出産で会社から「お祝い金120万円」もらっても、税金で“30万円”も持っていかれる!?「命がけのお産なのに」「子育て支援する気ある?」お祝い金が“課税対象”になるケースを解説

配信日: 2026.05.09
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出産で会社から「お祝い金120万円」もらっても、税金で“30万円”も持っていかれる!?「命がけのお産なのに」「子育て支援する気ある?」お祝い金が“課税対象”になるケースを解説
出産すると、親族や友人以外からも、会社から福利厚生の一環としてお祝い金をもらえるという人も多いでしょう。しかし「会社からもらった出産祝い金120万円に税金がかかり、約30万円も引かれた」というケースもあるようです。
 
社員の出産に対して、またその子どものためのお祝い金なのに、なぜ30万円もの金額が差し引かれてしまうのでしょうか。本記事では、会社からの出産祝いと税金の関係について解説していきます。
渡辺あい

ファイナンシャルプランナー2級

お祝い金は必ず非課税とは限らない

会社からの出産祝いのお金は、いわゆる個人間で渡される「祝い金」とは性質が異なります。雇用契約によって会社から支給される結婚や出産などの祝金品は「給与」という位置づけになるのです。
 
「給与」には税金がかかるのですが、特例として「祝い金」は受け取る人の地位などに照らし合わせ、社会通念上相当の範囲内であれば、課税されません。つまり、一般的なお祝いの範囲と考えられる金額であれば、福利厚生として非課税になる可能性があるのです。
 
しかし、福利厚生の一環とはいえ、その金額があまりにも高額な場合は「出産祝い金」という名目であっても、税金や社会保険料の対象になるのです。今回のように120万円の出産祝いは、一般的な慶弔見舞金の範囲を超えると判断される可能性があり、課税対象となる可能性が高いでしょう。
 

「約30万円」は税金だけでなく社会保険料も含まれる可能性がある

会社員の給与や賞与から引かれるものは、所得税だけではありません。健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料なども差し引かれます。
 
例えば、120万円が賞与として扱われ、かつ社会保険料の免除対象とならない場合、健康保険料と厚生年金保険料の合計で、本人負担はおおよそ14~15%前後になることがあり、120万円に対して約17万円の社会保険料が差し引かれることがあります。
 
さらに、社会保険料を差し引いた後の金額に所得税がかかるため、仮に所得税が10万円前後差し引かれると、社会保険料と合わせて27万円ほどになります。条件によっては、控除額が約30万円に近くなることもあるでしょう。
 
今回の「約30万円の税金」は、所得税だけでなく、社会保険料などを含めた控除額を指している可能性があります。
 

出産育児一時金とは扱いが違う点に注意

出産に関わるお金としては、健康保険から支給される「出産育児一時金」があります。これは健康保険法第101条に基づく公的給付で、原則として1児につき50万円が支給されるというものです。また、健康保険法第62条により、保険給付として支給を受けた金品には課税されないこととされています。
 
給与や賞与とは異なり「所得」ではないため、所得税や住民税はかかりません。この一時金は「出産費用の負担を軽くするための支援金」であり、税金の対象外となる点が会社の出産祝い金との大きな違いです。
 
一方、会社の出産祝い金は、会社が独自に決めて支給する福利厚生や給与の一部で、同じ「出産に関するお金」でも、制度上の扱いが違うのです。
 
会社からのお金については、就業規則や慶弔見舞金規程、給与明細でどのように処理されているかを事前に確認しておきましょう。「出産祝い金」と書かれていても、給与欄や賞与欄に入っている場合は、課税や社会保険料の対象になる可能性があります。
 

お祝いだとしても税金がかかることもある

出産に対するお祝い金から大きな金額が差し引かれると、「せっかくの会社の善意なのに」と感じる人もいるでしょう。しかし、会社から従業員へ支給されるお金は、「給与」として扱われてしまうため、いくら出産祝いであってもその額によっては課税や社会保険料支払いの対象となります。
 
基本的に、社会通念上相当な慶弔見舞金であれば非課税となる可能性がありますが、今回のように120万円と高額である場合は、所得税や社会保険料の対象になる可能性は高いといえるでしょう。
 
「お祝い金だから非課税」というイメージを持つ人も多いかもしれませんが、会社からまとまったお金を受け取るときは、給与明細でどの項目に入っているか、税金や社会保険料がどう処理されているかを確認しておくと安心です。
 

出典

国税庁 通達目次/所得税基本通達
協会けんぽ 令和8年度保険料額表
国税庁 No.2523 賞与に対する源泉徴収
 
執筆者 : 渡辺あい
ファイナンシャルプランナー2級

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