兄が勝手に親の遺産「3000万円」をすべて相続していたことが判明! 「長男の自分に権利がある」と言っていますが、「遺産分割協議」を行っていない相続は“無効”ですよね!?

配信日: 2025.08.25
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兄が勝手に親の遺産「3000万円」をすべて相続していたことが判明! 「長男の自分に権利がある」と言っていますが、「遺産分割協議」を行っていない相続は“無効”ですよね!?
遺産相続の際、親族間でもトラブルに発展することは少なくありません。今回の事例のように、兄が親の遺産「3000万円」を勝手にすべて相続してしまったなど、相続人のうち1人が勝手に手続きを進めてしまった場合は、なおさらです。
 
本記事では、遺産相続に関する概要と勝手に遺産相続の手続きをされてしまった場合の対処法について解説します。
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そもそも「遺産相続」とは?

遺産相続とは、故人の財産や権利・義務を残された家族が引き継ぐことです。相続には大きく分けて、法定相続と遺言相続があります。法定相続は、民法によって定められた相続人の範囲・順位、それぞれの相続分に従って相続する方法です。法定相続人は、故人の配偶者と、子どもや両親・兄弟姉妹などの血縁関係にある人になります。
 
遺言相続は、故人が生前に作った遺言書に基づいて、遺産を分配する方法です。民法上は相続人に含まれない人にも遺産を分配することができます。
 
相続が発生した際には、法定相続人は「承認」か「放棄」を選択できます。相続放棄をした場合は、相続権がなくなり相続人にはなれません。
 
ただし、遺言書がある場合は、遺言書の内容が優先されます。遺言書がない上、法定相続人が複数存在する場合は、遺産分割協議が必要です。遺産分割協議とは、故人の相続人全員で話し合い、遺産の分け方を決める手続きを指します。
 

「勝手に手続きされた」相続は無効になると考えられる

遺産分割協議は原則、相続人全員で遺産の分割方法を決めなければなりません。遺産分割協議で決定した内容を遺産分割協議書にまとめて、全員の戸籍謄本や印鑑証明書などを添付します。
 
ここまでの手続きを経て、ようやく相続登記・預貯金の払い戻しなどの手続きが可能になります。よって、相続人全員の同意なく、勝手に1人の相続人が手続きを行った場合は無効になると考えられます。そのため、以下のような事例の場合は遺産を取り戻すことができるかもしれません。
 

1.同意なく、相続財産に該当する預貯金を引き出された
2.同意なく、相続手続きをされた
3.同意なく、相続放棄の手続きをされた

 

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「勝手に手続きされた」場合の対処法

勝手に遺産相続の手続きをされてしまった場合には、どのように対処すればよいのでしょうか。ここでは、3つの対処法をご紹介します。
 
1.遺産分割協議のやり直し
遺産分割協議のやり直しは、相続人全員で行う必要があります。やり直しに応じない相続人が存在する場合は、家庭裁判所で遺産分割調停を行うことも検討しましょう。調停でも解決ができない場合は、遺産分割審判を受けることになります。
 
2.銀行口座を凍結する
すみやかに口座の凍結を行いましょう。口座の取引明細書をみて、引き出しの有無や残金を確認します。勝手に預貯金が引き出されていた場合には、証拠をそろえて、引き出した相手と話し合いをします。
 
引き出した相手から返金してもらった後に、改めて遺産分割を行うのがベストですが、返金できない場合には、引き出した金額を差し引いて遺産分割を行いましょう。
 
3.弁護士などに相談する
話し合いで解決できるなら、それに越したことはありません。しかし、相手に明確な悪意があったり、書類の偽装などの行為がみられたりする場合は弁護士などに相談して判断を仰ぎましょう。
 

まとめ

遺産相続は、遺言書がなく、法定相続人が複数存在する場合、相続人全員で遺産分割協議を行う必要があります。相続人全員の同意なく、遺産相続の手続きを相続人のうち1人が勝手に進めた場合は無効になると考えられます。
 
万が一、相続手続きを同意なく進められてしまった場合は証拠をそろえ、遺産分割協議のやり直しを求めましょう。思うように進まない場合には、弁護士など専門家への相談をおすすめします。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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