マイナ保険証の「利用登録解除申請者」が増加…マイナ保険証を利用するメリットと登録解除の背景とは?
配信日: 2025.03.15

本記事では、マイナ保険証のメリットと、利用登録解除の申請が増加している背景について解説します。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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「マイナ保険証」とは?
マイナ保険証とは、マイナンバーカードを健康保険証として利用できる仕組みのことです。これにより、医療機関や薬局での受付などがスムーズになり、医療情報の一元管理が可能となります。2024年12月2日以降、従来の健康保険証の新規発行が停止され、マイナ保険証を基本とする仕組みへの移行が進められています。
「マイナ保険証」を利用するメリット
マイナ保険証の利用には、医療費控除手続きの簡素化や手続きなしで高額療養費制度が利用できるなど、金銭面でのメリットが多くあります。以下に、具体的なメリットを説明します。
(1)医療費控除の手続きが簡便に
医療費控除とは、その年の1月1日から12月31日までに、自身または自身と生計を一にする配偶者やそのほかの親族のために医療費を支払った際、その支払った医療費が一定額を超えた場合に受けられる所得控除です。
マイナ保険証を利用することで、マイナポータルを通じて自身の医療費情報を確認できます。これにより、確定申告時の医療費控除手続きが簡素化され、医療費の明細を自動で取り込むことが可能です。
(2)手続きなしで高額療養費の自己負担限度額を超える支払いが免除となる
高額療養費制度とは、医療機関や薬局で支払った医療費が、ひと月で自己負担限度額を超えた場合に、支給申請書を提出することでその超えた分が後から払い戻される制度です。
もしはじめから高額な医療費の一時負担をせず、窓口での支払いを自己負担限度額に抑えたい場合、従来は「限度額適用認定証」の事前申請が必要でしたが、マイナ保険証を利用することで、事前の手続きなしに自己負担限度額までの支払いで済むようになります。
(3)医療情報の一元管理
マイナ保険証を通じて、診療情報や薬剤情報が一元管理され、医師や薬剤師が過去の医療情報を確認できるため、データに基づいた適切な医療を受けることが可能となります。
マイナ保険証の利用登録解除申請が増加している背景
一方で、マイナ保険証の利用登録解除の申請が増加しているようです。利用登録解除申請の受付が始まった2024年10月下旬から、申請数は累計で5万8000件以上に達しているとのことです。
その解除理由は、以下の通りさまざまです。
・個人情報漏えいの懸念
・マイナンバーカード紛失に対する不安
・マイナポイントが欲しかっただけ
・暗証番号を忘れた など
利用登録解除については、今年の1月だけでも1万3000件を超える申請があったようです。こうした状況を踏まえると、マイナ保険証の普及にはまだ時間がかかると考えられるでしょう。
まとめ
マイナ保険証は、医療費控除の手続き簡素化や手続きなしで高額療養費制度が利用できるなど、多くのメリットがあります。しかし、個人情報の管理やカード紛失時の対応などに不安を感じ、利用登録解除の申請を行う人が増加していることも事実です。
今後は、こうした懸念を解消し、より多くの人が安心して利用できる環境を整えるためのセキュリティー強化や、サポート体制の充実が求められます。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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