生活保護を受けていた父が亡くなり、「未精算の医療費80万円」が判明しました。相続放棄すれば、子どもが支払う必要はありませんか?

配信日: 2026.02.23
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生活保護を受けていた父が亡くなり、「未精算の医療費80万円」が判明しました。相続放棄すれば、子どもが支払う必要はありませんか?
生活保護を受けていたはずの親の医療費が病院などから請求されるという事例が、時折あるようです。果たしてそんなことはあり得るのでしょうか。また、支払う必要はあるのでしょうか。
 
そんな不測の事態に陥っている方に向け、親の未精算となっている医療費が80万円あるという事例をもとに、例外や落とし穴も含め解説します。
柘植輝

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

生活保護なのに未払いが起きる理由

通常、生活保護を受けている人に医療費の未精算が起きることは考えづらいです。それも80万円もの大きな額であればなおさらです。
 
なぜなら、生活保護には医療扶助という制度が存在しているからです。医療扶助は原則、通常の国民健康保険の適用によって受けられる医療を無償で受けられる制度です。とはいえ、そこにも例外があります。その例外として予想されるものが2つあります。
 
1つは、生活保護の申請前の医療費です。つまるところ、生活保護の申請前から医療費の未納が続いており、その支払いが今までされていなかった可能性があるということです。
 
もう1つは、いわゆる自由診療に属する医療費です。例えば、美容整形や入院時の差額ベッド代などです。
 
ただ、どちらのケースでも80万円もの未払いが溜まるようなことは通常考えづらいです。一度、請求元の内容を確認することをおすすめします。
 

相続放棄すれば払う必要はない

多くの方がご存じかと思いますが、相続においては現金や株といったプラスの財産だけでなく、借金などのマイナスの財産も対象となります。そのため、未払いの医療費も相続人が相続することになります。
 
これが原則論です。しかし、相続放棄をすることによって、プラスの財産もマイナスの財産もすべて放棄することができます。基本的に生活保護受給者であれば、相続財産といえるような資産は持っていないことになるため、相続放棄してしまうのがよいでしょう。
 
ただし、一定の条件下では家や車などを保有していることがあり、そういった財産を継承したいのであれば、相続した方がいい場合もあるため注意が必要です。
 

一部でも支払っていたり相続手続きをしていると相続放棄できないことも

相続放棄をすれば、80万円でも100万円でも、親の未払い医療費の支払いを免れることができます。しかし、未払いの医療費について、すでに1円でも支払ってしまった場合は、その後相続放棄はできなくなってしまいます。これは1円でも支払うことで債務を認めたということになるからです。
 
また、相続においてプラスの財産、例えば預金などを引き出したりしたような場合も同様です。これは相続を認めて相続財産を処分したこととみなされるからです。加えて、相続放棄は、自身が相続人となる相続の開始を知ってから原則3ヶ月以内に手続きしなければなりません。
 

まとめ

未精算の医療費が生活保護受給者において生じることは基本的にはありません。しかし、一定の場合には起こりえます。そのため、まずはその未払いの医療費が本当に存在するのか確認してください。
 
そして、そのうえで相続放棄をするのであれば、家庭裁判所で速やかに手続きをするようにしてください。もし、相続放棄を検討しているのであれば、間違っても焦って相続財産を処分したり、未払いの医療費を1円でも支払ったりしないようにしましょう。
 

出典

神奈川県 生活保護ってどんな制度
 
執筆者 : 柘植輝
行政書士

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