小学5年生の子どもに自転車を買おうと思います。自転車にも保険が義務化されたと聞きましたが、自転車保険の保険料はどのくらいなのでしょうか?
配信日: 2024.10.11
そこで本記事では、子どもが自転車を運転するのに必要な保険の種類や特徴、保険料の目安を説明します。自転車保険の義務化の背景や、保険を選ぶ際の注意ポイントも解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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自転車保険とは
道路交通法上、自転車は「軽車両」に分類されるため、事故を起こすなど法律違反をしたら刑事上の責任が問われます。また、相手にけがを負わせた場合には、民事上の損害賠償責任も発生するなど、自転車の運転には責任が生じるのです。
そんな万が一に備える自転車保険は、一般的に「傷害保険」と「個人賠償責任保険」がセットになって販売されています。
「傷害保険」とは、自転車運転中の自分のけがや通院、入院、死亡・後遺障害を負ったときの備え、「個人賠償責任保険」とは自転車で相手をけがや死亡、物を壊した場合に備える保険です。
自動車には強制保険である「自賠責保険」がありますが、自転車にはないため、任意で自ら保険に加入する必要があります。
自転車保険が必要な理由
自転車事故で他人の身体や生命を害した際、自転車運転者である加害者が数千万円の高額損害賠償を命じられる判決事例がたびたび公表されています。小学生など未成年であっても、加害者として責任から逃れることはできません。
警察庁によると、令和5年中に発生した自転車関連事故の件数は7万2339件です。自転車対歩行者で発生した事故のうち、歩行者が死亡または重傷事故における自転車運転者の年齢別件数においても、「10~19歳が562件(35.2%)」と全体の3分の1を占めています。
男子小学生(11歳)の運転する自転車が歩行中の女性(62歳)と正面衝突し、頭蓋骨骨折などの傷害を負ってしまい、女性の意識が戻らない状態となった事例で、賠償額が9521万円になったという判決例は有名です(神戸地方裁判所、平成25(2013)年7月4日判決)。
このような高額な賠償金が発生した事例によって、平成27(2015)年に兵庫県で自転車保険が義務化されてから、全国に義務化が広まっており、国土交通省によると令和6(2024)年4月1日現在、34都府県で条例により自転車損害賠償責任保険等への加入を義務化、10道県が努力義務化とする条例が制定されています。
自転車保険の保険料目安
自転車保険は「個人型」と「家族型」のどちらなのかという点と、補償対象や補償内容により保険料が異なります。個人型とは、自転車を運転する本人のみが補償の対象です。
家族型は、一つの契約で本人以外にも配偶者や子どもなど幅広い補償を受けられます。個人型の場合は年間2000~5000円、家族型の場合は4000~2万円が相場です。
子ども向けに自転車保険を選ぶ場合は「後遺障害保険金」のある保険を検討しましょう。幼い子どもが後遺障害を負ってしまった場合、長期間にわたり経済的に重い負担をしなければなりません。また、経済的に少しでも余裕ができれば、よりよい治療法を選択できる可能性も広がるでしょう。
また、個人賠償責任の補償金額は、数千万~3億円の間に設定されているケースが多く、判例からも1億円以上補償されている保険がおすすめです。
自転車保険の注意ポイント
自転車保険は0歳から加入できるものばかりではなく、加入条件として「満18歳まで」「規定の学校の学生・生徒であること」など条件が設定されている場合があります。まずは、加入条件に合っている保険か確認しましょう。
次に自転車保険の傷害補償は、自分がけがをするリスクに備えるための保険で、入院保険金や死亡・後遺障害保険金などを中心に構成されています。すでに医療保険や死亡保険に加入している場合、内容が重複している可能性に注意しましょう。
同様に自動車保険や火災保険に加入している場合、個人賠償責任保険が特約として付帯していることがあります。個人賠償責任補償は、実際の損害額分しか保険金が支払われません。複数加入になっていないか、事前に確認が必要です。
万が一に備えて自転車保険に入ろう
小学5年生の子どもでも、自転車保険に入って万が一に備えましょう。しかし、個人賠償責任保険など補償が重複している保険にすでに加入している可能性もあります。
補償内容を省いた保険ほどよりお手頃な保険料になるため、まずは現在どんな保険に入っているか確認しましょう。
出典
警察庁 自転車は車のなかま~自転車はルールを守って安全運転~
一般社団法人 日本損害保険協会 自転車事故と保険
一般社団法人 日本損害保険協会 問95 自転車事故を補償する保険は、どのような保険がありますか。(Web版限定Q&A)
国土交通省 自転車損害賠償責任保険等への加入促進について
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー