父から「家を建てるなら土地を使っていい」と言われました。名義を変えずに建てた場合でも、あとで相続税や贈与税で困ることはあるのでしょうか?

配信日: 2026.05.23
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父から「家を建てるなら土地を使っていい」と言われました。名義を変えずに建てた場合でも、あとで相続税や贈与税で困ることはあるのでしょうか?
親が所有する土地に子どもが家を建てる場合、名義を親のまま使うか、それとも子どもの名義にするか悩まれている世帯もあるでしょう。
 
とはいえ、名義変更にも手間がかかることから、名義は変えずにそのまま使うことを検討している世帯も少なくはないはずです。そこで今回は、もし、土地の名義を親のままで子どもが家を建てると、相続税や贈与税においてどのような問題点があるのか考えてみました。
柘植輝

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

贈与税は必ずかかるとは限らない

親名義の土地に、子どもが無償で家を建てたとしても、それによって直ちに贈与税の対象になるわけではありません。
 
贈与税はあくまでも年間で110万円を超える贈与があった際に、その超えた分にかかる税金です。単に親が自分の土地を使わせて子どもに家を建てさせたという場合、一般的には使用貸借(要は親から無償で借りただけ)となると考えられます。
 
つまり、子どもはあくまでも土地を使うことを許されているだけで、何ももらっていないのです。この場合、贈与税の対象にはならないでしょう。
 
とはいえ、個別の事情によっては、子どもがその親名義の土地について実質的な支配権を持っており、使用貸借ではなく譲渡があったとみなされてしまうと、贈与税が発生することもあり得ます。
 
そのため、使用貸借である契約書は必ず作成しておき、土地に関しての納税やその他手続き、管理などは、所有者である親側が適切に対応すべきでしょう。
 

相続税が発生する可能性はある

使用貸借されている土地はあくまでも親の土地です。そのため、将来親が亡くなると、多くの場合では親から子どもへの相続が発生します。その際に相続税が発生する可能性はあります。
 
相続税は、基本的に基礎控除(3000万円+600万円×相続人の数)を超えた部分に課税されます。一般的に、土地は高額になりやすいため、家を建てられるほどの土地を有している場合、その他の財産と合わせて基礎控除を超え、相続税が発生する可能性は高いでしょう。
 

税金よりも遺産分割が問題

実は、相続税や贈与税以上に問題となる可能性が高いのが遺産分割です。先に述べたように、子どもが使っていたとしても親名義の土地はあくまでも親の土地です。そのため、相続人が複数人いればそれは遺産分割の対象となり、土地を使っている子どもを含め、相続人全員で土地をどうするか決めなければなりません。
 
すると、家を建てて使っている子どもは引き続き土地を使いたいと考えている一方で、他の相続人はその土地の売却を希望しているなど、相続人間での考えに相違があった場合、土地を含めた遺産分割においてトラブルが起こる可能性があります。土地以外にも金銭やその他の財産が十分あり、他の相続人がその土地よりも他の遺産に魅力を感じる状態であればよいのですが、現実はなかなかそう上手くはいきません。
 
もし、親として相続争いを防止するのであれば、少なくとも遺言書に「土地は今使っている子どもに相続させる」などと書き記しておく、というような対策をとる必要があるでしょう。
 

まとめ

親名義の土地を子どもが使って、その上に家を建てても、通常はそのことだけで贈与税がかかるわけではありません。しかし、親名義の土地はあくまでも親の財産であり、将来は遺産となり相続税の対象となります。
 
もし、名義を親から変えずに子どもに土地を使用させるという選択をするのであれば、メリットとデメリットを十分に考慮したうえで、遺言書も用意するなど、しっかりと準備しておくことをおすすめします。
 
執筆者 : 柘植輝
行政書士

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