タダで「親名義のマンション」に暮らす兄夫婦…自分は“年収500万円”で「家賃10万円」も払ってるのに、不公平ですよね? 生前贈与扱いで税金とか“払わなくていい”んでしょうか?
本記事では不動産の名義変更や、以前までは活用されていた「タワマン節税」についても解説します。
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「親名義のマンション」に“無償”で住んでも贈与税はかからない
相続税法第9条では「みなし贈与」について規定されています。
これは「対価を支払わないで、またはごく少額で利益を得た場合、その利益に相当する金額が贈与された」とする考え方です。これにのっとると、「本来払うべき家賃や住宅ローンを払わずに済んでいる状態」は、「それ相当の利益が親から贈与されている」と考えることができそうです。
しかし、一般的に掲題のようなケースは、通常の生活費の範囲であれば課税対象とならないとされています。「親子間は互いに助け合う」という「扶養義務」の範囲内に該当するためです。
相続税法第21条の3-第1項第2号において、扶養義務者相互間の贈与によって取得した財産のうち「通常必要と認められるもの」については、通常の生活の範囲内であるとみなされ、非課税になると定めています。
なお、この「通常必要と認められるもの」は、同法の基本通達にて「被扶養者の需要と扶養者の資力その他一切の事情を勘案して社会通念上適当と認められる範囲の財産」と規定されています。
親が生きている間に「名義変更」するのも1つの選択
親名義の不動産をそのままにしておくと、相続の際、遺産分割協議などで相続人同士のトラブルを招く可能性が考えられます。そのため、親が生きている間に名義変更を行うのも1つの選択肢になるでしょう。
こうした生前贈与は、当事者が亡くなったのちに遺産相続を行うケースよりも「当事者の意思を反映しやすい」ため、手続きは柔軟に進められるメリットが挙げられます。
ただし、不動産のような高額の資産を一括で贈与すると、不動産取得税をはじめとする税負担が増えることもあります。贈与する金額や時期については、慎重に判断しましょう。
掲題の人のように年収の2割超にあたる家賃を負担しているような場合、兄が無償で親名義のマンションに住んでいる事実に不満を覚えても不思議ではないでしょう。兄弟間の公平性を確保する意味でも、親の生前に不動産の扱いを決めておくことが大切です。
2024年の税制改正より「タワマン節税」は通用しなくなりつつある
相続税対策として、「タワマン節税」と呼ばれるものがありました。これは、「額面通りの評価額となる現金や預貯金と異なり、不動産は一般的に時価よりも低い評価になる」という評価方法を活用した節税手法です。
現金で不動産を購入し、その金額と同等の資産を保有しながらも、課税対象額の軽減を図ることを目的としています。特に1棟あたりの戸数が多いタワーマンションは1戸の評価額が下がりやすい傾向にあったため、効果的な節税対策として機能していました。
しかし、2024年の制度改正において、分譲マンションなどに対する評価方法が改められ、不動産の評価水準が時価の6割を下回らないように補正することが決まりました。
それまで節税効果が高かった物件も、評価額に制限を設けられたため、「タワマン節税」の効果は限定的になってきているといえるでしょう。
まとめ
親名義のマンションに兄夫婦が暮らすのは「扶養義務」の範囲内に該当し、通常の生活費の範囲内であれば課税対象にならないとされています。しかし、そのまま親名義にしておくのは、相続時の「遺産分割協議」などでトラブルになる可能性があります。
兄弟間の公平性を確保する意味でも、親の生前に不動産の扱いを決めておくことが大切と言えるでしょう。
出典
e-Gov法令検索 相続税法
国税庁 第21条の2《贈与税の課税価格》関係
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
