母が「相続の準備といっても、うちは普通の家庭だから必要ないのでは?」と言っています。“普通の家”でも最低限確認しておいたほうがよいことはあるのでしょうか?

配信日: 2026.05.09
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母が「相続の準備といっても、うちは普通の家庭だから必要ないのでは?」と言っています。“普通の家”でも最低限確認しておいたほうがよいことはあるのでしょうか?
「相続の準備」と聞くと、資産が多い家庭や特別な事情がある家庭の話だと思う人もいるでしょう。実際に、親へ相続の話を切り出すのは気が重く、何から確認すればよいのか分からないものです。
 
では、いわゆる“普通の家”では、本当に何もしなくても問題ないのでしょうか。本記事では、身近な家庭で見落としやすい相続準備のポイントを見ていきます。
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普通の家庭でも相続の確認が必要な理由

相続の準備は、資産が多い家庭だけに必要なものではありません。一般的な家庭であっても、親などの亡くなった人がどの銀行に口座を持ち、どのような生命保険に加入し、不動産の名義が誰になっているのかを家族が把握していないと、死後の手続きが困難になります。
 
また、相続税の申告が必要ない場合でも、預金の解約や保険金の請求、不動産の名義変更などの遺産承継手続きは必要です。相続税には基礎控除(3000万円+600万円×法定相続人の数)があり、遺産総額がこれ以下であれば相続税は課税されません。
 
ただし、税金がかからないことと、手続きが不要であることは全く別の問題です。相続準備は、節税のためだけではありません。残された家族が困らないように、必要な財産情報を生前に整理しておくことが、最も重要な相続準備といえます。
 

まず確認したい財産・借金・保険の情報

最初に確認したいのは、財産の種類と保管場所です。正確な金額まで把握する必要はありませんが、どこに何があるのかは分かるようにしておくと、相続発生後の負担は大幅に軽減されます。
 
確認したいものは、預貯金、不動産、株式・投資信託、生命保険、自動車、貴金属などです。あわせて、住宅ローンやカードローン、他者の保証人になっている契約なども必ず確認しておきましょう。相続では、プラスの財産だけでなく、借金などのマイナスの財産も引き継ぐ可能性があります。
 
特に生命保険では、保険証券の保管場所や受取人を確認しておくことが大切です。受取人がすでに亡くなっている場合は、手続きが複雑になる場合があります。
 
親に話すときは、いきなり財産額を聞くのではなく、「何かあったときに家族が困らないよう、通帳や保険証券の保管場所だけ教えてほしい」と伝えると、話し合いを始めやすくなります。
 

家や土地がある家庭は相続登記の期限に注意する

実家や土地がある家庭では、不動産の名義を早期に確認しておくことが重要です。不動産を相続した場合は、亡くなった人の名義から相続した人の名義に変更する「相続登記」が必要になります。
 
2024年4月1日から、相続登記は義務化されました。不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内に申請を行わないと、正当な理由がないかぎり10万円以下の過料の対象になる可能性があるため十分な注意が必要です。
 
名義変更を放置したまま次の相続が発生すると、相続人が増えて権利関係が複雑化し、遺産分割の話し合いが困難になるリスクが高まります。このように、親名義のまま長く放置された不動産は、売却や管理の判断がしにくくなります。結果として空き家のまま残ることもあり、近年問題となっている空き家の増加にもつながりかねません。
 
そのため、実家や土地がある場合は、まず登記簿で現在の名義を確認しておきましょう。名義が親ではなく祖父母のままになっている場合は、数次相続が発生しており、手続きが複雑になるため、早めに司法書士などの専門家へ相談すると安心です。
 

相続準備は「分け方」より先に「情報整理」から始めよう

普通の家庭でも、相続の準備は必要です。ただし、最初から遺言書や節税対策まで考える必要はありません。まずは、預貯金、不動産、保険、借金、重要書類の保管場所を家族で共有することから始めましょう。
 
事前の情報整理を行っておくことで、残された家族が手続きを進めやすくなります。また、この対話を通じて、親自身の希望や考え自然に伝えるきっかけにもなります。
 
「普通の家庭だから必要ない」と考えるのではなく、「普通の家庭だからこそ、将来の混乱を避けるために最低限の確認をしておく」と考えることが大切です。まずは通帳、保険証券、不動産の権利証などの保管場所を確認して、家族がいつでもアクセスできる状態にしておくことから始めてみましょう。
 

出典

国税庁 No.4152 相続税の計算
法務省 相続登記の申請義務化について
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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