実家に1人で住んでいた母が亡くなりました。管理ができず「空き家」になるので売却を検討しています。税金が安くなる場合があると聞いたのですが本当ですか?

配信日: 2025.05.23 更新日: 2025.07.02
この記事は約 3 分で読めます。
実家に1人で住んでいた母が亡くなりました。管理ができず「空き家」になるので売却を検討しています。税金が安くなる場合があると聞いたのですが本当ですか?
親が亡くなり、実家が空き家になってしまったというケースは少なくありません。誰も住む予定がなく、管理が難しい場合には、売却を検討する方も多いでしょう。
 
ただし、売却によって利益が出ると税金がかかることがあり、その負担を心配される方もいるかと思います。
 
実は、相続した空き家を売却する場合、一定の条件を満たすことで「3000万円の特別控除」が受けられる特例があります。この制度を利用すれば、税金の負担を大きく軽減できる可能性があります。
 
本記事では、空き家の売却時に使える特例の概要、適用条件、手続きの流れなどをわかりやすく解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

【PR】株式会社アートネイチャー

おすすめポイント

・自毛になじむ自然な仕上がり
・気になる部分だけのピンポイント対応OK
初めてでも安心のカウンセリング体制

実家を売却する際に税金が安くなる特例とは?

相続によって取得した空き家を、平成28年4月1日から令和9年12月31日までの間に売却する際、「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例」が適用されることがあります。
 
この制度を利用すると、売却益から最大3000万円まで(※1)控除され、所得税や住民税の負担を大きく抑えることができます。
 
例えば、売却益が2800万円だった場合、この制度を使えば譲渡所得税がかからないこともあります。空き家をそのまま放置すると管理費や固定資産税が発生するだけでなく、倒壊や火災などのリスクもあるため、早期の売却と特例の活用は非常に有効な手段です。
 
※1:令和6年1月1日以降、相続人が3人以上いる場合は2000万円まで。
 

特例の適用条件と注意点

この特例を適用するためには、以下の条件をすべて満たす必要があります:

●相続または遺贈により取得した家屋であること。
●被相続人が1人で居住していた家屋であること(老人ホームに入居していたなどの例外もあります)。
●昭和56年5月31日以前に建築された戸建てであること(区分所有建物は対象外)。
●相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却すること。
●売却価格が1億円以下であること。
●売却時もしくは売却後の翌年2月15日までに耐震リフォームを行うか、家屋を取り壊していること。

また、相続後に誰かが住んだ場合や賃貸に出していた場合は、特例の対象外になるため注意が必要です。
 

【PR】株式会社アートネイチャー

おすすめポイント

・自毛になじむ自然な仕上がり
・気になる部分だけのピンポイント対応OK
初めてでも安心のカウンセリング体制

特例適用に必要な書類と手続きの流れ

この特例を使うには、確定申告での申請が必須です。売却した翌年の2月16日から3月15日の間に、次のような書類をそろえて提出する必要があります。

●譲渡所得の内訳書
●売却不動産の登記事項証明書
●被相続人居住用家屋等確認書(市区町村が発行)
●耐震基準適合証明書または取り壊しに関する証明書
●売買契約書の写し

市区町村によっては書類発行までに時間がかかることもあるため、余裕をもって準備を進めることが大切です。また、適用の可否について不安がある場合は、税理士に相談すると安心です。
 

まとめ:制度を活用して空き家売却の負担を減らそう

親の死後、空き家となった実家をそのまま放置すると、管理の手間や税金の負担が続くことになります。
 
しかし、条件を満たせば「空き家の譲渡所得特別控除」を使って、税負担を大きく軽減できる可能性があります。制度をうまく活用するためには、売却のタイミングや家屋の状況、申請書類などを事前にしっかりと確認しておくことが重要です。
 
不明点があれば、早めに専門家へ相談し、スムーズな売却と節税を目指しましょう。
 

出典

国税庁 No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

  • line
  • hatebu
【PR】 SP_LAND_02
FF_お金にまつわる悩み・疑問