父の相続時の「書類代」や「税理士への依頼料」が“合計50万円以上”もかかってしまった……! 預金口座と「マイナンバー」をひも付けていれば負担を少なくできた可能性があったって本当?
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相続手続きでは書類代や手数料がかさむケースがある
一般的に相続手続きでは、亡くなった方(被相続人)が保有していた口座の金融機関に出向き、各種証明書を提出する必要があります。一例ですが、以下が東京都中央区の証明書の発行手数料です。
・戸籍謄本:450円
・除籍謄本:750円
・改製原戸籍:750円
・戸籍の附票:300円
・住民票:300円
・印鑑登録証明書:50円
相続税は個人で相続財産の全容を把握することが難しく、税理士などの士業に依頼するケースも見られます。
財務省の「令和6事務年度 国税庁実績評価書」によると、相続税申告における税理士の関与割合は約86パーセントとされています。代行費用は遺産総額の約0.5~1パーセント程度とされることもあり、内容によっては数十万円程度になるケースもあります。
大手銀行でも遺産整理の代行サービスがありますが、最低手数料が100万円前後に設定されているケースもあり、費用面から士業に依頼するケースも見られます。
「預金口座付番制度」で遺族の金銭的負担を軽くできる可能性も
2018年1月に開始された預貯金口座付番制度により、預貯金口座にマイナンバーを付番することができます。さらに、2025年4月1日からの制度拡充により、相続時には付番された預貯金口座の所在を照会できるようになりました。
このため、生前に被相続人がマイナンバーと預貯金口座をひも付けていれば、相続時や災害時などに1つの金融機関窓口で預貯金口座の所在を確認できます。
相続人による預貯金口座の把握・整理の負担が軽減される可能性があり、士業や銀行の遺産整理の代行サービスを利用しなくても、各種証明書などの発行手数料のみで被相続人の財産を整理できる可能性があります。
しかしながら、これはあくまで相続財産が預貯金口座のみ、かつマイナンバーのひも付け忘れがないと断言できるケースに限られます。不動産や土地、有価証券など複数の相続財産が想定される・預貯金口座の把握に不安があるといった方は、やはり士業などに依頼するほうが安心と考えられます。
「相続時預金口座照会」利用のポイント
相続時預金口座照会とは、相続人および包括受遺者(遺言にて財産を譲り受けた人)が預金保険機構に対して、被相続人が名義人の全ての金融機関のうちマイナンバーがひも付いている預貯金口座の情報を求めることができる制度です。
預金保険機構の委託先に限りますが、取引のない金融機関でも申し込むことができ、様式書類と合わせ、以下の相続人確認資料が必要になります。
・被相続人の住民票の除票の写し、認証文付き法定相続情報一覧図の写しのいずれか一点
・被相続人の戸籍謄本もしくは抄本または認証文付き法定相続情報一覧図の写し
・包括受遺者がいる場合は遺言書
・上記が用意できない場合、調停調書、審判書など相続権利者であることが分かるもの
なお照会手数料として5060円(税込み)がかかります。この制度を利用するときのポイントは、被相続人のマイナンバーと預貯金口座を生前にひも付けているかどうかになります。
なお同制度で分かることは、被相続人がマイナンバーとひも付けていた口座の金融機関や口座番号などに限られ、肝心の口座残高は各金融機関で照会する必要があります。
まとめ
生前に被相続人が預貯金口座とマイナンバーをひも付けることによって、相続人の手間や費用の負担が軽減される可能性があることが分かりました。重要なのは、デリケートな話題であっても、被相続人との間で遺産に関する話し合いを避けず、事前に整理しておくことといえるでしょう。
出典
財務省 令和6事務年度国税庁実績評価書 実績目標(大)3 税理士業務の適正な運営の確保 参考指標2 税理士関与割合(所得税・相続税・法人税)(185ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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