「年金生活が厳しい」と言う母親に「月10万円」を渡しています。生活費も贈与税の課税対象になりますか?
しかし、生活費の仕送りであっても、受け取った親の使い方によっては課税される可能性があります。
今回は、生活費のためとして渡したお金が課税されるケースや贈与税の計算方法、金銭支援をするときのポイントなどについてご紹介します。
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生活費のためなら課税されない?
生活費のために渡したお金が非課税になるかは、そのお金が実際に何に使われたかで扱いが変わります。
国税庁によると、生活費のために使用したお金が非課税となるのは、夫婦や親子、兄弟姉妹などの扶養義務者から生活費や教育費のために受け取った財産かつ、通常必要と認められるもののためです。
必要と認められる生活費とは、医療費や養育費などを含む日常生活において必要な費用のうち、必要なタイミングで必要な金額を直接使用したものです。
例えば、年金生活をしている母親が年金だけでは生活できない、といったときに、必要な金額を支援して生活費に回すのであれば非課税になるでしょう。
一方、母親に医療費や生活費として渡していても、そのお金を貯金に回してしまうと非課税にはなりません。
また、株の購入などに使用した場合も生活費とはみなされないため、一定金額を超えていると課税されるでしょう。
贈与税の計算方法
贈与税は、基礎控除である年間110万円を超える金額を受け取っている場合、受け取った側に対して課税される税金です。
親に課税されているか調べる場合、自分が渡した金額だけでなく、その年にほかの贈与を受け取っていないかを確認しましょう。
また、贈与税には税率が2種類あります。18歳以上の子どもや孫が両親、祖父母といった直系尊属から受け取った贈与に関しては特例税率、それ以外の贈与であれば一般税率です。
仮に母親への月10万円、年間120万円の支援がすべて課税対象となり、ほかの人からの贈与もない場合、適用されるのは一般税率のみとなります。この場合、課税されるのは基礎控除を引いた10万円です。
国税庁によると、適用される税率は10%となり、贈与税額は1万円です。
一方、子どもからの年間120万円の支援以外に親戚からも100万円を受け取っていた場合、その年の贈与合計額は220万円です。このケースだと、課税されるのは110万円、適用税率は一般税率のみで10%となり、11万円の贈与税を支払うことになります。
ほかの贈与があるにもかかわらず子どもから受け取った贈与のみで贈与税を申告すると、過少申告とみなされる可能性があるため注意しましょう。
高齢の親へ金銭支援をするときのポイント
まずは、親の金銭状況を把握しましょう。親の金銭状況を知らないまま支援をすると、必要な金額よりも多く支援し、贈与税の課税対象となる可能性があるためです。親の普段の生活状況や支出を聞き、本当に必要な金額を算出します。
お金を渡したあとも、そのお金が何に使われたかを確認しましょう。もし渡したお金が余るようであれば、仕送りの金額を減らすことも検討が必要です。
なお、自身の家庭に影響が出るようであれば、無理に金銭支援せず、公的支援などほかの手段で親の支援をするとよいでしょう。
生活費以外に使用していると課税される可能性がある
基本的に、生活費の支援は必要な範囲におさまっていれば非課税とされています。しかし、生活費として渡していても、母親が貯金に回しているとその金額は非課税の対象外となり、贈与税の基礎控除を超えていれば課税されます。
なお、贈与税は1年間で受け取ったすべての贈与を足して計算するため、母親に渡している金額が110万円より少なくても、ほかの人から受け取った贈与の合計で超えると課税される可能性があるため注意しましょう。
親へ金銭支援をするときは、課税対象とならないよう、まずは親自身の金銭状況を確認するとよいでしょう。
出典
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.4405 贈与税がかからない場合
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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