友人は「親の遺産2000万円」相続したのに、自分は「300万円」で“格差”を感じました…世の中そんなに「お金持ち」が多いのでしょうか? 相続額の平均・貯蓄額を確認

配信日: 2026.02.24
この記事は約 4 分で読めます。
友人は「親の遺産2000万円」相続したのに、自分は「300万円」で“格差”を感じました…世の中そんなに「お金持ち」が多いのでしょうか? 相続額の平均・貯蓄額を確認
親が亡くなり、遺産を相続するときに気になるのが「ほかの人はどのくらい相続しているのか」ではないでしょうか。友人が「2000万円相続した」と聞くと、「300万円」だった自分は少ないのではと感じるかもしれません。
 
本記事では、遺産相続の平均額や中央値、そして親世代の貯蓄額の実態などを解説します。
上野梓

FP2級、日商簿記3級、アロマテラピー検定2級、夫婦カウンセラー、上級心理カウンセラー、整理収納アドバイザー

遺産相続の平均額はいくら?「300万円」は少ない?

MUFG資産形成研究所が2020年に実施した「退職前後世代が経験した資産承継に関する実態調査」によると、相続人が親から相続した財産額の平均は3273万円、中央値は1600万円でした。
 
また、亡くなった親の遺産総額は平均が6140万円、中央値が3450万円となっています。ただし、この調査は各都道府県の家計資産額以上の保有者が対象となっており、一般的な平均よりも高めに出ている可能性がある点に注意が必要です。
 
一方、鎌倉新書が運営する相続情報サイト「いい相続」が2025年に実施した「第3回 相続手続きに関する実態調査」では、相続財産の全国平均は2660万円で、最も多い金額帯は「1000万円未満」という結果になっています。
 
これらの調査を踏まえると、相続財産の平均はおおむね2000万~3000万円程度と考えられますが、実際には全体の半数以上が2000万円未満の相続にとどまっているようです。「300万円」の相続が極端に少ないというわけではなく、一部の高額相続人が平均値を大きく引き上げているのが実態といえるでしょう。
 

友人の「2000万円」は多い? 相続税がかかるのはどのくらいの人?

友人の「2000万円」という相続額は、前記のMUFG資産形成研究所調査での中央値(1600万円)を上回っており、平均的な水準よりは多いといえます。ただし、相続人が1人だけの場合ときょうだいが複数いる場合では、1人あたりの受取額は変わってきます。
 
なお、相続税には「基礎控除額」という非課税枠があり、「3000万円+600万円×法定相続人の人数」で計算されます。相続人が1人なら基礎控除は3600万円、2人なら4200万円となるため、「2000万円」の相続だけであれば相続税はかからない計算になります。
 
実際、国税庁の「令和5年分 相続税の申告事績の概要」によると、相続税が課税されたのは死亡者全体の9.9%にとどまっています。つまり、約90%の人は相続税を支払う必要がなかったことになります。なお、相続税が課税された被相続人1人あたりの課税価格は約1億3891万円と、前期の一般的な相続額とは大きくかけ離れた水準です。
 

親世代の貯蓄額はどのくらい?「お金持ち」は多くない

「友人が2000万円も相続しているのに、自分は300万円だけ」と感じると、世の中にはお金持ちが多いのではと思うかもしれません。しかし、親世代の貯蓄額の実態を見てみると、必ずしも「お金持ちが多い」とは言えないことが分かります。
 
金融経済教育推進機構(J-FLEC)の「家計の金融行動に関する世論調査(2024年)」によると、2人以上世帯の70歳代の金融資産保有額は平均が1923万円、中央値が800万円となっています(金融資産を保有していない世帯を含む)。平均値は一部の富裕層に引き上げられており、実態をより反映しているのは中央値の800万円です。
 
さらに、この調査では70歳代の2人以上世帯のうち20.8%が金融資産を保有していないという結果も出ています。親世代が必ずしも多くの金融資産を持っているとは限らず、相続額には大きな個人差があることが分かります。
 
なお、金融資産は預貯金や有価証券などの合計であり、不動産は含まれていません。相続財産では不動産が大きな割合を占めることが多いため、金融資産だけで相続額のすべてを判断することはできません。
 

まとめ

遺産相続の平均額はおおむね2000万~3000万円程度とされていますが、実際には相続財産が1000万円未満という人が最も多く、「300万円」という金額が極端に少ないわけではありません。
 
一方、友人の「2000万円」という相続額は中央値を上回っており、平均よりは恵まれているといえるでしょう。相続税が課税されたのは死亡者全体の約1割であり、ほとんどの家庭では相続税の心配をする必要はないと考えられます。
 
相続額は不動産の有無や価格、相続人の数、地域によって大きく変わります。他人の相続額と単純に比較するよりも、自分の家庭の状況に合った相続対策を検討することが大切でしょう。
 

出典

国税庁 No.4102 相続税がかかる場合
国税庁 令和5年分 相続税の申告事績の概要
金融経済教育推進機構(J-FLEC) 家計の金融行動に関する世論調査2024年
 
執筆者 : 上野梓
FP2級、日商簿記3級、アロマテラピー検定2級、夫婦カウンセラー、上級心理カウンセラー、整理収納アドバイザー

  • line
  • hatebu
【PR】 SP_LAND_02
【PR】
FF_お金にまつわる悩み・疑問