独身の兄が遺言なしで他界…証券口座にある投資資産は“誰のもの”になる?

配信日: 2025.10.22
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独身の兄が遺言なしで他界…証券口座にある投資資産は“誰のもの”になる?
兄が独身のまま、しかも遺言書がない状態で亡くなったとき、残された証券口座や投資信託はどう扱われるのでしょうか?
 
金融機関の口座は相続人であってもすぐに動かせません。本記事では、遺言がない独身者の投資資産がどう相続されるのかをわかりやすく解説します。
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遺言がない場合、誰が相続人になる?

独身で子どもがいない人が遺言をせずに亡くなった場合、民法で定められた「法定相続人」が遺産を受け取ります。その優先順位は次の通りです。
 

1.両親(直系尊属)
2.兄弟姉妹

 
つまり、両親が健在なら両親が相続人となります。両親がすでに他界している場合は、兄弟姉妹が法定相続人になります。兄弟姉妹のうち亡くなっている人がいる場合は、その人の子(おい・めい)が代わりに相続します。

 

証券会社の投資口座はどうなる? 凍結から名義変更までの流れ

被相続人(亡くなった人)が取引していた証券口座は、死亡が確認されると口座が凍結されます。凍結後は、株式や投資信託を売却したり、現金を引き出したりすることはできません。
 
主な手続きの流れは以下の通りです。
 
1.証券会社への連絡と必要書類の提出
 死亡届、死亡証明書または戸籍謄本を提出します。
 
2.相続人の確認
 戸籍謄本などから法定相続人を確定します。
 
3.遺産分割協議書の作成・提出
 どの資産を誰が引き継ぐかを、相続人全員の合意で決定します。署名・押印が必要です。
 
4.名義変更または換金手続き
 証券会社の審査が完了すると、各相続人の口座へ移管、もしくは売却・振り込みが行われます。
 
※証券会社によっては「相続専用ダイヤル」や「相続手続きキット」を用意している場合もあります。

 

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相続税の注意点 ― 兄弟姉妹は税率が高い

証券会社にある株式や投資信託などの金融資産は、死亡時点の時価で評価されます。その総額から「基礎控除額(3000万円+600万円×法定相続人の数)」を差し引いた残りが、相続税の課税対象です。
 
ただし注意が必要なのは、兄弟姉妹が相続する場合の税率が高いという点です。配偶者や子どもに比べて控除が少なく、相続税の負担が重くなるケースもあります。思いがけない税額になることもあるため、早めに税理士へ相談するのが安心です。

 

「資産の存在が分からない」トラブルも多い

独身の方の場合、家族が資産の存在を知らずに放置されるケースが少なくありません。特に、ネット証券や複数の口座を持っている場合は、家族が証券会社を特定できないことがよくあります。
 
最近ではマイナンバー制度によって資産の追跡がしやすくなりましたが、依然として完全ではありません。そのため、生前のうちに次のような情報をまとめておくことが大切です。
 

・証券会社名・口座番号
・投資内容(株式・投信など)
・銀行口座の一覧
・税理士・担当者の連絡先

 
これらを「エンディングノート」やメモに残しておくと、遺族がスムーズに手続きできます。

 

生前の準備が、家族の負担を減らす

遺言書がない独身者の遺産は、法律に基づいて兄弟姉妹が相続します。証券会社の口座は自動的に凍結され、相続人全員の同意がなければ動かせません。時間と手間のかかる手続きになるため、「どんな資産をどこに預けているのか」を生前から整理しておくことが、家族のためにもなります。

 

出典

金融庁 No.4132 相続人の範囲と法定相続分
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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