“貯蓄3000万円”の両親。賃貸暮らしで現金以外の資産もないようだし、もし父に何かあっても「母+子2人」のわが家なら“争族”に発展する心配はないですよね?

配信日: 2026.03.25
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“貯蓄3000万円”の両親。賃貸暮らしで現金以外の資産もないようだし、もし父に何かあっても「母+子2人」のわが家なら“争族”に発展する心配はないですよね?
相続トラブルと聞くと資産の多い家庭をイメージしがちですが、こうした相続を巡る家族間の争いは「争族」とも呼ばれます。では、賃貸暮らしで現金以外の資産がなく、相続人が少人数でも「争族」に発展するケースはあるのでしょうか。
 
本記事では、相続税の仕組みや「争族」が起きやすいケース、相続トラブルを防ぐためのポイントを解説します。
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相続人が3人なら「4800万円」までは原則申告が不要

相続税は、遺産総額が基礎控除額を超える場合に課税される仕組みです。基礎控除額は「3000万円+600万円×法定相続人の数」で計算されます。例えば、法定相続人が3人の場合、基礎控除額は4800万円です。遺産総額が基礎控除額以下の場合、原則として相続税は発生せず、申告する必要もありません。
 
そのため、貯蓄が3000万円程度の場合、他の資産がなければ相続税は発生しない可能性が高いでしょう。ただし、生命保険金や死亡退職金などはみなし相続財産に含まれ、課税対象となるため、実際の遺産総額には注意が必要です。
 

裁判所に持ち込まれた「争族」トラブルの“約8割”は「遺産総額5000万円以下」

最高裁判所の令和6年司法統計年報によると、遺産分割事件の多くは遺産総額5000万円以下のケースで発生しています。1000万超~5000万円以下の件数は42.4パーセント、1000万円以下の件数は35.6パーセントです。つまり、遺産分割を巡って裁判所に持ち込まれ、成立・認容されたケースのうち、約8割は遺産総額5000万円以下となっています。
 
また、遺産の価額を現金等に絞ると、1000万円超~5000万円以下の件数は35.7パーセント、1000万円以下の件数は53.7パーセントとなりました。つまり、遺産の価額を現金等に絞ると、遺産総額5000万円以下のケースが約9割を占めています。
 
申告不要な預貯金のみのケースでも相続トラブルは発生する恐れがあります。掲題のように相続人が母+子2人といった少人数でも、遺産分割の方法によっては対立が生じるケースもあると考えられます。
 

トラブル回避のために知っておきたい「相続」の3つの知識

相続トラブルを回避するための方法として、以下の3つが挙げられます。
 

1.遺言書を作成する

被相続人の意思を明確にし、遺産分割協議での対立を防ぐために有効な手段です。遺言書で財産分配を指定しておけば、誰がどの財産を引き継ぐかという話し合いが不要になる場合があります。特に、不動産や非上場株式などの分割しにくい財産がある場合に有効です。
 
なお、遺言書には遺言者本人が手書き・押印する自筆証書遺言と、公証人が遺言者と証人2人の前で作成する公正証書遺言があります。自筆証書遺言は形式不備で無効になるリスクや紛失・改ざんのリスクがあるため、自筆証書遺言書保管制度の利用か公正証書遺言の作成をするとよいでしょう。
 

2.生前に財産状況を共有する

家族が財産内容を知らないと、隠し財産といった疑念が生まれる恐れがあります。そのため、生前のうちに預金・保険・不動産などの一覧を共有しておきましょう。共有する財産には、借金やローン、ネット銀行や証券口座なども含まれます。
 

3.法定相続分と遺留分を理解する

民法では、配偶者や子どもなどの相続割合が法定相続分として定められています。遺言があっても、最低限の取り分として遺留分が認められる場合もあります。遺産分割協議でのトラブルを防ぐためにも、制度の理解も重要です。
 

まとめ

相続税の基礎控除額は「3000万円+600万円×法定相続人の数」で計算できます。相続人が3人の場合、基礎控除額は4800万円です。
 
また、遺産の価額を現金等に絞ると、裁判所に持ち込まれ、成立・認容された遺産分割事件の中では、遺産総額5000万円以下のケースが約9割となっています。
 
掲題のように貯蓄3000万円で母+子2人の家庭であっても、少額の遺産だから「争族」にならないとは言い切れません。相続トラブルを防ぐためにも、生前に遺言書の作成や財産状況の共有などを行うとよいでしょう。
 

出典

国税庁 相続税の申告のしかた
最高裁判所 令和6年司法統計年報 3.家事編
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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