父が亡くなり、遠方の実家を相続することになりました。しばらく行けそうにないのですが、このまま放置しても大丈夫なのでしょうか?

配信日: 2026.03.27
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父が亡くなり、遠方の実家を相続することになりました。しばらく行けそうにないのですが、このまま放置しても大丈夫なのでしょうか?
実家と自宅が離れている場合、相続をした家の扱いに困る人もいるでしょう。
 
しかし、遠方で管理できないことを理由に放置していると、「特定空家」などに認定される可能性があります。管理できないのであれば、早めに解体する、貸し出すといった対策が必要です。
 
今回は、空家を定期的に確認した方がよい理由や固定資産税への影響、相続した空家の扱いに困ったときの対処法などについてご紹介します。
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空家は定期的に確認した方がよい

たとえ忙しくても、空家を相続したときは少しでも時間を作り、定期的に様子を確認した方がよいでしょう。空家を相続して長期間放置していると、「特定空家」になる可能性があるためです。
 
国土交通省によると、特定空家とは倒壊の危険性が高かったり周囲へ著しい悪影響を及ぼしたりしている空家のことです。
 
特定空家に指定されると、行政から指導や勧告が入り、場合によっては強制取り壊しが行われる可能性があります。
 
さらに、特定空家と認定されない場合でも、管理がきちんとなされていない空家は、特定空家の予備軍として「管理不全空家」と認定されるでしょう。
 
特定空家や管理不全空家として認定されて指導・勧告を受けると、固定資産税の計算において「住宅用地特例」が適用されなくなります。
 

「住宅用地特例」とは

「住宅用地特例」とは、一定条件を満たしている住宅用地であれば、土地に対する固定資産税の負担を軽減できる制度のことです。
 
住宅用地特例は、1月1日時点で人が住むための家屋の敷地として使用されている土地に対して適用されます。特例が適用された場合、以下の基準で土地の課税標準額が軽減されます。
 

・200平方メートル以下の部分:6分の1
・200平方メートルを超える部分:3分の1

 
課税標準額を基に固定資産税額は決まるため、特例措置を受けられるか否かで税金負担も大きく変わるでしょう。
 

固定資産税はどれくらい変わる?

今回は、管理不全空家や特定空家に認定されて勧告を受けた場合と、管理しており特例が適用された場合の土地にかかる税額の差を比較します。
 
条件は以下の通りです。
 

・課税標準額1200万円
・税率は標準税率の1.4%とする
・土地の広さは150平方メートル
・土地にかかる固定資産税のみを試算

 
総務省によると、固定資産税の計算は、1月1日基準で決まった固定資産の課税標準額に税率をかけて求めます。
 
今回の場合、課税標準額は1200万円、税率は1.4%のため、特例が適用されなかった場合の固定資産税額は「1200万円×1.4%」で16万8000円です。
 
一方、土地の広さが150平方メートルのため、特例が適用された場合の課税標準額は「1200万円×6分の1」で200万円になります。固定資産税額は「200万円×1.4%」で2万8000円です。
 
今回のケースだと、特例の有無により税額に14万円の差が発生します。
 

相続した空家の扱いに困ったときの対処法

相続した空家の扱いに困ったときにできる対処法の例として、以下があります。
 

・空家を解体して土地を活用する
・空家をリフォームして貸し出す
・空家以外の財産も含めて相続放棄をする

 
空家の手入れもできない場合、解体して駐車場や広場にする方法があります。解体費用はかかりますが、その後の住宅の管理費用はかかりません。
 
また、空家をリフォームして貸し出すと、家賃収入が得られる場合があります。リフォームに際して自治体の補助金を利用できる場合があるため、調べてみるとよいでしょう。
 
相続自体をしたくない場合は、相続放棄も選択肢のひとつです。ただし、相続放棄は住宅以外の遺産も相続できませんし、相続の開始があったことを知ったときから3ヶ月以内に行わなければなりません。原則として撤回はできないため、よく考えて決めましょう。
 
自分だけで判断できないときは、専門家などに相談するとよいでしょう。
 

放置していると固定資産税が高額になる可能性がある

相続した空家を放置していると、特定空家や管理不全空家として認定・勧告される可能性があります。
 
それにより、住宅用地特例が適用されなくなると土地にかかる固定資産税が高くなるでしょう。今回の試算では、固定資産税が14万円高くなります。
 
相続した空家にかかる税金負担を少しでも軽くしたいのであれば、定期的に様子を見に行って管理をすることが大切です。自分で管理できないときは、空家を解体したり貸し出したりするのもよいでしょう。
 

出典

国土交通省 空家法とは
総務省 地方税制度 やさしい地方税 固定資産税
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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