父が亡くなり、実家から「繰越済みの通帳」がいくつも見つかりました。直近で使っていないものであれば、このまま処分してしまって問題ないですよね?

配信日: 2026.04.25
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父が亡くなり、実家から「繰越済みの通帳」がいくつも見つかりました。直近で使っていないものであれば、このまま処分してしまって問題ないですよね?
遺品整理などで見つかる「繰越済み通帳」は、一見すると役目を終えた不用品のように思えます。しかし、安易に処分してしまうと、後から思わぬトラブルに発展する可能性があります。
 
特に相続の場面では、過去の資金の流れを確認するための重要な資料として通帳が活用されるケースもあります。そのため、通帳をどの程度の期間保管しておくべきかについては、あらかじめ整理しておくことが重要です。
 
本記事では、誤って処分してしまう前に確認しておきたい通帳の保管期間や留意点について整理していきます。
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相続税の調査では過去10年程度さかのぼることも! 繰越済み通帳を最低5年から10年は保管すべき理由

親が亡くなった後の遺品整理で、タンスの奥から「繰越済み通帳」が出てきたというケースもあるでしょう。一見すると役目を終えた不用品のように思えますが、安易に捨てるのは禁物です。亡くなった家族の通帳は、最低でも5年から10年分は保管しておきましょう。
 
なぜこれほど長期間の保管が必要なのかというと、相続税の申告漏れに対する調査は、直近の残高だけを確認するものではないためです。税務署は、亡くなった方の過去の資金移動を詳しく調査する権限を持っており、場合によっては10年前までさかのぼって確認する可能性があります。
 
もし通帳を捨ててしまうと、過去のまとまった出金について、その使途を客観的に説明することが難しくなる恐れがあります。例えば、税務上の確認が行われた際に、「資産の隠匿ではないか」「第三者への贈与に該当するのではないか」といった点が論点となるケースも考えられます。
 
このような場合、通帳の記載内容は、資金の流れを示す基礎資料として重要な役割を果たします。したがって、適切に保管しておくことで、後の確認に対する説明材料となり得る点に留意が必要といえるでしょう。
 

名義預金の疑いを晴らす証拠にもなり得る! 古い通帳が家族を守る2つのメリット

古い通帳を残しておくメリットは、単なる記録確認にとどまりません。特に重要なのが、「名義預金」ではないことを証明できる点です。名義預金とは、通帳の名前は子どもや孫になっているものの、実際には亡くなった方が資金を拠出し、管理も行っていたというような預金のことです。
 
名義預金と判断された場合、相続財産とみなされ、課税対象になる可能性があります。「これは名義預金ではなく、正当な贈与である」と客観的に説明する材料のひとつとして、繰越済みの通帳は有効な資料となり得ます。
 
また、もうひとつのメリットは「負債の把握」です。古い通帳を読み解くことで、過去に完済したローンの履歴や、知人との金銭トラブルを示唆するメモ、あるいは現在も続いている月額払いの契約などが見つかることがあります。
 
これらはプラスの財産だけでなく、マイナスの財産(負債)を特定するヒントになります。
 

古い通帳を安全に処分するための手順と注意点

相続税の申告が終わり、税務調査の心配もなくなった段階で、ようやく通帳の処分を検討できます。ただし、通帳には氏名や口座番号に加え、取引内容や支払先などの詳細な記録が残されており、個人情報が集約された資料である点に留意が必要です。そのため、ゴミ袋に入れてそのまま捨てるようなことは絶対に避けてください。
 
具体的な処分手順としては、まず磁気テープをハサミで細かく裁断することから始めます。次に、住所や氏名、口座番号が記載されているページを、文字が判別できないレベルまでシュレッダーにかけます。家庭用シュレッダーがない場合は、ハサミで細かく切るか黒マジックで塗りつぶした上で、数回に分けて別の日にゴミに出すといった工夫が必要です。
 

相続の手続きが完了するまでは通帳は捨てないことが鉄則! 迷ったら専門家へ相談を

実家の片付けをしていると、古い通帳は不要なものとして早期に処分したくなる場合もあるでしょう。しかし、相続の場面においては、これらの通帳は単なる記録ではなく、過去の資金の流れを示す重要な資料として位置づけられます。
 
資産の内容や移動を確認するうえで有効な根拠となる可能性があるため、安易に処分するのではなく、その役割を踏まえて取り扱うことが重要といえるでしょう。相続税の時効や税務調査の対象期間を考慮すると、少なくとも相続発生から10年程度は保管しておくのが賢明な判断といえます。
 
慎重な対応が、結果として将来の自分や家族をトラブルから守ることにつながるでしょう。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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