると、延滞税や加算税を追加で課される場合があるため注意が必要です。
 

出典

デジタル庁 e-Gov法令検索 民法(明治二十九年法律第八十九号)第五百四十九条
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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