「自動車でもらい事故」 保険会社が示談交渉できない場合ってどんなとき?

配信日: 2018.01.12 更新日: 2019.01.11

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「自動車でもらい事故」 保険会社が示談交渉できない場合ってどんなとき?
まさかの自動車事故!そんな時は、まず警察に連絡した後、保険会社の事故受付センターに連絡しますね。相手がいる事故であれば、そのあとは保険会社が契約者に代わって示談交渉を行うのが一般的です。そして、損害賠償額を確定し示談を成立させますが、その際に重要になるのが過失割合です。

通常は契約している保険会社の担当者同士が話し合い、過失割合を決定します。ですが、過失割合については当事者の意見が食い違うことも少なくありません。自分には過失はないと主張する当事者もいますが、実は過失はないと主張してしまうと保険会社は示談交渉をすることができなくなります。
前田菜緒

Text:前田菜緒(まえだ なお)

FPオフィス And Asset 代表、CFP、FP相談ねっと認定FP、夫婦問題診断士

保険代理店勤務を経て独立。高齢出産夫婦が2人目を産み、マイホームを購入しても子どもが健全な環境で育ち、人生が黒字になるようライフプラン設計を行っている。子どもが寝てからでも相談できるよう、夜も相談業務を行っている。著書に「書けばわかる!わが家の家計にピッタリな子育て&教育費のかけ方」(翔泳社)

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被害事故なら保険会社は示談交渉できない

実際、保険会社に連絡した際、過失ゼロを主張したため、自分自身で相手側の保険会社と示談交渉をしなければならなくなった男性がいらっしゃいました。そもそも、保険会社が示談交渉をできるのは、契約者に代わって損害賠償金を支払うという点において、利害関係の当事者であるからです。
 
ところが、契約者に過失がないのであれば、保険会社は損害賠償請求金を加害者に支払う責任はありません。よって、保険会社は契約者からも加害者からも金銭的に利害関係のない他人となります。
 
利害関係がない他人が示談交渉をする事は弁護士法で禁止されているのです。そのため、「私には過失はない」と保険会社に連絡してしまうと、保険会社は示談交渉ができなくなります。
 
過失割合ゼロが認められるケースは、例えば赤信号で停車中に後ろから衝突された場合などで、多くの自動車事故の場合、過失割合は0:100とはなかなかならないものです。ですので、保険会社に最初に連絡を入れるときは、過失ゼロとは主張しないほうが保険会社は対応してくれるのです。 この男性の場合も、結局、過失なしとは認められなかったそうです。
 
では、本当に過失がない場合はどうすれば良いのでしょうか。
 

被害事故は「弁護士費用特約」で対応

自分で示談交渉をするとなれば時間も労力もかかりますし、専門知識がなければ対応は困難となるでしょう。やはり専門の弁護士に依頼する方が安心です。
 
ただ、それ相応の費用がかかります。 そんなとき便利なのが「弁護士費用特約」です。これは、もらい事故等で損害を被った時、損害賠償請求について弁護士に相談・交渉を依頼する場合の費用を補償する特約です。
 
事故の相手が100%の過失を認めていない場合でも特約の対象となりますし、さらに、保険金支払いの対象は自動車同士の事故に限りません。
 
例えば、ご自身が自転車に乗っていた、あるいは歩行中に車にはねられた場合の事故でも、弁護士に依頼すれば保険金支払いの対象になります。ご家族の自動車1台にセットしておけば家族全員が補償の対象となり、被保険者1人につき300万円を限度に弁護士依頼費用が補償されます。保険料は月額150円ほどです。万一の時のための自動車保険、こんなはずではなかった!ということにしておきたいですね。
 
Text:前田 菜緒(まえだ なお)
1級ファイナンシャルプランニング技能士、CFP(R)認定者

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