父の財産「4000万円」を兄と2人で相続すると非課税? 相続税が課される条件は何?
今回は、相続の発生で課税される割合や相続税の課税条件、法定相続人数の数え方、複数人で相続するときのポイントなどについてご紹介します。
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
相続の発生で課税される割合はどれくらい?
国税庁の「令和6年分相続税の申告事績の概要」によると、令和6年分の被相続人数(死亡者数)が160万5378人なのに対し、相続税の申告書の提出が必要となった被相続人数は16万6730人でした。つまり、相続が発生した際、その相続に対して課税されたのは全体の10.4%です。
また、相続税の納税者となる相続人数は、36万1260人でした。被相続人数に対して、課税された人数が少ないことからも、相続税の課税対象者となる人はあまり多くないことが分かります。
相続税が課税される条件
相続税が課税される場合、以下の手順で計算します。
(1)遺産と相続時精算課税制度の適用を受けた金額を合計する
(2)(1)の金額から葬式費用や債務、非課税財産を差し引く
(3)(2)の金額に相続の対象となる相続開始前の一定期間内の贈与を足す
(4)(3)から基礎控除を差し引き、課税遺産総額を求める
(5)課税遺産総額を法定相続分通りに法定相続人が相続したとして金額を分ける
(6)各法定相続人の相続税額を求めたあと、税額を合計する
(7)実際に相続した割合で相続税を分け直す
(8)適用される控除や加算があれば適用する
計算手順からも分かるように、相続税がかかるのは、基礎控除を相続した遺産額が超えたときです。相続税の基礎控除は「3000万円+600万円×法定相続人数」で決まります。そのため、法定相続人数が多いほど、基礎控除額も大きくなり、遺産の金額によっては課税されなくなるでしょう。
法定相続人数の数え方
まず、亡くなった方の配偶者は、ほかの法定相続人の有無にかかわらず常に相続人です。国税庁によると、配偶者以外の法定相続人は、以下の順位で配偶者とともに法定相続人となります。
1位:本人の子ども
2位:本人の直系尊属(両親や祖父母など)
3位:本人の兄弟姉妹
例えば、父親が亡くなり、長男と次男で相続する場合、法定相続人は2人です。このとき、基礎控除額は4200万円になります。そのため、「正味の遺産額」が4200万円以下であれば、課税されません。
複数人で相続するときのポイント
相続には法定相続分が決められています。しかし、法定相続分通りに分けなくても問題はありません。遺産分割協議で、全ての相続人が合意しているのであれば、法定相続分通りでない分け方も可能です。
例えば、相続人が兄弟2人だけの場合、遺産総額4000万円のうち500万円の現金と2000万円相当の自宅を兄が相続し、1500万円の現金を弟が相続するといった形も、兄弟双方が合意していれば行うことができます。
もし遺産分割協議で話がまとまらない場合は、家庭裁判所の手続きなども視野に入れつつ、法定相続分をひとつの目安として考えるとよいでしょう。相続人が子ども2人のみの場合の法定相続分は、子どもがそれぞれ2分の1ずつです。
基礎控除額が多いと相続税が課税されない場合がある
国税庁の資料からも分かるように、被相続人の人数に対し、相続税が課税されたのは10.4%でした。つまり、相続が発生した場合、課税される人はあまり多くないといえます。
特に、相続税の基礎控除は法定相続人数が多いほど増えるため、多額の遺産があっても兄弟がいれば金額によっては課税されない可能性があります。
なお、相続する際、遺産の分割は法定相続分通りでなくても可能です。遺産分割協議で話し合って決めたのであれば、兄弟のどちらかが多いという分け方もできます。ただし、計算手順からも分かるように、相続する金額が多いと、課税された場合に負担する税額も多くなる点は理解しておきましょう。
出典
国税庁 令和6年分相続税の申告事績の概要 I 令和6年分における相続税の申告事績の概要 相続税の申告事績(1ページ)
国税庁 パンフレット「暮らしの税情報」(令和7年度版) 財産を相続したとき
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.4132 相続人の範囲と法定相続分
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー