子どもに“いくら残すか”で夫婦バトル! 夫「全部使い切る」妻「ある程度は残したい」…。どうするのが正解? 生前贈与の最新ルールを基に解説

配信日: 2026.02.28
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子どもに“いくら残すか”で夫婦バトル! 夫「全部使い切る」妻「ある程度は残したい」…。どうするのが正解? 生前贈与の最新ルールを基に解説
老後資金をどこまで取り崩すか、子どもにどの程度資産を残すかは、夫婦間でも意見が分かれやすいテーマです。
 
「使い切る」という考え方にも、「一定額は残す」という考え方にもそれぞれ根拠がありますが、判断にあたっては税制や生前贈与のルールなども考慮に入れておきたいところです。
 
本記事では、最新の生前贈与の制度を整理しながら、老後資金と子どもへの資産承継のバランスについて考えます。
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子どもにいくら残すかを考える前に、最低限必要な老後資金を確認

老後の資金計画を考えずに「全部使い切る」と決めてしまうのはリスクがあります。人生100年時代とも言われる昨今、健康寿命や介護費用、予期せぬ出費に備える必要があります。まずは老後に必要な資金の目安と、「残す・使う」の判断ポイントを整理しましょう。
 
1つ目の判断基準は最低限の生活費です。総務省統計局「家計調査報告[家計収支編]2024年(令和6年)平均結果の概要」によれば、65歳以上の夫婦のみの高齢無職世帯における平均消費支出は月約26万円となっています。生活費だけで年間300万円以上必要という計算です。年数を掛け合わせると大きな額になります。
 
2つ目は医療・介護費用への備えです。医療費や介護費用は予想が難しく、急な出費になりがちです。保険や貯蓄で一定額を確保しておくことが安心につながります。
 
子どもに財産を残す目的がある場合、税制や相続負担を踏まえて計画的に贈与を検討することが重要です。贈与や相続では、税金の負担が生じる可能性があるため、慌てて判断するのではなく、制度を理解したうえで配分を考える必要があります。
 
「全部使う」か「残す」かは価値観の問題だけではなく、老後の生活安全性や税金負担などを総合的に考えて判断することが賢明です。
 

令和5年度の改正で何が変わった? 生前贈与は「3年→7年持ち戻し」に延長

相続税・贈与税に関する制度が令和5年度の改正以降、大きく見直されました。とくに生前贈与と相続税の関係においては、従来「相続開始前3年以内に行われた贈与」が相続財産に加算されるというルールでしたが、改正により加算される期間が最大7年まで延長されています。これは制度改正の重要ポイントです。
 
これにより、亡くなる直前に一時的に大きな贈与をして、相続税を軽減するような手法は通用しにくくなりました。持ち戻し期間が長くなることで、生前贈与が相続税の節税に直結しにくくなっている側面があります。
 
国税庁によると、令和6年1月1日以降の暦年課税に係る贈与により取得した財産については、相続開始日により加算期間が段階的に延長され、令和13年に「相続開始前7年以内」に完全移行するスケジュールとなっています。
 
また、延長された4年間に贈与した場合でも、贈与財産の価額のうち総額100万円は加算対象外という特例的な取り扱いもあり、全ての贈与が不利になるわけではありません。
 

まとめ

老後に「全部使う」か「ある程度残す」かは、制度を理解したうえで計画的に判断することが重要です。まずは老後資金として最低限必要な生活費や医療費などを確保し、そのうえで贈与税や相続税の制度を活用した計画を立てるのが基本です。
 
最終的には、夫婦でお金や価値観、制度について冷静に話し合い、互いの理解を深めましょう。
 

出典

総務省統計局 家計調査報告[家計収支編]2024年(令和6年)平均結果の概要 II 総世帯及び単身世帯の家計収支<参考4>65歳以上の無職世帯の家計収支(二人以上の世帯・単身世帯) 図1 65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)の家計収支 -2024年-(18ページ)
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.4161 贈与財産の加算と税額控除(暦年課税)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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