亡くなった父の書斎に古い専門書を大量に発見!「全部捨ててしまえば」と母は言いますが、相続前に処分すると問題になることはあるのでしょうか?

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亡くなった父の書斎に古い専門書を大量に発見!「全部捨ててしまえば」と母は言いますが、相続前に処分すると問題になることはあるのでしょうか?
亡くなった父の書斎に大量の専門書が残っていると、片付けのためにすぐ処分したくなるかもしれません。しかし、相続前に勝手に捨てたり売ったりすると、相続財産を処分したと見られる可能性があります。
 
特に、相続放棄を考えている人がいる場合は注意が必要です。古い本でも価値があることがあるため、まずは相続人で話し合い、写真やリストを残しましょう。
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専門書も相続財産に含まれる

父が亡くなった時点で、父が所有していた本は相続財産になります。現金や不動産ほど分かりやすくありませんが、書籍も財産の一部です。
 
国税庁は、相続税の課税対象となる財産について、「現金、預貯金、有価証券、宝石、土地、家屋などのほか貸付金、特許権、著作権など金銭に見積もることができる経済的価値のあるすべてのもの」としています。つまり、書籍も「金銭に見積もることができる経済的価値」を持つ場合があるため、相続財産に含まれます。
 
特に専門書は、分野によって価値が大きく変わります。医学、法律、工学、建築、美術、郷土史、古典籍、絶版の研究書、限定出版の資料などは、古くても研究者や専門店に需要がある場合があります。一方で、一般的な古い参考書や改訂前の実務書は、ほとんど値がつかないこともあります。
 
大切なのは、家族だけで「古いからゴミ」と決めつけないことです。父が研究者、医師、技術者、士業、教員などだった場合、書斎の本の中に高額な資料や仕事上重要な文献が混ざっている可能性があります。
 
まずは本棚全体を写真に撮り、量や種類が分かるようにしておきましょう。価値がありそうな全集、署名本、初版本、専門辞典、限定本は別にして、古書店や専門買取業者に相談すると判断しやすくなります。
 

勝手に処分すると相続人同士のトラブルになる

父の本を処分する前に、相続人が誰かを確認しましょう。母だけでなく、民法上は子どもも相続人になります。
 
国税庁は、死亡した人の配偶者は常に相続人となり、配偶者以外の人のうち、子どもは第1順位として相続人となることを説明しています。相続人が複数いるなら、書籍をどう扱うかは全員で話し合うべきです。
 
たとえば、母が「全部捨てて」と言っても、子どもの一人が父の専門書を形見として残したいと考えているかもしれません。また、価値のある本を売却した場合、その代金は遺産分割の対象になります。誰かが勝手に売ってお金を受け取ると、後で揉める原因になります。
 
反対に、保存に費用がかかる、部屋を明け渡さなければならない、カビや虫が発生しているなど、早く処分しなければならない事情もあります。その場合でも、処分前に写真を撮り、相続人へ連絡し、可能なら同意を取ることが大切です。
 
片付け業者に一括処分を依頼する前に、買取可能なものと廃棄するものを分けましょう。価値が分からないまま処分すると、金銭面だけでなく感情面でも後悔が残ることがあります。
 

相続放棄を考えるなら特に注意する

父に借金がある、財産状況が分からないなどの理由で相続放棄を考えている場合は、本の処分にさらに注意が必要です。
 
裁判所は、相続が始まった場合、相続人は単純承認、限定承認、相続放棄のいずれかを選ぶと案内しています。単純承認をすると、亡くなった人の権利も借金などの義務もすべて受け継ぐことになります。
 
民法では、相続人が相続財産の全部または一部を処分した場合、原則として単純承認をしたものとみなされることがあります(第921条)。
 
これを法定単純承認といいます。つまり、価値ある本を売却したり、自分のものとして持ち帰ったりすると、相続放棄が難しくなる可能性があります。
 
ただし、腐敗しやすいものの処分や、保存行為にあたる片付けなど、すべてが単純承認になるとは限りません。線引きは難しいため、相続放棄を検討しているなら、処分前に家庭裁判所や弁護士へ相談したほうが安全です。
 

まとめ

亡くなった父の書斎にある古い専門書は、相続財産に含まれます。価値がないように見えても、分野によっては専門店で評価されることがあります。
 
相続前に勝手に捨てたり売ったりすると、相続人同士のトラブルになるだけでなく、相続放棄を考えている場合には単純承認と見られるリスクもあります。まずは写真を撮り、リストを作り、相続人全員で扱いを相談しましょう。
 
急いで片付ける必要がある場合でも、価値がありそうな本は分け、専門の古書店や買取業者に見てもらうと安心です。片付けを急ぐほど、記録と合意を残すことが、後悔や相続トラブルを防ぐポイントになります。
 

出典

国税庁 No.4105 相続税がかかる財産
国税庁 No.4132 相続人の範囲と法定相続分
裁判所 相続の放棄の申述
e-Gov 法令検索 民法
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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