実家の“不便な旗竿地”をお隣に「30万円」で売ったら、税務署から「贈与税支払い」の通知が!? 実質“価値ゼロ”の土地なのに、低額譲渡になるんですか?「売れない土地」処分時の注意点とは

配信日: 2026.02.25
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実家の“不便な旗竿地”をお隣に「30万円」で売ったら、税務署から「贈与税支払い」の通知が!? 実質“価値ゼロ”の土地なのに、低額譲渡になるんですか?「売れない土地」処分時の注意点とは
地元から離れた場所に生活拠点を置いている場合、親が亡くなったあとの土地を売却したいと考える人も多いのかもしれません。しかし、土地の利便性や形状によっては、なかなか買い手が見つからないこともあります。
 
売れない土地でも固定資産時や土地の維持費がかかるため、タダ同然の値段でもいいから処分したいと考える人もいるかもしれません。そんなとき低価格なら引き取ってもいいと隣に住む人が申し出てくれれば、ありがたいと思うのではないでしょうか。
 
しかし、このような土地の売買では、「低額譲渡」にあたると税務署から贈与税の支払いを求められることがあるのです。本記事では、「低額譲渡」とはなんなのか、不要な土地を処分するための注意点について解説していきます。
渡辺あい

ファイナンシャルプランナー2級

低額譲渡とは何か

「低額譲渡」とは、時価よりも著しく低い価格で財産を売買することです。相続税法によると、本来価値がある土地なのに、その相場よりもかなり低い価額で財産の譲渡を受けた場合、その差額は贈与とみなされ、譲渡者に贈与税が課されることになります。
 
つまり、形式上は「売買」でも、実質的には「一部をタダでもらった」と判断されてしまうのです。例えば、本来500万円の土地を10万円で売った場合、差額の490万円は「もらった」と扱われ、「贈与された」490万円をもとに贈与税が計算されることになります。
 
贈与税は、「個人から財産をもらったとき」にかかる税金です。ただし、すべての贈与に対して贈与税がかかるのではなく、年間110万円までは基礎控除で非課税となります。そのため、売買した価格と実際の価値の差額が110万円以内であれば、原則として贈与税はかかりません。
 

低額譲渡をすると、税金はいくらかかる?

もし土地の売買が「低額譲渡」とみなされてしまうと、贈与税はいくらかかるのでしょうか。
 
例えば、時価300万円の土地を、隣人に30万円で売却したとすると、差額は270万円です。この270万円が「みなし贈与」となり、基礎控除110万円を差し引くと、課税対象は160万円です。個人間の一般贈与の場合、200万円以下の部分の税率は10%なので、約16万円の贈与税が発生する可能性があります。
 
つまり、隣人にとっては30万円で土地を買ったつもりが、税金を含めると実際は50万円近い負担になるのです。
 

低額譲渡を避けるための対策

売買後に「低額譲渡である」と言われないように、まずは土地の時価を明確にしておきましょう。所有者としては「狭い」「旗竿土地」など使いにくく、実質的に「価値ゼロ」の土地であっても、「固定資産税評価額」では、資産として価値のあるものだと判断されることがあります。
 
そのため、個人で価値を勝手に判断するのではなく、不動産会社の査定を取り、路線価や固定資産税評価額を確認したうえで、極端に安い金額設定を避けるようにしましょう。
 
また、やむを得ず安く売る場合は、その理由を契約書などに明記しておくことも有効といえます。例えば、接道条件が悪い旗竿地で単独利用が難しい場合など、合理的な理由があれば、必ずしも「著しく低い」とは判断されない可能性があります。
 

極端に安い価格の売買に注意! 迷ったら専門家に依頼を

売れにくい土地を隣人が買い取ってくれることになれば、たとえ低価格でもうれしいと思うでしょう。しかし、評価額より著しく安い価格で売ると、「低額譲渡」として隣人に贈与税が課される可能性があります。
 
事前に時価をしっかりと確認しておけば、ある意味では助けてくれた隣人に、思いがけない税金の支払い負担をかけるのを避けることができます。
 
土地の処分を考えるときは、価格だけでなく税務面も含めて検討し、自分の場合はどうかを考えることが大切です。また、土地の価格や税金の支払いで困ったときは、不動産業者や税理士などのプロに依頼することも視野に入れましょう。
 

出典

e-Gov法令検索 相続税法
国税庁 No.4402 贈与税がかかる場合
国税庁 No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
 
執筆者 : 渡辺あい
ファイナンシャルプランナー2級

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