「生命保険」を受け取ったら税金に注意!? 相続税・所得税・贈与税の違いとは?

配信日: 2025.02.21

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「生命保険」を受け取ったら税金に注意!? 相続税・所得税・贈与税の違いとは?
生命保険の給付金を受け取ると、「税金がかかるのでは?」と気になる人も多いのではないでしょうか。実は、保険金の種類や契約者・受取人の関係によって、相続税・所得税・贈与税のいずれかが課税される仕組みになっています。なかには非課税になるケースもありますが、誤った申告をすると余計な税金を支払うことになりかねません。
 
本記事では、生命保険の税金の仕組みをわかりやすく解説し、どんな場合に課税されるのかを整理していきます。
浦上登

執筆者:浦上登(うらかみ のぼる)

サマーアロー・コンサルティング代表 CFP ファイナンシャルプランナー

東京の築地生まれ。魚市場や築地本願寺のある下町で育つ。

現在、サマーアロー・コンサルティングの代表。

ファイナンシャル・プランナーの上位資格であるCFP(日本FP協会認定)を最速で取得。証券外務員第一種(日本証券業協会認定)。

FPとしてのアドバイスの範囲は、住宅購入、子供の教育費などのライフプラン全般、定年後の働き方や年金・資産運用・相続などの老後対策等、幅広い分野をカバーし、これから人生の礎を築いていく若い人とともに、同年代の高齢者層から絶大な信頼を集めている。

2023年7月PHP研究所より「70歳の現役FPが教える60歳からの「働き方」と「お金」の正解」を出版し、好評販売中。

現在、出版を記念して、サマーアロー・コンサルティングHPで無料FP相談を受け付け中。

早稲田大学卒業後、大手重工業メーカーに勤務、海外向けプラント輸出ビジネスに携わる。今までに訪れた国は35か国を超え、海外の話題にも明るい。

サマーアロー・コンサルティングHPアドレス:https://briansummer.wixsite.com/summerarrow

障害給付金、入院給付金、高度障害保険金などを受け取った場合

生命保険では、災害や疾病などにより、障害給付金、入院給付金、高度障害保険金などが支給される場合があります。
 
「生命保険契約に基づく給付金で、身体の傷害・疾病に起因して支払いを受けるものは非課税」とされているので、税金はかかりません。それは「これらの給付金は、災害や疾病などに起因して発生した費用に充当されるものだ」という考え方によるものです。
 
また、三大生活習慣病(ガン、急性心筋梗塞、脳卒中)にかかったときに支払われる特定疾病保険金、余命6ヶ月以内と判断されたときに支払われる「リビング・ニーズ特約」による特約保険金などについても、障害給付金、入院給付金、高度障害保険金と同様、非課税となります。
 
ただし、死亡保険金は「身体の傷害に起因して支払われるもの」には該当しないので、契約関係に応じて、相続税、所得税(一時所得)、贈与税などの対象になります。
 

解約返戻金を受け取った場合

「資産運用保険」の場合、解約返戻金として運用の成果を受け取ることが一般的です。その場合の課税関係は、以下のとおりとなります。
 

(1)保険料の負担者が解約返戻金をもらったとき

この解約返戻金に対する課税方法は、満期保険金の課税の場合と全く同様です。すなわち、保険料負担者と解約返戻金受取人(契約者)とが同一の場合、一時金で受け取ったときは所得税(一時所得)の対象となり、年金で受け取った場合は雑所得になります。
 

(2)保険料の支払者でない人が解約返戻金をもらったとき

保険料負担者と解約返戻金受取人(契約者)とが異なる場合は、「受取人が保険料負担者から解約返戻金相当額を贈与されたもの」と見なされて、贈与税が課税されます。
 

学資保険の各種給付金・保険金を受け取った場合

(1)入学祝金または満期保険金(満期祝金;契約者(親など)、被保険者(子ども)がともに生存している場合に支払われるもの)

学資保険の入学祝金や満期保険金(満期祝金)は、受取人が契約者(保険料負担者)である場合は、一時所得になります。
 

(2)被保険者(子ども)が死亡した場合に支払われる死亡給付金

学資保険は、被保険者(子ども)が死亡したときに契約者(親など)へ死亡給付金を支払うものが多いのですが、この場合、死亡給付金は契約者(親など)の一時所得となります。
 

(3)契約者(親など)が死亡した場合はどうなるか?

1 死亡時の権利価額で被保険者の親族が契約を承継する
契約者(親など)が死亡した場合、入学祝金等の受取人は、被保険者を扶養する父あるいは母またはその他の親族などからだれか1人に移行します。この人は新契約者となり、保険契約上の一切の権利義務を承継するので、保険契約は相続財産として課税の対象となります。
 
この場合の権利の価額は、原則として個々の契約に係る解約返戻金の額で評価されます。
 
なお学資保険における契約者死亡の場合、保険料払込免除特約が付いているので、その後の保険料負担はなくなります。
 
2 新契約者が入学祝金満期保険金(満期祝金)を受け取ったとき
相続によって取得した生命保険契約に関する権利は、そのとき以降、当該新契約者が保険料を自ら負担したものと同様に取り扱われることになります。従って、契約者の死亡後に受け取る入学祝金・満期保険金・満期祝金は、新契約者の一時所得として課税されます。
 
3 契約者(親など)が高度障害となって、入学祝金満期保険金を受け取ったとき
契約者(親など)は被保険者ではないので、契約者(親など)が受け取る入学金満期保険金は、税法でいうところの「高度障害に基づく給付金(非課税)」にはならず、契約者(親など)の一時所得になります。
 

まとめ

生命保険の給付金は、受取人や契約形態によって相続税・所得税・贈与税のいずれかが課税されるため、注意が必要です。障害給付金や入院給付金などは基本的に非課税ですが、解約返戻金や学資保険の満期金などは課税対象になることがあります。税負担を抑えるには契約内容を事前に確認し、適切な申告を行うことが重要です。不明点があれば税理士
 
執筆者:浦上登
サマーアロー・コンサルティング代表 CFP ファイナンシャルプランナー

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