「老後」も保険料を払い続けるの? 生命保険は一生払うべき?定期保険・終身保険の違いとメリットを徹底解説
配信日: 2025.02.20


執筆者:浦上登(うらかみ のぼる)
サマーアロー・コンサルティング代表 CFP ファイナンシャルプランナー
東京の築地生まれ。魚市場や築地本願寺のある下町で育つ。
現在、サマーアロー・コンサルティングの代表。
ファイナンシャル・プランナーの上位資格であるCFP(日本FP協会認定)を最速で取得。証券外務員第一種(日本証券業協会認定)。
FPとしてのアドバイスの範囲は、住宅購入、子供の教育費などのライフプラン全般、定年後の働き方や年金・資産運用・相続などの老後対策等、幅広い分野をカバーし、これから人生の礎を築いていく若い人とともに、同年代の高齢者層から絶大な信頼を集めている。
2023年7月PHP研究所より「70歳の現役FPが教える60歳からの「働き方」と「お金」の正解」を出版し、好評販売中。
現在、出版を記念して、サマーアロー・コンサルティングHPで無料FP相談を受け付け中。
早稲田大学卒業後、大手重工業メーカーに勤務、海外向けプラント輸出ビジネスに携わる。今までに訪れた国は35か国を超え、海外の話題にも明るい。
サマーアロー・コンサルティングHPアドレス:https://briansummer.wixsite.com/summerarrow
保障を主な機能とした生命保険
保障を主な機能とした生命保険は以下の2つです。
1.定期保険
2.終身保険
定期保険
保障期間として一定の保険期間を設定し、保険期間内に被保険者が死亡または高度障害になった場合に、保険金が支払われる仕組みの保険です。定期保険の保険料は基本的に掛け捨てです。
定期保険は一生涯の保障を提供する終身保険と組み合わせて、一定の期間(家族に対する責任の重い期間等)に、死亡・高度障害に対する保障を大型化するために使われます。
「家族に対する責任の重い期間」とは、例えば新婚間もない時期、会社員の夫が小さな子ども2人と専業主婦の妻を持ったときなどが想定されます。
定期保険を付保する目的は、そのような働き手に万が一のことがあった場合、子どもの養育費・教育費、遺された家族の生活費を賄うため、数千万円を超える大きな保障が必要な場合に対応することにあります。
終身保険は保障が一生涯にわたるため保険料が高くなるので、死亡保障は通常200~300万円の低額に抑え、一定期間の大きな保障は掛け捨ての定期保険で賄うという仕組みです。
このタイプの定期保険には、保障期間中は保障金額が変わらない平準定期保険、保障が逓増する逓増定期保険、保障が逓減する逓減定期保険などがあります。
終身保険
「保障期間が一生涯にわたる」というのが、終身保険の持つ特徴の1つです。そのため、定期保険に比較すると解約返戻金がさらに大きく、時間が経つにつれ解約返戻金がさらに増加するのが、もう1つの特徴です。保険料の払込方法には、次の2とおりがあります。
・1 保険料の払込が一定年齢で終了する有期支払
・2 生きている限り保険料を払い込む終身払込
また、終身保険には、一生涯の死亡保障だけを賄う終身保険、定期保険と組み合わせた定期保険特約付き終身保険以外にも、次のようなものがあります。
1.総合終身保険
死亡・高度障害に加えて、病気やけがによる入院をした場合、寝たきりになったり認知症などにより要介護状態になったりした場合などに備えて、総合的に保障する保険です。契約時の保険金を、一生涯にわたりこの3つの保障で共有するので、入院・介護・死亡のいずれかの形で、保険金を必ず受け取ることができます。
2.生存給付金付定期保険特約付終身保険
生存給付金付定期保険特約では、保険期間中に死亡したときには死亡保険金が支払われ、生存中には一定期間(例えば5年など)が経過するごとに、生存給付金を受け取ることができます。いわば、死亡保険と生存保険をミックスした形の保険ということができます。
3.低解約返戻金型終身保険
低解約返戻金型終身保険は、低解約返戻金期間中に解約すると、一般の終身保険に比べて、解約返戻金が70~80%に減額される仕組みの保険です。その分保険料は割安になっています。
ただし、低解約返戻金期間満了後の解約返戻金は、一般の終身保険と同額になります。すなわち、逆の視点から見れば、低解約返戻金期間満了後は解約返戻金が高くなるのです。
従って、低解約返戻金期間満了の時期を子どもの大学入学前に合わせると、子どもの大学入学前に高額の解約返戻金を受け取ることができます。その性質を利用して、このような保険は学資保険として使うこともできます。
まとめ
当記事では、死亡保障を主な機能とする生命保険の種類と用途について、定期保険と終身保険を例に説明しました。
定期保険は主に特定の時期の死亡・高度障害に対する保障を大型化するために、終身保険は一生涯病気やけがなどに備えたり、場合によっては解約返戻金の受取時期を調節して必要な時期に受け取れるようにしたりするために、利用されることもあります。
執筆者:浦上登
サマーアロー・コンサルティング代表 CFP ファイナンシャルプランナー