父が亡くなり、遺産相続後に家を整理していたら高値が付きそうな「昭和30年代の鉄道時刻表」を発見! 売却したら税金はかかる? そもそも勝手に売却してもいい?

配信日: 2025.04.14

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父が亡くなり、遺産相続後に家を整理していたら高値が付きそうな「昭和30年代の鉄道時刻表」を発見! 売却したら税金はかかる? そもそも勝手に売却してもいい?
家族が亡くなると、遺産相続の話が持ち上がることが少なくありません。遺産を相続すると相続税が発生するケースがありますが、相続の手続きからしばらくして金銭的価値のあるものが見つかるケースもあるでしょう。
 
今回のケースでは高値を期待できる時刻表が見つかったようですが、遺産相続後の遺品の扱いに対して疑問があるようです。
 
本記事では遺品の相続や売却にかかる税金について、また遺品を処分する際の注意点について解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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遺品にかかる税金はケースによって課税枠が異なる

故人の遺品を整理するとき、どのように遺品が処理されるかによって関係する税金が異なります。ここでは、そのまま遺産として相続する場合と、売却する場合とに分けて解説します。
 

そのまま相続する場合は「相続税」

故人の遺品の中に経済的価値がある資産(遺産)があり、それを相続した場合は「相続税」がかかります。具体的には以下のような遺産が該当します。

・現金や預貯金
 
・有価証券
 
・不動産
 
・金銭価値のあるもの(貸付金、特許権、著作権など)
 
・死亡退職金
 
・死亡保険金

ただし、金銭的な価値がありそうなものすべてが相続税の対象になるわけではありません。以下のようなものは対象外です。

・墓地/墓石/仏壇/仏具など
 
・弔慰金や花輪代(常識的な金額の範囲内に限る)
 
・損害賠償金(慰謝料としての賠償金など)

また相続税は誰もが払うとは限りません。相続した財産の額から借金や葬式費用などを差し引いた額が、基礎控除額「3000万円+(600万円×法定相続人数)」を上回るときにかかります。
 

売却する場合は「所得税」

今回のケースのように、遺産相続のプロセスが一通り終わった後に遺品を売却するケースもあるでしょう。
 
一般的に、遺品を売却して譲渡所得が発生した場合は、所得税の対象になります。ただし売却したからといって、必ずしも所得税を支払わなければならないわけではありません。
 
所得税が課税されない譲渡所得もあります。例えば「生活用動産の譲渡による所得」は非課税です。
 
生活用動産とは、通常の生活を送るのに必要な動産を指します。具体的には、家具やじゅう器、通勤用自動車、衣服などがあげられるでしょう。
 
これらの遺品を売却して利益が出ても、所得税を支払う必要はないと考えられます。しかし遺品が高額な場合はその限りではありません。
 
国税庁の説明によると「貴金属や宝石、書画、骨とうなどで、1個または1組の価額が30万円を超えるものの譲渡による所得は除きます」と記載されています。
 
売却するものが高級品であれば、所得税の対象になってしまうかもしれません。ただし譲渡所得については特別控除額として「50万円」が適用され、非課税になるケースもあるでしょう。
 
なお、遺品を一定期間内に譲渡すると「相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」が適用されて所得税を軽減できる場合もあります。
 
譲渡所得は「売却収入-(財産の取得費+売却にかかった費用)」で計算可能ですが、本特例を適用すると相続税額が「財産の取得費」に加算でき、課税対象額を目減りさせられるようです。自身のケースで特例が適用可能かどうかは、専門家に聞くといいでしょう。
 

相続が決まっていない遺品については注意が必要

今回のケースでは「昭和30年代の鉄道時刻表」の売却を検討しているようですが、時刻表がどれほどの金銭的価値を持つか、あるいは生活用動産にあたるのかどうか一概に判断はできません。
 
そのため売却する前に、弁護士や税理士など法律や税金の専門家に相談する方がいいと思われます。
 
別の点として、何か売却したいと思う遺品が見つかっても、もしその遺品が相続済みでないのなら、勝手に売却することは控えましょう。
 
ほかの相続人がいるにもかかわらず、同意なしに勝手に遺品を形見分けすることはできません。遺産分割について関係者の間で話し合って決めるようにしましょう。
 
勝手に売却して利益を自分の懐に入れるようなことがあれば、後になって家族間でのトラブルが起きないとも限りません。
 

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遺品売却には所得税が発生することがあり慎重さも必要

遺品を売却すると、譲渡所得が発生して所得税の課税対象になるケースがあります。ただし非課税対象の物品や特別控除額についての規定もあります。判断に迷う場合は、専門家に相談しながら処理するといいでしょう。
 
ただし相続が済んでいない遺品については、勝手に処分しないようにしましょう。ほかの相続人など関係する人との話し合いを持つ必要があります。
 

出典

国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)No.3105 譲渡所得の対象となる資産と課税方法
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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