更新日: 2024.04.08 生命保険

“おひとりさま”の生命保険 受取人である親が亡くなったらどうしたらいい?

“おひとりさま”の生命保険 受取人である親が亡くなったらどうしたらいい?
独身の方、いわゆる“おひとりさま”の方のなかには、親を受取人にした生命保険に加入しているという方もいらっしゃるでしょう。では、受取人である親が亡くなった場合、その生命保険はどのように対処したら良いのでしょうか? おひとりさまの未来に向けて、FPがアドバイスします。
正田きよ子

執筆者:正田きよ子(まさだ きよこ)

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者

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受取人の変更手続きを行う

親が亡くなった場合、生命保険の受取人を変更する手続きが必要です。加入している生命保険会社に連絡し、受取人の死亡を通知し、新たな受取人を指定します。おひとりさまの場合、新しい受取人としては、兄弟姉妹などが選択肢になるかもしれませんね。
 
ただし、自分より年上の兄弟姉妹を指定すると、将来再び変更手続きが必要になる可能性があります。そのため、年下の兄弟姉妹やその子(甥、姪)を受取人にすることも検討しましょう。
 

受取人の変更手続きを怠った場合の影響

親が亡くなってから忙しくて受取人の変更手続きを忘れてしまうことがありますが、その結果何が起こるのでしょうか?
 
この場合、自分が亡くなったときの保険金は通常、亡くなった親の法定相続人に分配されます(保険法第46条)。もうひとりの親が生存していれば、親と子(自分の兄弟姉妹)が、両親が亡くなっていれば、子(自分の兄弟姉妹)が受取権を持ちます。ただし、相続人の確定には時間がかかるため、支払いに遅れが生じる可能性があります。
 
また、親が再婚しているなど家族構成が複雑な場合は、意外な受取人が現れる可能性もあります。生命保険は自分が希望する受取人を指定するものなので、受け取りを確実にするためにも、受取人の変更手続きを忘れないようにしましょう。
 

おひとりさまの生命保険の受取人は誰が適しているか?

生命保険は、自分の死後に残された家族(遺族)の生活費や死後の整理費用を保険金で補うものです。死後の整理費用には葬儀費用、遺品整理費用、法的手続き費用、財産処理費用、税金の支払いなどが含まれます。
 
遺族の生活費ほど多額の費用は必要ありませんが、ゼロではありません。役所や金融機関の手続きは、平日の日中に対応しないといけないものもあります。死後の整理は費用と時間がかかり、対応する遺族への負担は大きいのです。
 
おひとりさまの生命保険の受取人は、自分の死後整理をお願いする人が良いのではないでしょうか。自分より若い世代の甥、姪は、親子や兄弟姉妹よりも疎遠かもしれません。死後の整理と生命保険の受取人をセットでお願いすると、お願いしやすいのではと思います。
 

おひとりさまや子どものいない夫婦も生命保険の活用を

おひとりさまだけではなく、子どものいない夫婦も、配偶者が先立ってからの死後の整理について考えることが重要です。兄弟姉妹や甥姪などの親族、あるいは友人が、死後の整理を担う可能性があります。そのため、受取人が確実に保険金を受け取れる生命保険は、おひとりさまだけではなく、子どものいない夫婦も活用すべきではないでしょうか。
 
執筆者:正田きよ子
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者

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